出版社 : 主婦の友社
帝国の第六皇女ヴィクトリアと、屈強な強面騎士アレクシスの婚約発表は成功に終わり、二人は新しく辺境領を治めることになっていた。「何もないところに何をしてもいい」とワクワクするヴィクトリアは侍女のアメリアの提案も入れつつ、どんどんと開拓計画を進めていく。しかし一方で、隣国から留学してきているイザベラ王女の暴走は続いていた。一国の王女である自分を差し置いて、子どもにしか見えないヴィクトリアばかりチヤホヤされる現状は屈辱そのもの。癇癪を起こすイザベラのもとに、イザベラに熱を上げる男、シュレマー子爵が現れて……。
エアスリル魔法学園では、クラスの昇降を決めるクラスマッチの開催時期が迫っていた。無属性魔法の不遇な状況を打開したいと思っているロジェにとって、アスラが入学し、クラスマッチに参加できるようになった今は千載一遇のチャンス。しかし、レオナルドの足取りを追うために解放軍の情報を探ることが優先だと、アスラはクラスマッチへの参加を渋っていた。結局ロジェやミレディらも協力してくれることになり、解放軍の情報を図書館で虱潰しに探していたアスラだったが、ある日偶然、ロジェが隠していたある事実を知ってしまいーー。
テルミア王国が三都同盟の空中母艦「九頭蛇」を拿捕した事で、ラダル炭鉱を巡る戦争は再び膠着していた。つかの間の平穏を楽しむ文洋たちだったが、レオナは祖国に残してきた弟のルネをなんとか取り戻せないかと心を痛めていた。一方、ダークエルフたちと共に「九頭蛇」を同盟から奪取した文洋は、その功績から王女ラティーシャ直属の遊撃飛行隊を任されることとなる。そんな折、文洋の兄が所属する扶桑海軍は、テルミア海軍との共同作戦中に謎の飛行船に襲撃され、壊滅的な損害をこうむってしまう。帰還した乗組員が撮影した写真に写っていたのは、飛行戦艦と呼ぶべき鈍色の巨体。そして、砲弾を受け止め燐光を散らす、レオナのものと同じ魔法陣だったー。
結界の崩壊後、なかなかグエンナーシス領から戻ってこなかったカテリーナが王都に帰還し、リョウ達は再会を喜んだ。しかし、周囲には常に護衛がつきまとうようになり、どこか思いつめた様子のカテリーナ。グエンナーシス領では、先の災害の際に活躍し、英雄視されているアレクサンダーという男がいるのだという。アレクサンダーこそ、リョウが山賊時代に世話になっていた親分。魔法使い至上主義を嫌っていた親分が、この機会に国から離反しようとしているのではないかと推測し、リョウはカテリーナとグエンナーシス伯爵の動向を探るのだがーー。
封印から解き放たれた黒雨の魔女を退けたフェリスは、みんなを守るために黒雨の魔女に立ち向かうことを決意した。アリシア、ジャネット、テテルと一緒に図書館で手がかりを調べていると、黒雨の魔女が持っていた魔導具が王都に封印されていることが判明し、調査に向かうことになる。広い道に華やかなお店、大道芸に露店のキャンディー…。賑やかな王都に大興奮のフェリスが夢中になって歩いていると、気がついたときにははぐれてしまっていた。一人でいるときに偉い人に失礼なことをしてしまわないように、フェリスが路地裏に隠れていると、見知らぬ少女に声をかけられるのだがー。
それは、現代から400年ほど前の話。人里離れた鬱蒼とした森の中に、魔術師と呼ばれる人達が暮らしていた。彼らは信頼できる近くの村に魔術の恩恵を授け、その対価として作物などを貰い、助け合って生きていた。そこで暮らす魔女の中に、アオイとイリアスという二人の少女がいる。アオイは占いによって未来の天候を読み、イリアスは歌と舞いで作物に祝福をかけることが仕事。二人は親友同士、森のなかで穏やかに暮らしていたのだが、ある日、魔女狩りの手がすぐそこまで迫っているという話を聞きーー。
水源境で水神の加護を手に入れたフォンシエは、水棲の魔王セーランに奪われた都市を取り戻すため、兵団の力を借りようと王都に向かう。しかし、王国は吸血鬼の魔王モナクの侵攻を過剰に恐れており、王都の守りを固めるために兵は貸し出せないと突っぱねられてしまう。王都に住む者も辺境都市に住む者も、同じ民には違いない。それなのに、魔王セーランに支配された辺境都市は見捨てるという対応に憤ったフォンシエは、フィーリティアとともに独自に協力を集め、カヤラ領の奪還に向かうのだがーー。
