出版社 : 主婦の友社
十歳の少女フェリスは、魔石鉱山で働く奴隷。毎日の仕事は過酷で、身なりも貧しかったが、決して笑顔を絶やさなかった。あるとき、魔石鉱山が正体不明の魔術師たちに破壊され、フェリスは一人だけ生き残る。逃げ出した先で出会ったのは、アリシアという名の美しいお嬢様。怪しい連中に誘拐されそうになっていたアリシアを、フェリスは無我夢中で救出する。その御礼にアリシアの屋敷に招待されたフェリスは、そこで魔法の才能を見出されてー。笑顔も魔力も最強の十歳の少女が贈る、ほのぼの魔法学園ストーリー。
高校三年生の無堂信人はある日突然、クラスメイトと共に異世界へ召喚される。信人たちを召喚したのは、異世界でも戦争好きで有名な国の王だった。ゲームのような『ステータス』や『スキル』が存在する世界に、勇者として招かれた信人達は、召喚の際に誰もが強力なスキルをいくつも付与されていた。だが、信人に与えられた力は『ペナルティ0』というクズスキルのみ。そのあまりの使えなさに、クラスメイトはおろか王族にまでバカにされてしまうが、与えられた力を信じて信人は努力し続ける。その結果、実は『ペナルティ0』は有用なものだと判明する。それは、最強の『隠しスキル』を習得するために必要な唯一無二のスキルだったー。
幼い頃に両親を亡くし、施設で育ってきた櫻井春澄。実の祖父のように慕う師範に武術を教えられて育った。現実世界では武術を極め、仮想世界のゲームでも最大レベルまで自身のキャラクターを高めてしまう程、強さを身につける。ある日、突如現れた魔法陣に抵抗虚しく吸い込まれる春澄。異世界への召喚途中、世界の管理者と名乗る神のような存在に引き止められ、とある依頼をされる。師範のことが気掛かりだった春澄は非常に悩みつつも、異世界へ行くことを決意するー。これは、他人に興味の無かった春澄が、異世界で仲間を見つけ、感情の変化に戸惑いつつも、ゆっくりと他人を受け入れていく物語である。
ついにアウラニースと並ぶ三大魔王の一角・大魔王アシュタロスが復活する。魔王の復活が活発化していたのは、ターリアント大陸ばかりではなかった。アシュタロスはその圧倒的な力で大陸の諸勢力を壊滅させ、新たな帝国を築き「暗黒時代」を再現しようとしていた。一方ファーミア大陸では、鬼と人とが共存するラーカ国に、魔王ヴァプラが降り立つ。鬼達に求められ、近隣の国に起きている不可解な状況を調べるうち、別の魔王にたどり着くのだが…。助かる道を求めて旅立ったラーカ国王は、流れ着いた先でマリウス達と出会う。暴虐な魔王達を止めることはできるのだろうかー。
王国にお店を構えたツカサのもとに一人の青年がやってきた。石化という症状に冒され、体すら動かすことができない。彼を救う素材を手に入れるため、ツカサは石化の原因となった町の近くまで向かう。そこは、不穏な空気が漂っていた。その場に留まるのも危険なので引き返してくるツカサ。また、別の場所では目に見えない精霊やユニコーン、ドラゴンに遭遇するなど様々なトラブルに見舞われてしまうのだが…。
迷宮で盗賊に襲われ、返り討ちにしたミチオたち。インテリジェンスカードも手に入れて、懸賞金を得ることが可能になった。しかし、ハルツ公爵領において冒険者のふりをしていただけのミチオは換金することができない。どうしようかと悩んでいると、ハルツ公爵も盗賊の情報を入手し、ミチオに警戒を呼びかけてきた。危険な盗賊が増えて困った公爵領では、盗賊の仲間討ちを誘おうと懸賞金の支払い時に受取人のチェックをやめることにした。これなら、バレずに換金できると、ミチオは盗賊のインテリジェンスカードを持ち込むのだがー。
アラムサースは学園が支配している学術都市。金さえ出せば、知識や技術を得られるアラムサースで自分を鍛える冒険者も少なくない。そんな学術都市に活動拠点を移したライエル一行は、知識や技術を得ることの他に、仲間を集めたいという大きな目的があった。アラムサースは地下迷宮を抱えており、冒険者にとっては稼げる上に自分を鍛えられる。ただ、地下迷宮に入るためには、学園の許可も必要。仲間が少なく、実績もないライエルたちに許可は出ない。ライエルはなんとか地下迷宮に入る手立てを考えるのだがー。
貴族の末っ子ヴィレム・シャレットは、古代の大魔術師レムの記憶を引き継ぎ、その才能を生かして魔術師として研鑽を積んでいた。ある日、領主である父から騎士に叙任され、都市を治めることとなった。やがてヴィレムはシャレット領を長年荒らしてきた顔割れ族を打ち倒し、暗躍していた魔術師の陰謀を打ち砕くことに成功する。その後も騎士として順調に活動するのだが、彼が治める都市の北のルーデンス領では争いが絶えず起こっており、難民を巡ってその領との問題が激化しつつあった。そんな中、ヴィレムは父からの要請を受けて、ドラゴンに襲われた都市に向かうことになるのだがー。
