ケモノガリ 4
少年よ、ローマを目指せ。殺人のために!!
さあお立ち会い!
この世のあらゆる享楽を味わい続けた皆々様よ!
人を蔑み、人を貶め、人を穢してきた皆々様よ!
貴方がたはとうとう究極の悦楽に手を出してしまったのです!
即ち、殺人!
自分と同じ種の命を弄ぶ!
ですが皆々様!
一つお忘れでございませんか?
人の命を弄ぶ者は、天罰を受けるのだということを!
天からの罰など怖くない? ……なるほどごもっともです!
貴方がたには「強大な権力」がある!
指先一本で人を殺し、口を封じることができるでしょう!
ならば、誰が貴方がたを罰するのか?
貴方がたの喉笛を噛み千切るのか?
答えは“ケモノガリ”。
貴方がたのような“ケモノ”を徹底的に追い詰め、鋼の牙で喉笛を食い千切り、命乞いをせせら笑って刃を突き立てる者。
さあ、もう彼は目の前に居る!
戦いますか? 逃げますか? 泣き喚きますか?
無論のこと、結末は等しく同じです。
絶対的な権力を持ち、暴力装置を抱えた貴方がたといえども、あのケモノガリの前では、ただのケモノでしかないのだから!
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