出版社 : 主婦の友社
魔王の生まれ変わりであるガーラスは、世界征服を目論み、人間の負の感情を源とする暗黒魔術を極めんとしていた。しかし負の感情を求める彼の前には、なぜか正反対の好意ばかりを向けてくる美少女たちが、呼んでもいないのに次から次へと立ちはだかる。魔力を得られずに苦悩する毎日を送るガーラスの元に、どういうわけか『男らしくなりたい』と弟子入りを希望して、一見すると並外れた『美少年』であるムーアが押しかけてくる。ムーアがかつて魔王軍を裏切った一族の末裔である事を知ったガーラスは弟子入りを認めるが、その真意はムーアを陥めて叩きのめし、新たな負の感情の供給源にすることだった。
学園祭での一連の騒動も終わり、2年生へと進級するキッド達。新たにリグザール王国の王女であり、レオンの妹であるアンジュとレアの姉、セレスが学院へと入学し、キッドの周りはますます賑やかになっていく。そんな中、武闘大会で見事に優勝を果たしたキッドは、魔道具創造者(マジック・クラフター)を目指す男、アルシムと協力し謎の発明をしていく。その結果、商人となった元級友のマルシャンと共に商売にも力をいれていくこととなる。そんなある日、キッドは学園長室へと呼ばれ、レオン王子より精霊祭の話を聞かされる。精霊祭。それはリグザールの隣国であるイスピリト王国に古きより伝わる祭りで、妖精族が多く住み、精霊信仰の深いイスピリト王国において重要な位置を占める祭事である。精霊祭に招待されたアンジュ王女の護衛を頼まれたキッドは、レオン王子とその直属の部下達と共にイスピリト王国へと旅立つ。
見栄っ張りで嘘ばかりつく貴族の令嬢リルドールは、自分で仕掛けた決闘で敗北し、実家を追い出されてしまう。迷宮都市で謹慎処分を受けるのだが、リルドールは挫けない。周囲を見返すため、冒険者としての成り上がりを決意し、街で出会った少女コロネルとともに迷宮へ挑む。温室育ちのリルドールは自分よりも才能のあるコロネルに嫉妬し、現実に打ちのめされ挫けそうになるも、自分が持っている、とある「武器」に気がつく。艶めく髪は女の命、ドリルロールは美の結晶。女の誇りが詰まったこの髪に、貫けぬものなどありはしない。見栄と強がりしかなかった少女が自分の嘘を真実へと変える覚悟を決めたとき、縦ロールは最強の武器として変化し、無敵の輝きを放つ。これは、ただの小娘だった少女が英雄になるまでの熱血冒険ストーリー。
手違いで異世界に召喚された現代の噺家、楽々亭一福。場所が変わり、世界が変わっても彼のやる事は変わらない。高座に上がり、異世界落語を披露する日々。そんな中、世界に様々な変化が起こり始める。その状況を察知して、いよいよ落語の調査に乗り出したサイトピア宮廷、大臣秘書官のミヤビ。城下町に潜伏し、陰で暗躍する魔族の間者、マドカイヤ。更に、政略結婚から逃れてきたエルフの姫君、アナスタシア。人種や立場の違う様々な者達の思惑が交錯しー物語は動き始める。
レベル2400兆に到達したウルクナル。仲間達と共にガダルニアの首都へ向かう。そこで彼らは賢者メルカルと会談し、様々な世界の真実を知る。会談を終えた一行のもとに、トートス王国から緊急事態の連絡が入る。奇怪な生物が浮遊し、無数の小型生物を体内から放出していたのだ。それらは「宇宙植物」と呼称される外宇宙の存在であり、人類の敵であった。宇宙植物は惑星アルカディア全土に降下し、破壊の限りを尽くす。都市が消え、国が滅び、数多くの命が突風に煽られた桜花のように散っていく。壮絶な防衛戦の末に、人類は滅亡の瀬戸際に立たされる。彼らの選択した道とは一体!?
