出版社 : 主婦の友社
サイトピアを南下した場所にある、マドカ大陸ーー通称「魔大陸」。人類の敵である魔族が住み、今も戦争を繰り広げている因縁の敵国。その魔族の国マドカピアに、現代の噺家、楽々亭一福はいた。サイトピアに間者として紛れ込んでいたアヤメの暗躍によってマドカピアに拐われた一福は、ラッカとクランエ達の必死の救出作戦も失敗し、単身で敵地の中心に取り残されていたのだが……。「それでは毎度ばかばかしい噺で一席でおつき合い願います」一福が扇子でトンと、舞台を叩く。その瞬間ーー世界が、変わる。一福は魔族を相手に、変わらず落語を演じ続けていた。
五十階層の試練を突破したリルドールだったが、コロネルの突然の脱退によりパーティは一時解散状態になってしまう。現在東の迷宮では、五十階層以下が開放されたことで、普段は南の迷宮で活動しているクラン『栄光の道』が東の迷宮に参入し、『道化猿』率いる中級冒険者達と資材の利権争いが起きていた。ヒィーコ達にとって普段ならば興味がない話題だが、『栄光の道』--そのクランこそが、コロネルが移籍したクランであった。ヒィーコとムドラはコロネルの真意を確かめに、『栄光の道』の元へ向かうのだがーー。
刑事の伊勢蔵之介は、姪・琴乃と住む自宅へ帰る途中、乗っていたバスごと異世界に召喚されてしまう。男子高校生三人組と、琴乃の同級生である西園寺清音、そしてバスの運転手の三好と蔵之介をあわせた六人は異世界ベルリーザ王国の「勇者」として召喚されたと告げられる。勇者は特殊な能力『ギフト』を有していると言われるが、清音、三好、蔵之介の三人の能力はあまり高いとはいえないものだった。強大な力を手にしたことで次第に好戦的になっていく男子高校生たちを横目に、王国に不信感を抱いた蔵之介たちは、早めに王国を脱出しようと計画を練るのだがー。
ルオンは自身が転生者であることを明かし、ゲームの出来事を仲間と共有した。一同はルオンの過去を受け入れ、一丸となって魔族に立ち向かうことを改めて誓った。ルオン達はソフィアの祖国であるバールクス王国の解放のために動き出すが、その前に五大魔族であるグディースとの戦闘の兆候を察知する。グディースによる魔物の大量発生は、放置すれば甚大な被害が出てしまう。ちょうど敵の居城へ向かっていた「夜明けの自由騎士団」と合流し、ルオンたちは騎士団を率いていたエイナとともに、グディース討伐に赴く。更に、五大魔族との戦闘が進んだことで、南部侵攻がもはや間近に迫っていた。祖国奪還に向けて兵をまとめるために、ソフィアは王女として表舞台に立つ決意を固めるのだった。
小さな、けれど平穏な踏鞴家給地の日々は永遠には続かない。ミリシアとピスフィは、本来の目的であった交渉をしに領主館に向かう。一度は殺されかけた康太もまた、この踏鞴家給地で起こったことを聞くために同行した。そこで話を聞いた康太は、全てを失った月句のために、踏鞴家給地の食材を使い、思い出の饗宴でもてなすことを決める。ぶどう酒色の春。夏にたなびく淡雪。紅に染まる秋。冬は白く、あたたかく。四季の記憶を料理に起こされ、月句は過去と向き合っていく。そして、康太も新たな旅立ちを決めていた。若き居酒屋店主にエルフの娘、夢を見る商人に知識に取り憑かれた少年、それぞれが選ぶ道とはーー。
新婚生活も落ち着いてきたある日、マリウスは他の大陸に行ってみたいと提案する。次々と魔王が力を取り戻しつつある今、他の大陸でも魔王が復活して動き出しているかもしれない。強力な魔王が完全復活して侵攻してくる前に、別大陸を調査しようという話になる。アウラニースの勘を頼りに南の大陸に向かったマリウスは、ソフィアと二人で現地調査を行う。観光しつつ情報を集めていくが、この大陸は魔物も少なく、魔王はおろか、魔人に関する情報にもなかなか行き当たらない。どうにか地道な調査を続けて水の魔王、土の魔王などの話を聞いた二人は、封印場所として有力な場所へ向かうのだった。
マジチェフェルにより小清水は脱落し、生き残った生徒たちも、蒼井をはじめとして多数が大怪我を負っていた。治療のために授業は一時中断され、臨時休校となる。神宮寺は怪我なくマジチェフェルを終えていたが、辺境魔法学校の残酷な現実を目の当たりにして、意識が変わりつつあった。ある日、神宮寺は月形に誘われて魔術儀式を手伝うことになる。儀式中に襲ってくる『地を這う者』の退治を頼まれた神宮寺は、嘉納とともに異界の存在に挑むのだがー。青年は魔道師になれるのか。少しずつ、審判の時が迫り来ていたー。ダークファンタジー第2弾!
