出版社 : 主婦の友社
グラースの活躍でリバーマンダーを討伐した平太は、活躍を聞きつけた記者からインタビューを受ける。そこで「戦争祭」という強さを競う大会があることを聞き、ロナ達を誘って見学に行くことにした。トーナメントを見て祭りを満喫していると、ケラーノ達が意識のない少女を背負っているところに遭遇する。魔物に追われていたところを助けたそうで、平太達は意識を取り戻した少女を山の村まで送り届けることになる。村人達に少女を助けてくれたお礼をしたいと言われるが、ロナ達を待たせている平太は一人で帰ることにした。しかし、町に帰る途中でグラースが怪しげな人影を発見してー。
海閻の悪巧みを止めようとしたフィルだったが、僧侶たちは彼が反対したことに憤り、おぞましい真の姿になってフィルを襲った。しかし、地獄と化した煉獄法岩寺に、突如バイオリンの奏でる旋律が響く。そこに現れたのは生き別れとなっていた姉、セリシアだった。フィルは姉と力を合わせて海閻たちに立ち向かっていく。そして、絶体絶命の窮地の中、釣鐘の上にスタイリッシュにスーツを着こなす武器商人、伊藤が現れる。その姿を見たフィルは、アイテムボックスからかつて伊藤に貰った最強の武器ーひのきの棒を取り出すのだった。
灰崎正義、25歳。いかがわしいコンサルティング会社に勤め、人から「ペテン師」呼ばわりされている。静かに眠ることのできる安らかな日々を望んでいた。だが、その生活は唐突に終わりを迎える。仕事上の恨みを買い、刺されたのだ。正義は気付くと異世界の荒野にいた。今度こそ、ここで平穏な日々を過ごしたいと願いながら辿り着いたのは、二つの大国に挟まれ戦争に怯える小国ノライの町、トリョラ。掃き溜めのようなスラム街で異邦人の「セイギ」として第二の人生を始めるが、アクシデントが重なり、その町の有力者から命を狙われる羽目になってしまう。これまで培ってきた交渉術を駆使し、危機を脱しようともがくセイギだったがー。
十歳で両親を亡くして以来、幼馴染達に支えられてきた南条翔は、この春から高校生もなった。ある日、頻繁に約束を破る幼馴染達に対して、翔は彼らを怪しみ、二人の後をつける。すると山中のあばら家で見たこともない、おぞましい化け物の姿と、それに臆することなく化け物を退治する、幼馴染達の一面を目の当たりにした。長年付き合いである、彼らのことは家族同然として見ており、「なんでも言える関係」でいようと、その絆を深めていた。けれど、彼らの知らない姿がそこにはあった。翔にとって、その奇々怪々な光景はあまりにも衝撃的なものだった。彼らの秘密を知った同じ日。翔は、この世とは思えない、美しい銀色の狐と出逢う。あばら家に侵入してきた迷い狐は、くくり罠に掛かり、怪我を負っていた。それを救った翔は狐から懐かれ、一夜を共にすることとなったのだがーーー。
普段は仕事に追われ、余裕のない日々を送る、三十男。仕事も一段落し、久しぶりの連休に、特別な趣味ーー道楽を見つけようとする。「例えば、旅なんていいよな」その願いが通じたかのように、男は帰宅途中、地球と異なる世界に迷い込んでしまう。そこは、レベル、魔法、スキルといった特殊なルールが存在する、不思議な世界。そこで男は、労せずして大きな力を手に入れてしまう。力を持った男の選択肢は、三つ。人類側に味方して、英雄となる道。魔族側に身を落として、暴虐の限りを尽くす道。そのどちらにも属さず、道楽のためだけに力を使う道。----男は迷わず、道楽を探す旅に出るのだった。
戦時中のグラース国に転移した須山一樹は、年下の少年、ルーナ・ホーネルトと恋に落ちた。しかし、長かった戦争が終わった夜、気がつくと日本に帰っていた。それから十ヶ月後。何の因果か、一樹は再び異世界にいた。だがそこは、敵対関係にあったブルドゥス国の王都。しかも、自分が消えた夜から十年が経過していた。行き場のない一樹は、偶然出会った少女リリィが経営する娼館で下働きとして過ごすことになる。二度目の異世界生活に慣れてきたある日、一樹はこの十年で名が知れ渡った『黒曜』という存在を知る。それは、終戦の夜に消えた異世界人の自分が、終戦の女神だと担ぎ上げられたものだった。自分を指すとは思えないほど美化された『黒曜』は、戦後の混乱を治めるのに利用されてきたと言われて愕然とする。顔は普通、頭脳は残念。珍妙な言動を駆使して、混乱の時代を駆け抜けるカズキの奮闘記がここに始まる。