村人の少年フォンシエは、勇者の少女フィーリティアとともに、束の間の平穏な生活を送っていた。フォンシエが活動を再開すべく魔物の駆除に出かけると奇妙な魔物に遭遇する。死んだはずの魔物が動いているのだ。謎は深まるばかり。そんな折、フィーリティアがかつて住んでいた都市アルマトの復興を行おうと考えていたことを打ち明ける。そこはフォンシエにとっても故郷であり、彼もいつかは同じ行動をしようと思っていたところだ。その都市に向かったフォンシエたちも平和な都市の未来を思い描きながら、戦いに参加することを決める。だが、そこでも死した魔物が動くという異常事態に遭遇するのだったーーー。
ハーラルトの禍から一か月。ヴァイツは雪解けの季節に向かおうとしていたが、下町を中心に、水不足の兆しがひそかに見えはじめていた。しかしレオはそれに気付くこともなく、学院脱出をたくらんだり、雪花祭での荒稼ぎをもくろんだり、水の召喚陣を使った陣ビジネスを構想したりと、金銭欲にまみれた日々を送っていた。そんな中、学院に、後任として聖騎士・グスタフがやってくる。男らしい容貌と強力な精霊力で、学院中の人気を集めるグスタフだったが、彼はレオノーラに対し冷ややかな感情を抱いていた。真に無欲の聖女か、それとも偽善の悪女か。グスタフはレオノーラを厳しく糾弾するのだがーーー。
エリステイン魔法王国の国王と王弟が争った内乱から三か月が過ぎた。太一たちは、冒険者らしい日々を送っていた。盗賊退治、魔物の討伐、そして旅。太一たちは観光目的でガルゲン帝国を目指して発った。途中で立ち寄ったエリステイン第二の都市シーヤックで出会った宿屋を経営する夫妻は、とある商人から嫌がらせを受けているという。夫妻の人柄に惚れ込んだ太一たちは夫妻を助けることにしたのだがー。
家族を持ったことのない、遠い異世界からやってきた女。家族を失い遠い大陸から戻ってきた男。終戦間もない混沌の時代に二人は出会った。女ができた仕事はただ一つ。魔王を狩ることのみ。男ができる仕事はただ一つ。料理を作ることのみ。やがて女と男は店を持ち、家族を作り、そして異世界の客を招く。かくて始まりし『異世界食堂』。毎週土曜日にだけ開くこの店は、絶品の料理で、多くの客をもてなす。『洋食のねこや』、創業五十年。『異世界食堂』、開店三十年。今日も、チリンチリンと扉が開く。
貴族の末っ子ヴィレムは、古代の大魔術師レムの記憶を引き継ぎ、その才能を生かし魔術師として研鑽を積んでいた。ルーデンス領を巡る動乱を収めて領主となった彼は、さらなる発展を目指して、北のアバネシー領との交易を進めていく。発展の兆しが見えてきた折、ルーデンス領における怪しげな薬の話が話題に上り始める。何者かの暗躍の気配が匂う中、ヴィレムは新たな諸侯として王に謁見するように命令を受け、王都で渦巻く利権争いに巻き込まれていく。領民の平和を守るべく、ヴィレムの領主としての戦いが始まったー。
王都で解放軍と戦ったアスラ。『コロナの秘宝』の道しるべを頼りにダンジョン「クシャトリア」に向かう。そこで黒装束の少女に出会ってしまう。彼女の「強くしてやる」という言葉を頼りに、アスラはダンジョンを進む。すべては強くなってフォンタリウス家を見返すため、そしてレオナルドが解放軍に入った理由を探るため。目指すダンジョンの最下層に、アスラの求める力と秘宝はあるのだろうかーーー。
リョウが学園に入学して、早くも4年が過ぎた。友人も多くでき、商人としても成功しつつ、順風満帆な日々。ある日、大雨の影響で、魔物から国を守っていた結界が壊されてしまう。結界から出てきた魔物達が、リョウ達が過ごす学園を襲う。避難場所である講堂へ向かい、他の生徒や先生と合流すると、シャルロットがいないことに気付く。リョウ、アラン、リッツ、カテリーナ、サロメの5人は、シャルロットを救うために魔物がいる講堂の外へ出ることを決意するのだがーーー。
ひのきの棒。それは最低最弱な武器の固有名詞である。この物語はそんなひのきの棒をこよなく愛し、これが史上最強の武器であると豪語する武器商人と、彼のもとに集まる迷える冒険者達の愛と感動の秘話である。武器商人の名は伊藤。彼はほんの些細な仕草から相手の本質を見抜く目を持っている。話は一流の戦士を目指す赤毛の少女の視点から始まる。彼女の名はヴァルナ。片田舎の農村で生まれ育った少女は、立派な戦士になることを夢見て、世界最大の交易都市アイゼンハードに旅立つ。だが、少女は夢破れ、路上生活を強いられるほどに落ちぶれてしまう。行き場を失ったヴァルナが向かった先は、伊藤の武器屋だったーーー。
