出版社 : 主婦の友社
毒で体調を崩した姚が医局勤めに戻れるようになった頃、猫猫のもとに大量の書物が届いた。送り主は、変人軍師こと羅漢。碁の教本を大量に作ったからと、猫猫に押し付けてきたらしい。興味がないので売り飛ばそうかと考える猫猫の考えとは裏腹に、羅漢の本によって、宮中では碁の流行が広がっていくことになる。一方、壬氏はただでさえ忙しい身の上に加えて、砂欧の巫女の毒殺騒ぎや蝗害の報告も重なり、多忙を極めていた。そんな中、宮廷内で碁の大会が企画されていることを知った壬氏は、羅漢のもとに直接交渉をしかけに行く。開催場所を壬氏の名前で提供する代わりに、サボっている仕事をこなすように説得するのだがーー。
いくつもの仕事をやり遂げ、山猫傭兵団の事務長として認められたウィラード。しかし王立大学院に戻るのは遠い未来の話で、先の任務の影響は隣国バンジャリーを二分する事態にまで発展していた。そして、かつて命を救ったブロンダート殿下の配下、リリアレットが貝殻亭を訪れてきた。「戦いはすぐそこに迫っている」。軍資金とともに、山猫傭兵団には王太子陣営への参陣とビムラの傭兵の取りまとめが要請される。団長の安請け合いから丸投げされた仕事をこなし、ようやく漕ぎつけた出発前の壮行会。用意されたご馳走に沸き立つ団員たち。そこに侯爵家の三男坊を名乗る珍客、ディデューンが現れたー。
異世界で第二の人生をおくることになったセイギこと灰崎正義、25歳。小国ノライの辺境の町、トリョラで異邦人として暮らす中で、トラブルに見舞われても、交渉スキルを駆使して何とか乗り切る。「ペテン師」呼ばわりされつつも、ようやく平穏に暮らせると安堵していた。だが、トラブル解決と引き換えにセイギは小国ノライの義勇軍の代表となる。また悪いことに、巨大帝国アインラードとノライの戦争が始まってしまった。絶望的な国力差での戦争を、ノライ将軍である「赤目」ことドラッヘの指揮の下、セイギは義勇軍代表として戦争に参加することになるのだがー!?
高校生の南条翔は、襲われていた銀色の狐を助けたことで半妖となり、妖の世界の「南の神主」の素質を手に入れる。人間の世界で生きていきたい翔は元の生活を送ろうとするが、化け狐となったことで聴覚や嗅覚が過敏になり、車の排気ガスの臭いや騒音で体調を崩し、夜は不眠に悩まされてしまう。幼馴染の和泉朔夜と楢崎飛鳥はそんな翔を心配して、体調不良の心当たりがないのかを問い詰めるが、幼馴染の二人は妖を調伏する「妖祓」であった。朔と飛鳥にバレてはいけないと翔ははぐらかすのだが、二人の目を誤魔化し続けるのは至難の業だった。妖怪の世界の知り合いである、猫又のおばばに相談していると、ちょうど家を訪ねてきた「北の神主」の比良利に『夏越の大祓』の神事を手伝ってもらいたいと言われる。狐の五感を抑える相談に乗ってもらう代わりに、比良利を手伝うことになるのだがーー。
ふとしたことから異世界に迷い込み、役立つ能力(魔法やアイテム)と役立たない従者(少女の姿をした魔物)を手に入れた、三十過ぎの冴えない男。レベル、魔法、スキル、アイテム、魔族といった摩訶不思議が詰め込まれたゲームのような世界にて……。アイテムを換金して荒稼ぎ。高価な宿を借りて悠々と朝風呂。名物を探して露店回り。そして、異世界に慣れ、脅威となる相手が存在しないと知った男は、調子に乗って好き勝手に遊び始める。請われ、求められ、疑われ、恐れられ、泣かれてもなお、己の享楽にしか興味がない男。力さえあれば何でも出来ると、信じて疑わない……。全ては、羨望する「余裕」を手に入れるがために。男は今日も「道楽」という名の旅に出る。--三十路越えの放蕩男が本格的な道楽に興ずる第二幕。ついに開幕!
十年ぶりに降り立った異世界で無事にルーナと再会できたカズキ。だが、黒曜という肩書の為に命を狙われてしまう。身の安全を守る為、アリスローク・アードルゲの家にかくまわれ、彼の女家族達と楽しい時間を過ごすことに。だが、娼館を襲ったものと同じ集団がアードルゲを襲う。戦争によって大切な人を失い続けてきたアードルゲにある、故人を偲ぶ唯一の絵を燃やさせるわけにはいかないと、カズキは自ら囮となって屋敷を飛び出した。捕らわれた先で地下室に閉じ込められたカズキは、謎の青年ゼフェカに出会う。彼はカズキの「いつまでここにいればいいのか?」という質問に「時代が終わるまで」と答えるのだったーーー。
料理人を目指していた女性は、夢であった自分の店を開く直前、通り魔に刺されて命を落とした。次に目を覚ましたとき、そこは異世界で、なぜか小さな少女になっていた。しかし、前世の記憶を取り戻したのもつかの間、乗っていた馬車が野党に襲われてしまう。運よく不思議な狼に助けられて一命をとりとめたが、前世の記憶はあるものの、ここはどこで、この世界の自分が何者なのかもわからない。ひとまず狼とともに森の中で暮らすことになった少女は、狼が持ってきてくれた生肉を見て思った。--料理がしたい、と。洞窟で拾った魔王に頼んで魔獣を仕留め、聖なる炎でベーコンを炙る。異世界の森の中、破天荒な少女のとんでもサバイバルクッキングが幕を開ける!