王女の依頼の詳細を聞くために、王都に向かうことになったハクトールたち。しかし到着した王都はなぜか人もまばらで、活気がなくなってしまっていた。さらに、王女から届いた手紙を見せても、王城内に入ることが許されずに門前払いをされてしまう。親衛隊長だというアンドリューの協力もあり、なんとか王女ミーラシアと会えたハクトールは、この国の異常の原因を教えてもらう。なんでも国王様が急に人が変わったようになってしまい、禁術に傾倒して暴走しているのだという。国王様の変化の原因を突き止めてほしいと頼まれるのだがー。
竜人族で長身の奴隷ベスタを落札し、ついに美女四人になったハーレムパーティ。大柄な体躯と高い戦闘能力を活かしたベスタの活躍に、迷宮探索もかなり捗るようになった。ミチオたちは新しいジョブを手に入れるために、実験をしながら徐々に深い階層に潜っていく。さらにベスタは夜の生活にも積極的で、ミチオはますます大満足の日々を送ることになる。しかし、ある日いつものように迷宮を探索していると、ロクサーヌが魔物の位置がわからなくなったと戸惑っていてーー。
フォンシエたちはカヤラ領北東の都市を占領していた水棲の魔王セーランを滅ぼした。しかしその後、突然旧首都が大量の魔物に襲われ、市民を連れて脱出せざるを得なくなった。なぜカヤラ領は頻繁に魔物に襲われるのか?フォンシエたちはその謎を解き明かすべく、旧首都にあるオーラー墓地に向かうことになる。やがて目的地にたどり着いたフォンシエたちは遺跡を発見する。魔物たちがこの地に集まる理由とはー。大人気ファンタジー、感動のクライマックス!
火龍が国王の退位を迫ったことで、ポーンソニア王国は混乱の最中にあった。そんな中、ジルアーテという冒険者の少女が王命で捕らわれてしまう。ジルアーテはポーンソニア王国の南に広がる自治区「中央連合アインビスト」の先代盟主の娘だった。アインビストでは多数の種族が集まって同盟体制を築いており、「選王武会」で優勝した者を盟主として任命し、自治を行っているという。中でもジルアーテは竜人族という特別な種族であり、アインビストに集まる種族の中でも忌み嫌われている不遇の立場だった。フレアからそのことを聞いたヒカルは、竜人族という種族に興味を抱き、ジルアーテに会いに行くことにするのだがーー。
帝国の第六皇女ヴィクトリアと、屈強な強面騎士アレクシスの婚約発表は成功に終わり、二人は新しく辺境領を治めることになっていた。「何もないところなんだから、何でも作っていい」とワクワクするヴィクトリアは侍女のアメリアの提案も入れつつ、どんどん開拓計画を進めていく。しかし一方で、隣国から留学しているイザベラ王女の暴走は続いていた。一国の王女である自分を差し置いて、子供にしか見えないヴィクトリアばかりチヤホヤされる現状は屈辱そのもの。苛立つイザベラのもとに、イザベラに熱を上げる男、シュレマー子爵が現れて…。
エアスリル魔法学園では、クラスの昇降を決めるクラスマッチの開催時期が迫っていた。無属性魔法の不遇な状況を打開したいと思っているロジェにとって、アスラが入学し、クラスマッチに参加できるようになった今は千載一遇のチャンス。しかし、レオナルドの足取りを追うために解放軍の情報を探ることが優先だと、アスラはクラスマッチへの参加を渋っていた。結局ロジェやミレディらも協力してくれることになり、解放軍の情報を図書館で虱潰しに探していたアスラだったが、ある日偶然、ロジェが隠していたある事実を知ってしまいーー。
テルミア王国が三都同盟の空中母艦「九頭蛇」を拿捕した事で、ラダル炭鉱を巡る戦争は再び膠着していた。つかの間の平穏を楽しむ文洋たちだったが、レオナは祖国に残してきた弟のルネをなんとか取り戻せないかと心を痛めていた。一方、ダークエルフたちと共に「九頭蛇」を同盟から奪取した文洋は、その功績から王女ラティーシャ直属の遊撃飛行隊を任されることとなる。そんな折、文洋の兄が所属する扶桑海軍は、テルミア海軍との共同作戦中に謎の飛行船に襲撃され、壊滅的な損害をこうむってしまう。帰還した乗組員が撮影した写真に写っていたのは、飛行戦艦と呼ぶべき鈍色の巨体。そして、砲弾を受け止め燐光を散らす、レオナのものと同じ魔法陣だったー。
