著者 : ニリツ
奴隷の少女リーラの救出劇から一週間。賭場を負かし一人の女を守った代償はしかし大きかった。「負けない、勝たない」をモットーにしていたラザルスは賭場に出向くこともできなくなり、帝都を旅立つことを決める。 それは、少しずつ心を開き始めたリーラを連れての道楽旅行になるはずだったが……。 「ねえ、ラザルス。私と結婚しましょ?」 道中立ち寄った村でラザルスを待ち受けていたのは、さる事情で窮地にある地主の娘エディスからの突然の求婚だった。一方、リーラは二人のやりとりを覗いてしまい、自分はラザルスにとって不要なのではないかと想い悩み始める。「奴隷」である彼女が出した結論とはーー。 少女たちの想いを受け、やがてラザルスは危険なギャンブルに打って出る。
ーー世界は終わってしまった。 容赦なく終わってしまった。 完璧に完全に徹頭徹尾終わってしまった。 不自然に不可避に不可逆に終わってしまった。 絶対に圧倒的にどうしようもなく終わってしまった。 世界を世界と呼ぶ必要がなくなるほどに、終わってしまった。 ーーそれでも僕らはこの場所で、何かを信じてもがいてる。 ーー惨めで弱くて矮小な、どこにでもいる《人間》 として。 これは、こんなにも優しくない世界に残された、誇りと希望の物語ーー 電子版特典書き下ろしショートストーリー「猛獣使いのおしごと」
「最高機密の情報が誰かの手によってハッキングされ、この学校に流された」 私立聖果高校の全校生徒はもちろん教師たちも体育館に集められる中、数多くの刑事を従えて、雛森キョウコと名乗る女性は驚くべき真実を語りはじめる。 「まもなく地球の文明は消滅する。この情報が世間に知られればパニックは免れない。漏洩は決して許されない。事実を知った者を生かしておくわけにはいかないのだ」 そう言って雛森が合図をすると、刑事たちは羽織っていたコートの懐から短機関銃を取り出し、銃撃をはじめた。閉鎖された体育館内は地獄へと変わっていく。その中で、高校一年の赤咲カナミは、髑髏の面をかぶった男を目にする──。 世界の終末に現れた男は果たして悪魔か、救世主か?
異世界へと転移した青年・ミチナガ。彼が指揮する部隊「チェックメイト」は、巧みな戦術・圧倒的な火力により大きな戦果をもたらし続け、さらに軍内での自由を獲得していく。一方で、彼らをこの異世界に投じた張本人の女神さまが、彼らの身勝手な行動にしびれを切らして下したある決断とは…?それぞれの想いと秘密が徐々に紐解かれる。運命に手を伸ばす、変革の第5巻!日本最大級のノベルコンテスト第3回なろうコン大賞金賞作品。
ヴィクターを狙う殺戮者たちの影。 ガマエの新たなる真相を求めるべく、ガマエ研究者として著名であるヒルベルト・コッホの元を訪れるクリミアとヴィクター。コッホが起ち上げた様々な発明品を開発し続けるコッホ社は、外部からの侵入者を拒絶する擁する奇妙な島にあった。そしてそこには、想像を絶するほどに規則正しい生活を送る、奇妙な従業員たちがいた。 ようやく辿り着いたコッホの居場所。それは厳重に閉ざされた扉の奥であった。 コッホはもう50年もの間、そこに籠っているいると言う。 途方に暮れつつも目的を果たすべく島に逗留する二人。そんな二人の前に、ヴィクターを「黙示録の悪魔」と称して付け狙う殺戮者たちが現れる。魔法医師を名乗る彼らだが、彼らの駆使する魔法医術はクリミアですら知らぬものであった。 《鉄鎚》でも無き者たちが、なぜヴィクターを狙うのか? 彼らは、ヴィクターの何を知っているのだろうか? 時の流れが乱れる孤島で、ヴィクターの命を巡って凄惨な死闘が幕を開ける。この戦いの「鍵」となるのは誰なのか。その思考の先に、クリミアは新たなる《妖病》の姿を垣間見る。魔法医学の未来を覗く、第5集。
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』第二の外伝、ここに始動! これは、綴られることのない妖精譚、──【疾風の外典(ストーリー・オブ・リオン)】──
十八世紀末、ロンドン。 賭場での失敗から、手に余る大金を得てしまった若き賭博師ラザルスが、仕方なく購入させられた商品。 ーーそれは、奴隷の少女だった。 喉を焼かれ声を失い、感情を失い、どんな扱いを受けようが決して逆らうことなく、主人の性的な欲求を満たすためだけに調教された少女リーラ。 そんなリーラを放り出すわけにもいかず、ラザルスは教育を施しながら彼女をメイドとして雇うことに。慣れない触れ合いに戸惑いながらも、二人は次第に想いを通わせていくが……。 やがて訪れるのは、二人を引き裂く悲劇。そして男は奴隷の少女を護るため、一世一代のギャンブルに挑む。
周囲の期待に応えられず、逃げ出すようにフレイム王国からの召集に応じた浩太は、シオンに連れられて「ホテル・ラルキア」を訪れる。そこで待っていたのは、シオンの旧友ークラウス、ベロア、エリーゼとの出会い。彼らから相談を受けた浩太は経営危機に瀕するホテルの実情を知り、協力を約束する。着々と迫る経営会議。立ちはだかるは、老舗ホテルグループの金看板を背負う会長と幹部たち。いよいよ仲間が追い詰められたとき、浩太は反撃の狼煙を上げる!普通の『銀行員』浩太が奮戦する異世界エコノミックファンタジー、第六幕。そして浩太の過去を知る“ラルキアの聖女”が、ついに動き出すー!書き下ろし番外編「彼女が聖女になったワケ」収録!