魔王打倒を目指すルオン達は、新たな仲間としてゲーム主人公の一人であるオルディアを加え、旅を続ける。その折、精霊の頂点に立つ三体の神霊の一人、水王アズアが魔王側に寝返ったーと同じ神霊であるガルクから聞かされる。果たしてそれは真実なのか。疑問に思いながらルオンは次なる目的地である四大精霊ウンディーネのすみかに向かう。そこでルオンはウンディーネ族長アマリアの口からアズアは確かに魔族ダクライドとつながりがあると知らされる。ルオンはアズアの真意を調べ、ダクライドを倒そうと決意するのだがー。
若き居酒屋店主、紺屋康太が異世界の住民に受け入れられてからしばし時が流れた。ある日、異世界の星座に興味を持った康太は、星座について教えてもらおうと、集落の外れに住む異邦の老ドワーフ、鉄じいさんのもとを訪ねる。だが、老ドワーフは康太をすげなく追い返した。鉄じいさんは、他人と関わり合いになるのを避けつづけてきた。そのせいで、鉄を操る凄腕の魔述師でありながら、ひとびとに疎まれている。鉄じいさんの昔語りと思わぬ優しさに触れた康太は、喜んでもらいたい一心で、勝手に饗宴を請け負った。鉄じいさんの故郷の料理を再現するため、康太は、またも異世界の里山を走り回るのだった。
現代地球の日本から戦国時代の異世界、サブラユ大陸に転移してしまった、料理人志望の青年・東朱里。ガングレイブ傭兵団に拾われてから、料理番という自分の役割と居場所を見出していく。しかし、その道中で朱里は、突然の体調不良で倒れてしまう。献身的な仲間の介護によって回復するが、そこで彼は仲間たちから認められていたことを知る。日本で待つ家族を思い涙し、自分を思う仲間に感謝し、彼はこの世界で生きていく覚悟を決めていく。自分にできる最高の料理で、彼らを支えていくことを誓うのだった。
手違いで異世界に召喚された現代の噺家、楽々亭一福。彼の『異世界落語』はサイトピア城下で人気を誇っていた。魔法使いが辻斬りの戦士に胴を斬られて真っ二つになる『胴斬り“胴斬り”』。剣士が必殺技の名前を師匠に付けてもらう『エターナル“寿限無”』。謝霊祭の出店を巡って孫に翻弄される祖父を描いた『謝霊祭“初天神”』など、多くの落語を異世界落語にしてターミナルに浸透させていく一福。そんな中、十数年ぶりにサイトピアに帰ってきた一人の老騎士がいた。彼の名はアルステッド。以前は勇敢な剣士としてターミナルにその名を轟かせた男だが、今や酒浸りの日々で、かつての姿は見る影もなくなってしまった。一体、老騎士に何が起きたのかー。
西都にて、壬氏に求婚された猫猫。今まであやふやだった関係が大きく変わろうとしていた。今までと変わりなく接したい猫猫に壬氏は焦る。皇弟として、政に関わる者に恋という自由はない。猫猫もまた、壬氏の心を知りつつも、己の立場を考えると首を縦に振ることはできない。軍師羅漢の縁者、それが西都で用意された猫猫の肩書だった。猫猫は重い気持ちのまま、ある決断をくだすのだがー。
リョウは王立学校に入学して2年目を迎えていた。魔法使いではない生徒にも魔法に関する書物を閲覧する権利を求めて、デモ活動に力を入れるリョウ。ドッジボールを広め、社交場を作ることで、様々な生徒から署名を得ていた。だが、学園で最も権力のある生徒、ヘンリー王弟と思わぬところで遭遇したことで、魔法使いや王族に対して複雑な思いを抱くようになる。また、嘆願書を通すために、自分の立場向上をはかるリョウは、商人としての名声を得るため活動を始める。しかし、ある日、腐死精霊使いでもあるシャルロットの魔法を見て、とある物の作成を思いつく。
薬師ギルドマスターが捕まったことでツカサたちに平穏が訪れたーかに見えた。しかし、平穏は長くは続かなかった。調合が終わり、宿に戻ってくるとそこには負傷したアルベールの姿が…。謎の暗殺者の仕業だった。またツカサはリュカによって暗殺者の魔の手から救われる。しかし問題はそれだけではすまなかった。笑顔で彼に近づいてくる王国第一王子アランドール。突如王国の城壁を破る魔物。そんな中、ツカサは特製の爆発薬をさらに強化して問題の解決にあたる。しかし、ついにツカサとカレンは事件の黒幕に捕まってしまうのだった。
魔物大進行より十年が経過した。十四歳となったトートス王国王女シルフィールは、王国の伝統によりエルトシル帝国のマニエール学園へ留学する。主席入学を果たして最上級生へと飛び級した彼女は、年上のルームメイトであるカレンと共に学園生活を謳歌していた。そんなある日、ガダルニアの侵攻作戦が開始される。シルフィールは、親友のカレンと帝国の皇女であるカトレーヌ、そして学園の生徒達と共に、戦禍にさらされている無辜の市民を助けるべく救出隊を組織する。犠牲を伴いながらも数多くの命を救ったシルフィール達の前に、ガダルニアが創り出したレベル3億の魔物が現れる。絶体絶命の危機に瀕したシルフィールの運命は!?