著者 : 紅玉いづき
『ビブリア古書堂の事件手帖』&『神様の御用人』新作収録! 三上延、浅葉なつ、近江泉美、紅玉いづき、似鳥航一、杉井光の6名の大人気作家が贈る、「神様×本」というテーマから生まれた珠玉のアンソロジー集。 現存する最古の日本語訳聖書をめぐる栞子たちの物語(三上 延『ビブリア古書堂の事件手帖』番外編)、『源氏物語』幻の帖「雲隠」を巡って紡がれる神々の物語(浅葉なつ『神様の御用人』番外編)、「本の神様」がいると噂される図書屋敷で『注文の多い料理店』のような不思議な世界に迷い込み (近江泉美『深夜0時の司書見習い』番外編)、パパ活中の女子大生と『人間失格』(紅玉いづき『カミサマは待ちぼうけ』)、「ゴッド オブ 。神様 団子」と言い残して倒れた青年と、あるミステリー作家(似鳥航一『下町和菓子 栗丸堂』)、天国にある出版社が聖書の矛盾を修正すべく神の監修のもと奔走(杉井光『ハレルヤ出版編集部』)。読み応えたっぷりの珠玉の6作が収録! 【参加作家一覧】 三上 延/似鳥航一/紅玉いづき/近江泉美/杉井光/浅葉なつ 「ビブリア古書堂の事件手帖〜約翰福音之傳〜」三上 延 「下町和菓子栗丸堂〜神様団子〜」似鳥航一 「カミサマは待ちぼうけ」紅玉いづき 「深夜0時の司書見習い〜注文の多い図書館〜」近江泉美 「ハレルヤ出版編集部」杉井 光 「神様の御用人〜雲隠〜」浅葉なつ
どうして、わたしなんかを選んだの? 行き場もなく夜の街をさまよっていた家出少女チル。ある夜、路地裏に突如降ってきた黄金の髪を持つ美しい男。その口が発したのはーー「うまれかわりを、のぞまれますか?」「我が王よ」 かくして、チルは異世界に取り込まれる。破れたマントを胸に抱えて迷い込んだのは、かつて豊かな織物の国と呼ばれた動乱の国リスターン。 一度はすべてを諦めた無力な少女は、荒廃した国を救い、王となり得るのか。少女文学の旗手が贈る、ドラマチックロマンファンタジー。 『ミミズクと夜の王』から17年。こんな紅玉いづきを、待っていた!! プロローグ 伝承の誓句 第一章 青い鳥と黄金 第二章 思い出をつむぐ糸の国 第三章 空白の玉座 第四章 夜に生まれる国 第五章 踊る強襲 第六章 終わりにしてはじまりの森 第七章 偽王と新王 第八章 果てのない未来の国 エピローグ 運命よりも強い恋
未曾有の大地震が首都・東京を襲った後、復興の名目で湾岸エリアに大人の街ーーカジノ特区がオープンしてから長い時間が経った。今宵も、街を象徴し、盛り上げるために置かれた少女サーカスでは、古き文学者の名を冠する精鋭たちが舞台へと踊り出る。が、あるとき花形の空中ブランコ乗り・片岡涙海が練習中に落下。身代わりとして容姿がそっくりの双子の妹・愛涙が舞台に立つことになる。やがて、その命が狙われて……? 熱狂とその舞台裏、大人たちの黒い思惑を巻き込みながら、嘘を背負って生きるふたりが見つけた結末はーー。 一瞬に命をかける少女たちの輝きを閉じ込めた「少女文学」紅玉いづき、異色の青春ミステリ! ■著者プロフィール 紅玉いづき 1984年生まれ、石川県金沢市出身。金沢大学文学部卒業。2006年、少女の崩壊と再生を描いた『ミミズクと夜の王』で第13回電撃小説大賞を受賞、07年同作にてデビュー。逆境を跳ね返し、我がものとしていく少女たちを描き、強固な支持を得ている。
首都・東京を襲った大地震から一年後、経済特区・湾岸カジノに街を象徴する少女サーカスが誕生。その開発の際、『正徳会』グループの建設現場で責任者が自殺した。それは父子家庭で育ったマリナの父で、天涯孤独になった彼女はその自殺の真相を探るうち、少女サーカスの団員募集を知る。やがて空中ブランコ乗りを目指す中で、彩湖と杏音というかけがえのない仲間と、カジノ特区で多大な権力を持ちながらサーカスに反対する男ーー『生徳会』代表・鷲塚と出会う。底の見えないこの男が握る真実とは……。 カジノ反対派のデモ、裏で動く莫大な金、そしてサーカスへの喝采と観客(ファン)からの熱烈なファンレター……この熱狂の渦に立ち向かう“嘘”にまみれた少女に熱い涙が溢れる、少女たちの青春ミステリ! ■著者プロフィール 紅玉いづき 1984年生まれ、石川県金沢市出身。金沢大学文学部卒業。2006年、少女の崩壊と再生を描いた『ミミズクと夜の王』で第13回電撃小説大賞を受賞、07年同作にてデビュー。逆境を跳ね返し、我がものとしていく少女たちを描き、強固な支持を得ている。