侯爵家の長男ロベールと入れ替わった俺は、謎の斥候との衝突後、無事に竜騎士育成学校に戻ってきていた。自身の求める居場所を作るために“友人達の協力”が不可欠だと実感した俺は“派閥”作りに乗り出した。そんな折、学校より命じられたのは西方への蛮族探索。断ることもできず、先輩や現役竜騎士と共に任務に乗り出すが、見つけたのは敵国の兵に囲まれ孤立した砦! 俺は竜【ヴィリア】と共に単身砦に乗り込む決意をするのだがーー。異世界成り上がり興国記第2弾!
クリミアのスランプ。魔術を失った彼女は。 古代インスマ文明の発祥の地、インスマ砂漠。 灼熱の地に現れた人魚の死体。それに呼応するように、見たこともない海の夢を見始める砂漠の人々。 スランプ脱出のために、インスマ砂漠に拠点を置く魔法医学史の権威・ハーネマンの元に訪れていたクリミアは、住人たちを治療しようと主張し続けるが、魔術を使用できなくなった彼女に為す術などない。 さらに彼女の隣には、常にあったはずのヴィクターの姿がない。 そこに、人魚の噂を聞きつけた、悪名高き解剖医ヴァネッサ・キャスパーが訪れる。再会する二人。深まる人魚の謎。 片や結社の病院に一人残されたヴィクターは、クリミアを求めて旅に出る。 インスマ砂漠を取り巻く謎を追うクリミアとヴァネッサ。 ドゥンに冒されながらも旅を続けるヴィクター。それを支えるイングリド。 そんな彼らの影で、ついにラー聖教が擁する最強の〈鉄鎚〉ラ・ピュセルが動き出す。 黙示録の悪魔を殺すために存在する彼女の存在は、クリミアとヴィクターの旅、そして二人の関係にどのような危機をもたらすのだろうか。 魔法医師の結社と教会の意外な関係。 そしてヴィクターが罹患した妖病が、世界にもたらす影響とは。 魔法医学史の根底を覆す、第4集。
戦乱の中で、因縁と思惑が交錯する…!異世界へと転移した青年・ミチナガ。彼が指揮する部隊「チェックメイト」はラウラ姫というカードを手に、政治的な展望を携えこの世界に更に深く入り込んでいく…。神器の出現や使役獣など、新たな力の存在とともに、更に戦いが洗練されていく部隊「チェックメイト」の面々。そんな彼らの前に、遂に因縁の男が姿を現す…!拡大する戦乱が眠った野心を呼び覚ます。思惑が錯綜し、策謀が渦巻く混沌の第4巻!日本最大級のノベルコンテスト第3回なろうコン大賞金賞作品。
死を操る少女と、不死の傭兵の運命を描く予測不能の魔法戦記ファンタジー! 死者の魂を呼び出して、無限の兵器として運用する者。死者の言葉を聞き出して、古代の英知として導く者。死者の想いを利用して、己の欲望を満たす者。 ーーそれが死世学者。 類い希なる魔力を持ち、たった一人で戦況のすべてを覆す美しき死世学者の少女クレッシェンド・イマジナル。そして彼女が死から喚び起こした最愛の幼馴染みの霊にして、最強の傭兵トトポン。 二人は魔法同業組合の発達する黒曜都市共和国オブシディアにて首都防衛戦に参加する。一般兵から疎まれながらも一騎当千の活躍を果たす彼らだったが、侵略軍の中にも死人兵が現れたことで事態は一変し……。 死を操る少女と、不死の傭兵の運命を描く予測不能の魔法戦記ファンタジー!
転生後の世界で奴隷として生きていた俺は、あるとき死にかけの貴族の少年と出会い看取った後、彼と入れ替わりを果たした。そして、侯爵家の長男として竜騎士育成学校に入学し、強大なドラゴンを手に入れることに成功した俺は、辺境の田舎町を統治実習の場として選び、改革を開始した。農地開拓、衛生概念や教育の普及、道具類の開発と、前世の知識を駆使して次々に実現していく。この過酷な世界で、自分の居場所を作るためにーー。異世界成り上がり興国記登場!