バロウの正体を探るため、旅に出ることにしたカエデたちは、途中、カルデノの故郷に立ち寄ることになった。そこでカエデは、かつてカルデノが奴隷として売られた理由を知る。亡くなってしまった育ての親との思い出や、自分を売った相手と向き合ったカルデノは過去と決別し、本来の目的であったバロウ探しに戻ることになる。そこで、カルデノの知り合いだというガジルの案内もあり、遂にバロウが住むという家に辿り着くのだがーー。
セレスに立ち向かうことを決意した一行は、まずは王都を離れ、冒険者の都市ベイムに向かおうとしていた。しかし、ライエルに恨みを持つリオネルにより「国家反逆者」として指名手配されてしまったライエルは、国境を抜けて移動することが難しくなってしまう。しかたなく迂回ルートを辿ることにすると、偶然、関所で興味深い話を耳にする。どうやら近くの国で、秘密裏にダンジョンを管理しているのではないかという。歴代当主たちは大盛り上がりで、ダンジョン討伐を提案してくるのだがーー。
グラースの活躍でリバーマンダーを討伐したヘイタは、活躍を聞きつけた記者からインタビューを受ける。そこで「戦争祭」という強さを競う大会があることを聞き、ロナたちを誘って見学に行くことにした。トーナメントを見て祭りを満喫していると、ケラーノ達が意識のない少女を背負っているところに遭遇する。魔物に襲われていたところを助けたそうで、ヘイタ達は意識を取り戻した少女を山の村まで送り届けることになる。村人達は少女を助けてくれたお礼をしたいと言うのだが、ロナ達を待たせているヘイタは一人で帰ることにした。しかし、町に帰る途中でグラースが怪しげな人影を発見してーー。
フィルは海閻の企み止めようとしたが、僧侶たちはフィルの反論に憤り、おぞましい真の姿になってフィルを襲った。しかし、地獄と化した煉獄法岩寺に、突如バイオリンの旋律が響く。そこに現れたのはかつて生き別れた姉、セリシアだった。フィルは姉と力を合わせて海閻たちに立ち向かっていく。そして、絶体絶命の窮地の中、釣鐘の上にスタイリッシュにスーツを着こなす武器商人、伊藤が現れる。伊藤の姿を見たフィルは、アイテムボックスから伊藤から貰った最強の武器ーーひのきの棒を取り出すのだった。
「傭兵」それは、勇ましい呼称と裏腹に、この時代において最底辺とされる職業である。王立大学院の学生ウィラード・シャマリは、順調にエリート街道を歩んでいた。しかしある日、伯父である傭兵団長ガイアスバインに、事務長の代わりをしてほしいと頼まれる。義理と進路との狭間で悩み、王立大学院を休学して、傭兵となることを決意したウィラード。しかし、いざ仕事にとりかかろうとしても、エリートに向けられる傭兵たちの目は厳しかった。「お前らが毎日パンと肉を食えるようにしてやる」大勢の前で大見得を切るウィラードだったが、団の運営は想像した以上にいいかげんだった。幼馴染で妹分のイルミナ、万夫不当の勇者ティラガ、旅の途中で知り合った少年ジュラス。数少ない仲間の協力のもと、ウィラードは悪戦苦闘しつつも、仕事の割り当てや食糧の確保、団員の教育などに取り組んでいくことになる。
灰崎正義、25歳。いかがわしいコンサルティング会社に勤め、人から「ペテン師」呼ばわりされている。静かに眠ることのできる安らかな日々を望んでいた。だが、その生活は唐突に終わりを迎える。仕事上の恨みを買い、刺されたのだ。正義は気付くと異世界の荒野にいた。今度こそ、ここで平穏な日々を過ごしたいと願いながら辿り着いたのは、二つの大国に挟まれ戦争に怯える小国ノライの町、トリョラ。掃き溜めのようなスラム街で異邦人の「セイギ」として第二の人生を始めるが、アクシデントが重なり、その町の有力者から命を狙われる羽目になってしまう。これまで培ってきた交渉術を駆使し、危機を脱しようともがくセイギだったがー。
十歳で両親を亡くして以来、幼馴染達に支えられてきた南条翔は、この春から高校生もなった。ある日、頻繁に約束を破る幼馴染達に対して、翔は彼らを怪しみ、二人の後をつける。すると山中のあばら家で見たこともない、おぞましい化け物の姿と、それに臆することなく化け物を退治する、幼馴染達の一面を目の当たりにした。長年付き合いである、彼らのことは家族同然として見ており、「なんでも言える関係」でいようと、その絆を深めていた。けれど、彼らの知らない姿がそこにはあった。翔にとって、その奇々怪々な光景はあまりにも衝撃的なものだった。彼らの秘密を知った同じ日。翔は、この世とは思えない、美しい銀色の狐と出逢う。あばら家に侵入してきた迷い狐は、くくり罠に掛かり、怪我を負っていた。それを救った翔は狐から懐かれ、一夜を共にすることとなったのだがーーー。