戦争に勝利したガングレイブ傭兵団。戦勝祝いの宴の席で料理の実力を示したシュリは、ニュービスト王家の姫、テビス・ニュービストから手元に置きたいと誘われる。誘いを断ったシュリたちは、次の町へ向かう準備を始めるが、なぜか必要な物を買いそろえることができず、店では門前払いにされる事態まで起こる。ガングレイブは傭兵団の内部に裏切り者がいることを察知し、行動を開始する。シュリの尾行と護衛をするオルトロスが見たのは、信じたくない現実だった。裏切り者を特定し、動き出すガングレイブたちだが、オルトロスの心は晴れない。シュリはそんなオルトロスを励ますために、料理を振る舞うのだがー。
人里離れた山奥に一人暮らすアルベルタ。旅に出た父親の帰りを待ちながら修行の日々を過ごすが、待てど暮らせど父親は戻らなかった。そしてアルベルタが15歳を迎えるに目前、父親の死を知る。『僕は父ちゃんみたいな冒険者になる!』父親のような強くて優しい冒険者になる。その決意を胸にアルベルタは山奥での生活に終止符を打ち、冒険者になるため世界に飛び出す。世界を旅し、たくさんの仲間、友達を作ることを目標にするのだった。しかしアルベルタは知らなかった。ずっと山奥で修行をしていたから。己が規格外の強さであることを──。期待に胸膨らませ街へと向かう途中、ハーフエルフの少女と出会い、運命が加速していくのだがーーー。
十歳の少女フェリスとその仲間たちは、全力で魔法学校ライフを楽しんでいた。仲間の一人であるアリシアは、魔術の実技の成績が伸び悩んでいた。そこでフェリスは、アリシアを誘ってテテルと三人で実技の特訓をすることに。一方、グーデンベルト家とラインツリッヒ家の確執から、アリシアに激しいライバル意識を燃やすジャネット。フェリスは、アリシアとジャネットが仲良くなればもっと楽しい学校生活になるだろうと考えてある方法を提案する。そんな日々に、不穏な影が忍び寄ってくる。魔法の素質がある人間を狙った誘拐事件が起きたのだったー。
決戦の時が来た。スノーバ帝国最大の切り札である『神』を暴走させ、神喚び師の支配から解き放った魔王は、この機に持てる全戦力を投入する。『神』の庇護を失ったスノーバ人達に襲いかかる魔物の群、巨大なラヤケルスの兵器。時を同じくしてコフィン王国王女ルキナもまた、王国の残存兵力を率いて王都の奪還・防衛に動く。魔の者の王と人の王、コフィンの死せる者と生ける者を統べる二人の王者が、ともに侵略国スノーバに最後の刃をつきつけていた。そこでユーク将軍が下した決断とは!?そして、魔王ダストは!?
奇妙な共同生活を始めた野良犬騎士アルトと小さな魔女ロザリン。大人と子供とはいえ二人が同じ部屋で暮らすのには問題がある。かざはな亭の風紀を守る為、またはカトレアの嫉妬心をこれ以上暮らせないため、アルトは新たな住まいとロリコン疑惑からの脱却を求めて、能天気通りの顔役で冒険者ギルドの頭取を頼ることにした。しかし、これが不運にもアルトの今後を左右する厄の糧となってしまうのだった。新しい住居を提供する条件として、アルトは頭取からある頼み事を依頼されるのだがー。
魔物がはびこり、農民ですら鍬を手に戦わねばならなくなった時代。15才になると女神と契約し、特別な加護ースキルと職業を得るとされていた。孤児の少年フォンシエは、魔物の襲撃を受けて燃える都市で逃げ惑っていた。大人たちはすでに逃げ出し、辺りにいるのは魔物ばかり。幼い彼は、大人は誰も助けてはくれないのだと恨みながらも、ただ生き延びるために足を動かすので精一杯であった。やがてフォンシエは安全な場所に潜んだところで、狐の獣人である少女フィーリティアを見つける。フィーリティアが魔物に襲われるのを見たフォンシエは、恐怖心との葛藤の末、敵へと挑みかかるのだがー。
ボキューズ大森海へと乗り出したフレメヴィーラ王国飛空船団は、未知なる魔獣との遭遇により撤退を余儀なくされた。エルとイカルガは皆を護るべく奮戦し、無事に船団を逃がすも森へと墜ちてしまう。追いかけてきたアディも一緒に、二人は森の迷子となった。彼らを待ち受けていたのは予想だにしない出会いー『巨人族』との遭遇であった。巨人氏族同士の争い。普きものの大敵、穢れの獣。そして陰で蠢く小鬼族なる者たちー。巻き起こる戦いがエルとアディを呑み込んでゆく。孤立無援の二人は、しかしあきらめ止まることなどない。「ここで幻晶騎士を、作り上げます」生み出されるは驚天動地の異形の機体。争いの只中へと向けて飛翔する!