フランチェスカとの対立を終えたアルトのもとに、北街の情報屋ルン=シュオンが訪れる。毎年西街で行われる商業ギルド主催のオークションの責任者が、短期間で次々に殺害されているのだという。事前には必ず犯行声明文が出されており、そこに書かれている名前は「暗殺者ハウンド」--王都で知らない者はいない伝説の暗殺者だった。そこでルンはアルトに、オークションの次の責任者になったラサラ商会の社長、ラサラ=ハーウェイの護衛を持ちかけてくる。天楼への借金のこともあり、とりあえず話だけでも聞くことにしたアルトだったがーー「どの程度役に立つかはわかりませんけど、貴方にボクを守るという栄誉を与えます」ラサラはかなりクセの強い性格の少女だった。
ボキューズ大森海での騒乱を終え、銀鳳騎士団は巨人族と共に王都に帰還する。巨人族、そしてエルネスティを襲ったという第一次森伐遠征軍の末裔の存在は、フレメヴィーラ王国にとってまさに寝耳に水。突如もたらされた途方もない話に、もはや既存の価値観は通じず、王国は新たな時代へと踏み出していくことになる。そして銀鳳騎士団にもまた、巣立ちの時が迫っていた。此度の事件で銀鳳騎士団の影響力を重く見た国王リオタムスは、エドガー、ディートリヒ、ヘルヴィらが率いる各中隊を新たな騎士団として独立させるよう告げる。エルネスティの下に残る者、騎士団長としての道を踏み出す者、新たに入団を目指す者ーーそれぞれの想いを受けて銀鳳騎士団は形を変え、新たな飛翔の時が訪れる。
危険な依頼続きで慌ただしかったツカサを気遣い、メルとカレン、ミイ、コレット、ロロの五人は、一人ずつ交代でツカサに休日を満喫してもらおうと企画する。図書館に行ったり、食べ歩きしたり、店番したり……。ツカサは美少女達とデートしながら休日をゆったりと過ごす。そんな中、海水浴旅行の宿泊券を手に入れたツカサ達は海に遊びに行くことになる。女性陣は水着に着替えて水遊びを満喫したり、ツカサは初めて見る素材を採取したりと、それぞれの時間を楽しんでいくのだがーー。
サイトピアを南下した場所にある、マドカ大陸ーー通称「魔大陸」。人類の敵である魔族が住み、今も戦争を繰り広げている因縁の敵国。その魔族の国マドカピアに、現代の噺家、楽々亭一福はいた。サイトピアに間者として紛れ込んでいたアヤメの暗躍によってマドカピアに拐われた一福は、ラッカとクランエ達の必死の救出作戦も失敗し、単身で敵地の中心に取り残されていたのだが……。「それでは毎度ばかばかしい噺で一席でおつき合い願います」一福が扇子でトンと、舞台を叩く。その瞬間ーー世界が、変わる。一福は魔族を相手に、変わらず落語を演じ続けていた。
五十階層の試練を突破したリルドールだったが、コロネルの突然の脱退によりパーティは一時解散状態になってしまう。現在東の迷宮では、五十階層以下が開放されたことで、普段は南の迷宮で活動しているクラン『栄光の道』が東の迷宮に参入し、『道化猿』率いる中級冒険者達と資材の利権争いが起きていた。ヒィーコ達にとって普段ならば興味がない話題だが、『栄光の道』--そのクランこそが、コロネルが移籍したクランであった。ヒィーコとムドラはコロネルの真意を確かめに、『栄光の道』の元へ向かうのだがーー。
刑事の伊勢蔵之介は、姪・琴乃と住む自宅へ帰る途中、乗っていたバスごと異世界に召喚されてしまう。男子高校生三人組と、琴乃の同級生である西園寺清音、そしてバスの運転手の三好と蔵之介をあわせた六人は異世界ベルリーザ王国の「勇者」として召喚されたと告げられる。勇者は特殊な能力『ギフト』を有していると言われるが、清音、三好、蔵之介の三人の能力はあまり高いとはいえないものだった。強大な力を手にしたことで次第に好戦的になっていく男子高校生たちを横目に、王国に不信感を抱いた蔵之介たちは、早めに王国を脱出しようと計画を練るのだがー。
ルオンは自身が転生者であることを明かし、ゲームの出来事を仲間と共有した。一同はルオンの過去を受け入れ、一丸となって魔族に立ち向かうことを改めて誓った。ルオン達はソフィアの祖国であるバールクス王国の解放のために動き出すが、その前に五大魔族であるグディースとの戦闘の兆候を察知する。グディースによる魔物の大量発生は、放置すれば甚大な被害が出てしまう。ちょうど敵の居城へ向かっていた「夜明けの自由騎士団」と合流し、ルオンたちは騎士団を率いていたエイナとともに、グディース討伐に赴く。更に、五大魔族との戦闘が進んだことで、南部侵攻がもはや間近に迫っていた。祖国奪還に向けて兵をまとめるために、ソフィアは王女として表舞台に立つ決意を固めるのだった。