ーこの婚礼に祝福を。長きにわたって氷血戦争を続けていたフェルビエ族とミルデ族。その戦いに終止符を打つため、ひとつの約束がなされた。それは、想い人さえ喰らうほどの激情をもつ“雪蟷螂”と呼ばれるフェルビエ族の女族長アルテシアと、永遠生を信仰する敵族、ミルデの族長オウガの政略結婚だった。しかし、その約束の儀は、世代を超えて交錯する人々の想いにより阻まれてしまう。極寒の地に舞う女達の恋の行方は…。書き下ろし異伝「悪魔踏みの魔女」を収録。
海沿いの王国ガーダルシア。トトと呼ばれるその少女は、確かな魔力を持つ魔術師の血筋サルバドール家に生まれた。しかし、魔術の才に恵まれず、落ちこぼれと蔑まれていた。そんなある日、神殿の書庫の奥に迷い込んだ彼女は、数百年前に封印されたという“人喰い”の魔物と出会いー。「ねぇ、ママって、なに?」これは、人喰いの魔物と、彼のママになろうとした少女の、切なくも愛おしい絆の物語。全編に亘り修正を加え、王国の末姫の回想を描いた掌編「黒い蝶々の姫君」を初収録。
「梶くんとは別れようと思う」学園祭の真っ最中、別れを告げようとしている橘ほたると、呼び出された梶くん。彼女と彼の視点が交差する恋の最後の15秒(「15秒のリターン」)。ソシャゲという名の虚無にお金も時間も全てを投じた、チョコとあめめ。1LDKアパートで築いた女二人の確かな絆(「戦場にも朝が来る」)。大切なものを諦めて手放しそうになる時、自分史上最高の「ターン」を決める彼女達の鮮烈で切実な3編と、書き下ろし「この列車は楽園ゆき」「15年目の遠回り」2編収録。
忌まれた姫と異形の王子の、小さな恋のおとぎばなし。「星よ落ちろ、光よ消えろ、命よ絶えろ!!」全知の天に運命を委ねる占いの国ヴィオン。生まれながらにして毒と呪いの言葉を吐き、下町に生きる姫がいた。星と神の巡りにおいて少女エルザは城に呼び戻され隣国に嫁げと強いられる。唯一の武器である声を奪われ、胸には星の石ひとつ。絶望とともに少女が送られたのは聖剣の国レッドアーク。迎えたのは、異形の四肢を持つ王子だったー。書き下ろし番外編「初恋のおくりもの」で初めて明かされるある想い。『ミミズクと夜の王』姉妹作。
魔物のはびこる夜の森に、一人の少女が訪れる。額には「332」の焼き印、両手両足には外されることのない鎖。自らをミミズクと名乗る少女は、美しき魔物の王にその身を差し出す。願いはたった、一つだけ。「あたしのこと、食べてくれませんかぁ」死にたがりやのミミズクと、人間嫌いの夜の王。全ての始まりは、美しい月夜だった。それは、絶望の果てからはじまる小さな少女の崩壊と再生の物語。加筆修正の末、ある結末に辿り着いた外伝『鳥籠巫女と聖剣の騎士』を併録。
呪われた島から旅立ち、逃亡の日々を送ることになった孤独の悪魔を背負う男ヨクサルと死霊術師の孫娘シュガーリア。世界から失われつつある異端を救う道行きの中で、彼らは人ならざる有翼種の血を引く子供、ビーノと出会う。帝国の謀略が蠢く砂漠の街、バフハに潜入した彼らに追っ手が迫る中、ヨクサルは自分の罪と過去に直面する。孤独と幻想のあわいで、シュガーリアの身を焦がしたのは、初めての恋の激情だった。
「あなたを愛するために、ここまで来たんだもの」黒い海を越え、呪われた島にやってきた美しい少女、シュガーリア。今は滅びた死霊術師の忘れ形見である彼女が出会ったのは、大罪人の男、ヨクサルだった。彼は無数の罪をその身に刻み、背負う悪魔は、『孤独を力にかえる』というー。「あんた、何様のつもりだ」「わたしはシュガーリア。この世界で最後の…死霊術師の孫娘よ」愛など知らない男と、愛しか知らない少女が出会った時、末路を迎えたはずの物語が動きはじめる。水銀糖の少女の、命をかけた最後の恋は、滅びの運命に抗うことが出来るのか。
長き旅路の果て、ニル・カムイの核心を成す伝説の魔城、「契りの城」に集った革命軍、黄爛軍、ドナティア軍、そして天凌府君軍。それぞれの思惑が激しく交錯する四つどもえの死闘のさなか、スアロー、婁、エィハ、忌ブキ、禍グラバら五人の英雄たちはそれぞれに秘められた“天命”へと導かれ、ついに〈赤の竜〉と対峙するー!! 至高の最終決戦ラストバトルが今始まる!