普段は仕事に追われ、余裕のない日々を送る、三十男。仕事も一段落し、久しぶりの連休に、特別な趣味ーー道楽を見つけようとする。「例えば、旅なんていいよな」その願いが通じたかのように、男は帰宅途中、地球と異なる世界に迷い込んでしまう。そこは、レベル、魔法、スキルといった特殊なルールが存在する、不思議な世界。そこで男は、労せずして大きな力を手に入れてしまう。力を持った男の選択肢は、三つ。人類側に味方して、英雄となる道。魔族側に身を落として、暴虐の限りを尽くす道。そのどちらにも属さず、道楽のためだけに力を使う道。----男は迷わず、道楽を探す旅に出るのだった。
戦時中のグラース国に転移した須山一樹は、年下の少年、ルーナ・ホーネルトと恋に落ちた。しかし、長かった戦争が終わった夜、気がつくと日本に帰っていた。それから十ヶ月後。何の因果か、一樹は再び異世界にいた。だがそこは、敵対関係にあったブルドゥス国の王都。しかも、自分が消えた夜から十年が経過していた。行き場のない一樹は、偶然出会った少女リリィが経営する娼館で下働きとして過ごすことになる。二度目の異世界生活に慣れてきたある日、一樹はこの十年で名が知れ渡った『黒曜』という存在を知る。それは、終戦の夜に消えた異世界人の自分が、終戦の女神だと担ぎ上げられたものだった。自分を指すとは思えないほど美化された『黒曜』は、戦後の混乱を治めるのに利用されてきたと言われて愕然とする。顔は普通、頭脳は残念。珍妙な言動を駆使して、混乱の時代を駆け抜けるカズキの奮闘記がここに始まる。
王女の依頼の詳細を聞くために、王都に向かうことになったハクトールたち。しかし到着した王都は何故か人もまばらで、活気がなくなってしまっていた。さらに、王女から届いた手紙を見せても、王城内に入ることが許されずに門前払いをされてしまう。王女の親衛隊長だというアンドリューの協力もあり、なんとか王女ミーラシアと会えたハクトールは、この国の異常の原因を教えてもらう。なんでも国王が急に人が変わったようになってしまい、禁術に傾倒して暴走しているのだという。国王の変化の原因を突き止めてほしいと頼まれるのだがーー。
竜人族で長身の奴隷ベスタを落札し、ついに美女四人になったハーレムパーティ。大柄な体躯と高い戦闘能力を活かしたベスタの活躍に、迷宮探索もかなり捗るようになった。ミチオたちは新しいジョブを手に入れるために、実験をしながら徐々に深い階層に潜っていく。さらにベスタは夜の生活にも積極的で、ミチオはますます大満足の日々を送ることになる。しかし、ある日いつものように迷宮を探索していると、ロクサーヌが魔物の位置がわからなくなったと戸惑っていてーー。
フォンシエたちは旧首都を占領していた水の魔王セーランを滅ぼし、市民を連れて脱出した。しかし、旧首都は未だ多くの魔物が蠢いており、このままだといつ魔物が溢れ出してもおかしくはない。根本的な解決のためには魔物を滅ぼさねばならず、フォンシエたちはオーラー墓地に魔物が集まる謎を調査するため、もう一度旧首都へ向かうことになる。やがて目的地にたどり着いたフォンシエたちは遺跡を発見する。魔物たちがこの地に集まる理由とはーー。大人気ファンタジー、感動のクライマックス!
火龍が国王の退位を迫ったことで、ポーンソニア王国は混乱の最中にあった。そんな中、ジルアーテという冒険者の少女が王命で捕らわれてしまう。ジルアーテはポーンソニア王国の南に広がる自治区「中央連合アインビスト」の先代盟主の娘だった。アインビストでは多数の種族が集まって同盟体制を築いており、「選王武会」で優勝した者を盟主として任命し、自治を行っているという。中でもジルアーテは竜人族という特別な種族であり、アインビストに集まる種族の中でも忌み嫌われている不遇の立場だった。フレアからそのことを聞いたヒカルは、竜人族という種族に興味を抱き、ジルアーテに会いに行くことにするのだがーー。