小さな、けれど平穏な踏鞴家給地の日々は永遠には続かない。ミリシアとピスフィは、本来の目的であった交渉をしに領主館に向かう。一度は殺されかけた康太もまた、この踏鞴家給地で起こったことを聞くために同行した。そこで話を聞いた康太は、全てを失った月句のために、踏鞴家給地の食材を使い、思い出の饗宴でもてなすことを決める。ぶどう酒色の春。夏にたなびく淡雪。紅に染まる秋。冬は白く、あたたかく。四季の記憶を料理に起こされ、月句は過去と向き合っていく。そして、康太も新たな旅立ちを決めていた。若き居酒屋店主にエルフの娘、夢を見る商人に知識に取り憑かれた少年、それぞれが選ぶ道とはーー。
新婚生活も落ち着いてきたある日、マリウスは他の大陸に行ってみたいと提案する。次々と魔王が力を取り戻しつつある今、他の大陸でも魔王が復活して動き出しているかもしれない。強力な魔王が完全復活して侵攻してくる前に、別大陸を調査しようという話になる。アウラニースの勘を頼りに南の大陸に向かったマリウスは、ソフィアと二人で現地調査を行う。観光しつつ情報を集めていくが、この大陸は魔物も少なく、魔王はおろか、魔人に関する情報にもなかなか行き当たらない。どうにか地道な調査を続けて水の魔王、土の魔王などの話を聞いた二人は、封印場所として有力な場所へ向かうのだった。
マジチェフェルにより小清水は脱落し、生き残った生徒達も、蒼井をはじめとして多数が大怪我を負っていた。治療のために授業は一時中断され、臨時休校となる。神宮寺は怪我なくマジチフェルを終えていたが、辺境魔法学校の残酷な現実を目にして、意識が変わりつつあった。ある日、神宮寺は月形に誘われて魔術儀式を手伝うことになる。儀式中に寄ってくる『地を這う者』の退治を頼まれた神宮寺は、加納とともに異界の存在に挑むのだがーー。青年は魔道師になれるのか。少しずつ、審判の時が迫り来ていたーー。
オリトルでの騒動を終えたシュリ達が次に訪れたのは大陸最大の宗教組織『神殿』が存在する国、フルムガルド。「神座の里」出身だと思われているシュリにとっては近寄りたくない国だが、補給と休息のために一時的に立ち寄ることになった。シュリはこっそりと屋台料理を満喫したり、見かけた調味料で料理を作ったりと意外にも平和に過ごす。しかし、滞在先の宿屋に「神殿騎士」が押しかけてきて、ガングレイブとクウガが連行されてしまう。シュリたちは二人を取り返すため、神殿の上層部がいるという花街へ命を賭けた交渉に向かうのだがーー。
国の策謀からラヴィアを救出し、王都に戻ってきたヒカル達。ヒカルはアリバイを作り、ラヴィアは変装して更に「気配遮断」を使うことで二人は「伯爵令嬢の失踪事件」の疑いから逃れていた。これまで閉じ込められていたラヴィアは見るものすべてに感動して、街の中を大はしゃぎで観光し、ゆったりと過ごしていた。そんな折、一人の男が大慌てで冒険者ギルドに駆け込んできた。「惑わせの森」と呼ばれるダンジョンが暴走し、大量の魔物があふれだして村が壊滅の危機にあるという。一刻も早く兵を向かわせてほしいと訴えるが、そこは辺境の小さな村。国が取った対応は「放置」という残酷なものだった。奇しくもその村・メンエルカはポーラ達の故郷。国の対応に憤ったポーラ達は、救援のために故郷へ向かうのだがーー。
王宮貴族の企みを潰しグリフォンを討伐したライエルたちは、事実が隠されることがないように、先んじて王都に噂を広めていた。王宮貴族たちはサークライ家に責任を押し付け、追い詰められたラルフは、グリフォンの死体を引き渡すようにライエルを呼びつける。ライエルは「成長」の影響でハイテンションになっている真っ最中だったが、交渉は想定どおりに進み、ラルフから大金を巻き上げることに成功する。一方、街で情報を集めていると、王太子が隣国の姫との婚約を破棄したという噂を耳にする。しかし、王都の住民は何故かそのことに違和感を抱いておらず、平穏そのもの。王都に漂う嫌な雰囲気を警戒していたライエルは、婚約破棄された姫君・リアーヌに会い、この国の異常の原因を語られる。リアーヌが挙げたのは、ライエルの因縁の相手。ライエルを屋敷から追い出した妹・セレスの存在だったーー。