伝説の魔城「契りの城」の奥深くに辿り着いたスアロー、婁、エィハ、忌ブキ、禍グラバら五人の英雄たちの前についに現界した〈赤の竜〉! すべての運命を賭け合った至高の最終決戦を通じて描き出される人と竜、そしてこの世界そのものの“新しいかたち”とはーー!? 英雄たちの長き旅の終わりにふさわしき、瞠目必至の決着と伝説の完成を読撃せよ。
<死者の王>として復活を果たした婁震戒(ロー・チェンシー)こと天凌府君(てんりょうふくん)が呼び覚ます還り人の群れによって、蹂躙の限りを尽くされるニル・カムイの大地。そのさなか、<赤の竜>を殺す方法を唯一人知る巫女<喰らい姫>の託宣に従い、忌ブキたち革命軍、ドナティア軍、黄爛軍、そして天凌府君軍が一堂に集うとき、人と竜とが契(ちぎ)りを交わしつくられたという伝説の魔城<契りの城>が屹立するーー! いよいよ迫り来る最終決戦!!
オガニ火山での悲しき戦いを終え、ニル・カムイの革命軍の王たらんことをついに決意した忌ブキと、絶対の忠誠を彼に誓うエィハ。次第に明かされていく不死商人・禍グラバの複雑な過去。<黒の竜>から褒美を授かるスアロー……。<混成調査隊(チーム)>のメンバーそれぞれが抱えた思惑の裏側で、しかし、婁震戒の愛剣・七殺天凌が妖しく光るーー。予測不可能、驚天動地の“結末(決裂)”を読撃せよ!!
伝説はついに裏切りの夜を越えた…。“混成調査隊”から劇的な離脱を果たした婁震戒の凶行によって一触即発となった事態の打開を図るため、各国はニル・カムイの首都・シュカにおける親善会議に先駆けて「夜会」を開くーが、その会場に突如として迫る“赤の竜”の影!革命軍、黄爛軍、ドナティア軍が三つ巴となる激戦のさなか、忌ブキに次第に芽生えていく“王”としての意志は、この島を救うのか、それとも滅ぼすのか。激動と狂瀾の果てに英雄たちを待つ驚愕の賽子の目とは!?
世界の覇権を懸けて争う巨大国家・ドナティアと黄爛との狭間に位置する謎めいた島国、ニル・カムイ。その守護神とも言える“赤の竜”に突如生じた異変の原因を突き止めるべく組織された“混成調査隊”のメンバーたちに、この島の運命は委ねられた!救うのか。滅ぼすのか。それとも、“革命”かー。TRPG(テーブルトークRPG)の手法を用いて物語を描き出すRPF(ロール・プレイング・フィクション)企画第一弾、虚淵玄×奈須きのこ×紅玉いづき×しまどりる×成田良悟が紡ぎ上げる奇跡の物語。これぞ五人の英雄が織りなす、最高の冒険譚!
世界の富を一手に握ると噂される不死商人・禍グラバとの合流を果たした“混成調査隊”のメンバーは、様々な思惑と謀略の渦巻く中、島の守り神たる“赤の竜”が狂乱した原因を突き止めるべく竜の棲まうオガニ火山へと歩を進める。そこには、かつてない“激戦”が待っていた!救うのか。滅ぼすのか。それとも、“革命”かー。TRPG(テーブルトークRPG)の手法を用いて物語を描き出すRPF(ロール・プレイング・フィクション)企画第一弾、虚淵玄×奈須きのこ×紅玉いづき×しまどりる×成田良悟が紡ぎ上げる奇跡の物語。これぞ五人の英雄が織りなす、最高の冒険譚!
皮肉屋の青年・叶義は幼い頃、あやかしの神隠しに遭って以来、いかなるものも“視えないものはない”という。妖しい美貌を持つ飴細工師・牡丹はその手で“つくれないものはない”というー。二人の青年が営むは、世にも不思議な妖怪飴屋。奇妙な縁に惹かれた彼らは、祭り囃子の響く神社で今宵も妖怪飴をつくりだす。人と寄り添うあやかしの、形なき姿を象るために。あやしうつくし、あやかし飴屋の神隠し。