結界の崩壊後、なかなかグエンナーシス領から戻ってこなかったカテリーナが王都に帰還し、リョウ達は再会を喜んだ。しかし、周囲には常に護衛がつきまとうようになり、どこか思いつめた様子のカテリーナ。グエンナーシス領では、先の災害の際に活躍し、英雄視されているアレクサンダーという男がいるのだという。アレクサンダーこそ、リョウが山賊時代に世話になっていた親分。魔法使い至上主義を嫌っていた親分が、この機会に国から離反しようとしているのではないかと推測し、リョウはカテリーナとグエンナーシス伯爵の動向を探るのだがーー。
封印から解き放たれた黒雨の魔女を退けたフェリスは、みんなを守るために黒雨の魔女に立ち向かうことを決意した。アリシア、ジャネット、テテルと一緒に図書館で手がかりを調べていると、黒雨の魔女が持っていた魔導具が王都に封印されていることが判明し、調査に向かうことになる。広い道に華やかなお店、大道芸に露店のキャンディー…。賑やかな王都に大興奮のフェリスが夢中になって歩いていると、気がついたときにははぐれてしまっていた。一人でいるときに偉い人に失礼なことをしてしまわないように、フェリスが路地裏に隠れていると、見知らぬ少女に声をかけられるのだがー。
それは、現代から400年ほど前の話。人里離れた鬱蒼とした森の中に、魔術師と呼ばれる人達が暮らしていた。彼らは信頼できる近くの村に魔術の恩恵を授け、その対価として作物などを貰い、助け合って生きていた。そこで暮らす魔女の中に、アオイとイリアスという二人の少女がいる。アオイは占いによって未来の天候を読み、イリアスは歌と舞いで作物に祝福をかけることが仕事。二人は親友同士、森のなかで穏やかに暮らしていたのだが、ある日、魔女狩りの手がすぐそこまで迫っているという話を聞きーー。
水源境で水神の加護を手に入れたフォンシエは、水棲の魔王セーランに奪われた都市を取り戻すため、兵団の力を借りようと王都に向かう。しかし、王国は吸血鬼の魔王モナクの侵攻を過剰に恐れており、王都の守りを固めるために兵は貸し出せないと突っぱねられてしまう。王都に住む者も辺境都市に住む者も、同じ民には違いない。それなのに、魔王セーランに支配された辺境都市は見捨てるという対応に憤ったフォンシエは、フィーリティアとともに独自に協力を募り、カヤラ領の奪還に向かうのだがー。
フランチェスカとの対立を終えたアルトのもとに、北街の情報屋ルン=シュオンが訪れる。毎年西街で行われる商業ギルド主催のオークションの責任者が、短期間で次々に殺害されているのだという。事前には必ず犯行声明文が出されており、そこに書かれている名前は「暗殺者ハウンド」--王都で知らない者はいない伝説の暗殺者だった。そこでルンはアルトに、オークションの次の責任者になったラサラ商会の社長、ラサラ=ハーウェイの護衛を持ちかけてくる。天楼への借金のこともあり、とりあえず話だけでも聞くことにしたアルトだったがーー「どの程度役に立つかはわかりませんけど、貴方にボクを守るという栄誉を与えます」ラサラはかなりクセの強い性格の少女だった。
ボキューズ大森海での騒乱を終え、銀鳳騎士団は巨人族と共に王都に帰還する。巨人族、そしてエルネスティを襲ったという第一次森伐遠征軍の末裔の存在は、フレメヴィーラ王国にとってまさに寝耳に水。突如もたらされた途方もない話に、もはや既存の価値観は通じず、王国は新たな時代へと踏み出していくことになる。そして銀鳳騎士団にもまた、巣立ちの時が迫っていた。此度の事件で銀鳳騎士団の影響力を重く見た国王リオタムスは、エドガー、ディートリヒ、ヘルヴィらが率いる各中隊を新たな騎士団として独立させるよう告げる。エルネスティの下に残る者、騎士団長としての道を踏み出す者、新たに入団を目指す者ーーそれぞれの想いを受けて銀鳳騎士団は形を変え、新たな飛翔の時が訪れる。