オリトルでの騒動を終えたシュリ達が次に訪れたのは大陸最大の宗教組織『神殿』が存在する国、フルムガルド。「神座の里」出身だと思われているシュリにとっては近寄りたくない国だが、補給と休息のために一時的に立ち寄ることになった。シュリはこっそりと屋台料理を満喫したり、見かけた調味料で料理を作ったりと意外にも平和に過ごす。しかし、滞在先の宿屋に「神殿騎士」が押しかけてきて、ガングレイブとクウガが連行されてしまう。シュリたちは二人を取り返すため、神殿の上層部がいるという花街へ命を賭けた交渉に向かうのだがーー。
国の策謀からラヴィアを救出し、王都に戻ってきたヒカル達。ヒカルはアリバイを作り、ラヴィアは変装して更に「気配遮断」を使うことで二人は「伯爵令嬢の失踪事件」の疑いから逃れていた。これまで閉じ込められていたラヴィアは見るものすべてに感動して、街の中を大はしゃぎで観光し、ゆったりと過ごしていた。そんな折、一人の男が大慌てで冒険者ギルドに駆け込んできた。「惑わせの森」と呼ばれるダンジョンが暴走し、大量の魔物があふれだして村が壊滅の危機にあるという。一刻も早く兵を向かわせてほしいと訴えるが、そこは辺境の小さな村。国が取った対応は「放置」という残酷なものだった。奇しくもその村・メンエルカはポーラ達の故郷。国の対応に憤ったポーラ達は、救援のために故郷へ向かうのだがーー。
宮廷貴族の企みを潰しグリフォンを討伐したライエルたちは、事実が隠されることがないように、先んじて王都に噂を広めていた。宮廷貴族たちはサークライ家に責任を押し付け、追い詰められたラルフはグリフォンの死体を引き渡すようにライエルを呼びつける。一方、モニカが街で情報を集めていると、王太子が他国の姫との婚約を破棄したという噂を耳にする。しかし、王都の住民は何故かそのことに違和感を抱いておらず、平穏そのもの。王都に漂う嫌な雰囲気を警戒していたライエルは、婚約破棄された姫君リアーヌに会い、この国の異常の原因を教えられる。リアーヌが挙げたのは、ライエルの因縁の相手。ライエルを屋敷から追い出した妹・セレスの存在だったー。
公式に魔法が認められて、魔道師が存在する世界。戦争に傾く世界情勢の中、新たな軍事技術である魔法を持つ魔道師は法で裁かれることなく、強大な力を持っていた。そんな中、「辺境魔法学校」と呼ばれる魔法学校が存在する。年齢・学歴・犯罪歴不問。入学金及び授業料無料で、通常は修得に十年かかる魔法を、たった三か月で教えてくれるという。魔道師に憧れる神宮寺誠は置き手紙だけ残して家を飛び出し、死亡率八割といわれる入学試験を受けに向かう。だが、夢見た世界とは違い、そこでは厳しい現実が神宮寺を襲う。魔道師になれるか、死ぬかー。生き残りをかけた学校生活が今、幕を開ける。
アウラはかねてから検討していた「宰相」と「元帥」の役職を置き、宰相にレガラド子爵フィデルを、そして元帥にプジョルを任命した。アウラの国務の負担が減ることは喜ばしくもあったが、それは同時に、望まない方向に国が進みかねない危険性も孕んでいた。さらに、双王国の対応から北大陸への懸念を抱いたアウラは、フレア姫に同行する形で、ウップサーラ王国を訪問して欲しいと善治郎に告げる。しかし、木造帆船で数ヶ月にも及ぶ危険な航海に出ることは、善治郎にとって受け入れがたい話。そこでアウラは、少しでも安全な航海にするために、なんと『瞬間移動』の魔道具を作ってもらおうと提案するのだった。
ヴィレムは宿敵アスターを打ち破り、長きにわたる因縁に幕を下ろした。しかし、聖域を巡る争いはまだ終わってはいない。北からは異民族が、南からはオーレムが率いるオーデン王国の兵たちが迫ってきており、魔術師団は挟み撃ちに合っていた。連戦により消耗した魔術師団は、オーレムの大規模魔術に苦戦を強いられてしまう。それでも夢と仲間のために倒れるわけにはいかないヴィレムは、機転を利かせて異民族とオーレムの兵をぶつけることに成功し、西へ一時撤退して態勢を整え直す。そしてヴィレムたちは改めて思いを一つにして、最後の決戦に向け、立ち上がるのだった。
ミーナが戻ってきたことで、ハクトールのパーティは元通りになった。溶岩が流れる灼熱のフロアや、強力なボスがいる部屋に苦戦しつつも、ハクトールの鑑定による機転と、シャルたちの強力な攻撃によりなんとかダンジョン攻略を進めていた。レベルも上がり、ハクトールが新しい依頼を探して掲示板を眺めていると、ちょうどギルドが緊急依頼を出すところに居合わせる。リングランドの町にスライムが大量発生して、連絡が取れなくなっているので、原因の調査と、スライム討伐をしてほしいとのことだった。報酬が高額ということもあり、依頼に参加することにしたハクトールたちは、さっそくリングランドの町へ出発するのだがー。