揺れるクリミア。妖病の新たなる解釈。 太古の昔、医術と魔術とは、同一のものであった。 その技術を継承し続ける者たち。その者たちは、魔法医師と呼ばれていた。ドゥンと呼ばれる様々な《妖病》の原因。それに感染することで、人は伝承の中に存在する魔物に身を変える。故に、魔法医師は必要とされ続けているーー。 だが、その魔法医師も《妖病》に冒されることがある。 魔法医学の権威・ガレノス。 彼は治療法が不明のドゥンに感染し、その命を削りとられていた。 そして、彼の元に5人の魔法医師が集う。 彼の治療を巡って、技を競い合う魔法医師たち。 その一方で、ガレノスの身辺について、奇妙な事柄が浮かび上がってくる。 サキュバスの存在と、石化の邪眼を持つ少年。 クリミアの他に呼ばれた医師たちとガレノスとの内縁関係。 そして、ガレノスは何者かにドゥンを植えつけられた……。 果たしてガレノスと、それらとの関係とは。 そして、ガレノスの妖病の意外な真相とは。 ヴィクターの師、フレデリーク・ナイチンゲールも登場し、クリミアとヴィクターの旅は次のステージへ。 魔法医学の特異な一面が記された第3集。
彼女は言ったーー「魔物など、存在しない」 太古の昔、医術と魔術とは、同一のものであった。 それを忘れた人々は、《妖病》と呼ばれる病の患者たちを、魔物と称し、忌み嫌った。 魔法医師の少女・クリミアと、彼女の幼なじみであり重大な妖病を抱えるヴィクターは、その治療法を探して旅を続ける。あるとき立ち寄った街にて、彼らは「もう一人の自分」と会話する少女と出会う。ドッペルゲンガー。魔法医学においてはすでに原因が判明しているはずの病だが、なぜか原因が見つからない。奇妙に思う二人に対し、少女はーー首無しの魔物デュラハンの元から逃げてきたと告げたのだった。 --理性を持つ首無しの生物。 長き歴史を誇る魔法医学界にも資料のない現象。では、それは理論では説明のつかない本物の魔物か……? しかしクリミアは、魔物の存在を認めない。自分のために、ヴィクターのために……。 時を同じくしてクリミアとヴィクターの元に、非道な研究で悪名を轟かす魔法医師が現れる。ヴィクターの妖病を知り、解剖したいと迫る彼女だが……。 はたして、デュラハン、そして少女のドッペルゲンガーの正体とは? 魔法医学史上、もっとも稀な事例を取り扱った、第二集。 物語を彩るのは気鋭のイラストレーター・ニリツ!
今はもう忘れられた、魔法医師の物語ーー。 太古の昔、医術と魔術とは、同一のものであった。 今や人類は、かつて魔術と医術とが一つであったことをすっかりと忘れてしまっていた。しかし、この世には未だ医術のみで癒せぬ病が存在する。 それは、伝承の中で、吸血鬼、狼男、食人鬼などと語られる化け物の類い、魔術を用いねば癒せぬ病ーーすなわち〈妖病〉が。故に古代の知恵、魔術と医術とが一体となった知恵を、未だ脈々と伝え続ける者たちがいる。 すなわちーー〈魔法医師〉が。 魔法医師の少女・クリミアは自身が幼い頃に行った魔法医術の影響で、重大な妖病を患った幼なじみのヴィクターを治療するため、共に旅を続けていた。その目的は、ヴィクターの病を治せるだけの力をもった霊石《ガマエ》を集めること。 その旅の中で、二人は数多の病人を治療していく。 ときに魔法医師を異端と迫害する教会と戦いながら。 ときに病人を魔物と称する人々と戦いながら。 そして、病そのものと、戦いながらーー。 『王子降臨』『楽園追放 mission.0』などで活躍中の手代木正太郎が奇妙で流麗な筆致を踊らせた最新作。 イラストは、気鋭のイラストレーター・ニリツ!! 【編集担当からのおすすめ情報】 2014年に公開された、大ヒット映画『楽園追放』のノベライズを担当し、オリジナル前日譚を執筆。 あの虚淵玄氏をして、アンジェラに同情をさせた、その前日譚『楽園追放 mission.0』も好評発売中です!! 著者の第7回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作『王子降臨』(全2巻完結)も要チェック。
神を名乗る謎の教祖にカナタとリセが拉致されーー!? 林間学校を楽しむ葉台高校の生徒たち150名以上が、まとめて拉致される事件が起こる。犯人は、武装した大勢の信徒を率いる、狐面をかぶった少女。 「我が名は“生虚神”。ヒトの未来を担う神でございます」 そう名乗る狐面の彼女こそ、凶悪なテロ計画を密かに進める謎多きカルト教団・黒陽宗の教祖。 拉致された学生、そしてその中にいるカナタやリセも、否応なく、テロへの荷担を強制されるのだった……。 人気サスペンスシリーズ、第3弾!!
医療ミスを認めない病院の院長、車で子供をひき殺した女優……罪に問われず、ぬくぬくと生きている人間たち。そんな「世間から反感を買っている」人々を殺してまわる連続殺人鬼が現れる。 その名は「公共の敵」。 残虐な処刑の様子をネット上でライブ放送するという異様な手口で、多くの一般市民から熱狂的な喝采を浴びていく。 「公共の敵に死を」とうそぶく彼の真の狙いとはーー?