リーデルシュタイン帝国は隣国との戦争に勝利し、戦勝の式典のために慌ただしい時を過ごしていた。そんな中、第六皇女のヴィクトリアは父である皇帝より、先の戦争で武勲を挙げた第七師団長のアレクシスー通称「黒騎士」に降嫁させると告げられる。ドラゴンすら屠ると言われる剣の腕に加え、その鍛え抜かれた大きな体躯と厳つい風貌は、令嬢なら顔を見ただけで泣いて逃げ出すと恐れられている黒騎士。対するヴィクトリアは16歳という実年齢なのに、10歳程度の子供にしか見えないほどに、幼くあどけない少女だった。政略結婚にしても可哀想だと周囲は結婚に反対するのだが、当のヴィクトリアはなぜかアレクシスとの結婚に前向きなようでー。
辺り一面真っ白な空間で目を覚ました青年は、黒髪の美しい少女に自らの死を告げられた。「特別に異世界に行かないか」という提案を受けることにし、異世界生活のために世話を焼いてくれた少女との感動の別れーも束の間、創造神の思いつきにより、少女もろとも強制的に転移させられてしまう。気がついたときには青年は洞窟の中にいた。そこは異世界に転移する前の試練の場である「選定の迷宮」だった。青年は、同じように飛ばされたはずの少女と合流しようと決める。が、少女は何故か本になっていた。『理の教本』たる少女と契約し、晴れて相棒になった二人は、青年はギンと、少女は恭香と名を改め、迷宮攻略を開始する。いずれ最強へと至る青年の物語が、今始まろうとしていたー。
結界の崩壊で王国全土が混乱に陥っていた。だが、ルビーフォルン領では、今まで行っていた領地政策やタゴサクが広めていたウ・ヨーリの教えが浸透していたことで、魔物の被害を最小限に抑えることができていた。ルビーフォルン領内の混乱が落ち着いてきたのを見計らって、アレクから託された『神殺しの剣』を持ってバッシュのもとに戻ることにしたリョウ。魔物の対策としてマッチが有効であると実感したリョウは、改めて白カラス商会を使って他領地にマッチを送り届ける手配を進める。白カラス商会の人員を増やし、道を整え、マッチ等の配給が他領地にも行きわたり王国を揺るがす魔物の災害が落ち着き始めた頃、王都からとある商人がやってくるーー。
長谷川雫は、いわゆる歴女であること以外は、どこにでもいる普通の女子高生として過ごしていた。雫にとって、才色兼備で誰にも媚びない孤高の存在、藤堂朱と放課後に交わす一時の逢瀬だけが唯一の楽しみ。しかし、藤堂は意味深な言葉を残して、何の前触れもなく消えてしまう。突然消えた藤堂に憤っていると、自宅への帰り道で不思議な声に呼びかけられた。雫はその声が藤堂の迎えだと感じ、「理想郷」への旅立ちを受け入れる。時は流れ、異世界に導かれた雫は、田舎の村で異邦人としてこき使われる屈辱に耐え、逃走のチャンスを窺っていた。そんなある日、村は大勢の兵士に襲われ、火を放たれてしまう。火事場泥棒のチャンスだと、雫は惨状の中を飛び出していくのだがー。
冒険者になったアルベルタは、金貨目当てで絡んでくる不良冒険者をあしらいながら、サティの母親を捜す生活を続けていた。魔物を引き寄せる呪符や、ライジン伯爵の不審な動きなど不穏な空気が漂う中、サティの母親らしきエルフが街に入ったという情報を手に入れる。すぐにでも救出に向かいたいが、相手は力を持つ伯爵。剣豪と呼ばれる猛者も雇われていると聞き、慎重に情報を集めていく。しかし、グリューゼル侯爵との交渉が決裂したライジン伯爵は、時を待たずに戦争を仕掛けだす。平和だった街を襲う、大量の兵士と魔物たち。アルたちも街を守るために行動するのだがーー。
異世界に召喚され、「再現」の能力の使い手になった平太は、周囲の手助けもあり徐々に異世界での生活に慣れ始める。ロナも希望する仕事に就き、それぞれが平和な日常を取り戻していた。平太は角族に襲われた恐怖からまだ街の外に出たくはなかったが、いつまでも引きこもっているわけにはいかないと、王都への輸送依頼を引き受ける。王都で一泊することになった平太が外をぶらついていると、路地裏で誘拐現場に遭遇してしまう。なんとか誘拐犯を追い払い、話を聞くと、襲われていた美女はファイナンダ商店という大商店の長女だった。お礼をしたいと言う女性・パーシェに連れられて商会に赴くのだがー。