出版社 : 小学館
「強いってのはこういうことだ」 シーズンオフを迎え、鷹森雄星は一軍強化キャンプへの参加を許される。 しかし一軍は、雄星の想像を超えた厳しい世界だった。 「二軍じゃどうだったか知らんが、ここじゃ、おまえは特別じゃない。“その他大勢(ワン・オブ・ゼム)”だーー」 既に慣性制御は普及し、“生みの親”である雄星以上の使い手がチーム内にもごろごろと現れる。 憧れの存在たちに厳しい言葉で叱咤される日々。 だが、決して隔意だけではない“一軍の矜恃”に触れ、雄星はプロとしての生き様をその身で学んでいく。 そんななか、紅白戦でリーダー機を務めたアデーレが、一軍リーダー機のケイトリンを撃破してしまい……? 波乱の新シーズンが、幕を開けようとしていた。 “王の御手"を持つ黒騎士もついに復活!? SF界の俊英が放つ疾走スペースグラフィティ、騒然の第3弾!!
僕は四ノ宮優斗。高校生だてらに自立した立派な大人だ。ある日出会ったのは、中学生にしか見えない自称寮母の九段下あるて。あれよあれよと、彼女の学生寮に住むことになったのだがー。「これからは私があなたのおかーさんです♪」なぜか『おかーさん』呼びを強要してくる。しかもそれだけじゃない。「おかーさんの胸で甘えてくださいね?」…だから、自立した大人は年下の女の子に甘えたりしないんだって!頼むから帰ってきてくれ僕の平穏な生活!甘やかしたがり年下寮母と人生お疲れ高校生が織りなす新感覚バブコメ爆誕!
かわいらしい顔と低めの身長が愛らしい少年・須永公平。彼は「カッコイイ男(≒王子)」を目指して、高校デビューを目論んでいた。ところがどっこい、受かった先の高校で、いかにも王子なイケメン女子・新海光瑠にであってしまう。勝手に彼女をライバル扱いする公平だったが、その少女もまた、かわいいと思われたいのに王子扱いされてきた、可哀想な過去があり…?カッコイイ男になりたい「姫系男子」と、可愛い女の子になりたい「王子系女子」。二人の報われない少年少女が織りなす、立場入れ替え系残念学園ラブコメディ!!
強キャラの弟子ができました。 教室での一件を受けて、まさかの師弟関係と相成った俺とたまちゃん。 表情、姿勢、喋り方。 俺は師匠として、自分が『リア充』になるために重ねてきた努力とノウハウを、たまちゃんに伝えていく……が。 ここで問題が発生する。意外というかなんというか、たまちゃんは普通に“強キャラ”だったのだ。 ていうかむしろ、俺より強い可能性すらある。あれ? 師匠ってなんだっけ? 俺がやってきたやり方では、たまちゃんを変えることはできない。じゃあ、俺にできることって一体? そんなとき、協力を買って出てくれたのは……意外な人物だった。 「--なにやら、お困りの様子かな?」 強力な仲間を得た俺たちは、一つのゴールへと、少しづつ進んでいく。 パーティを組めば、戦い方が変わる。戦い方が変われば、いままで倒せなかった敵だって、倒せるようになる。 それに俺だって、少しは役に立つようになってきた……はずだからな! ーー『みみみを悲しませない』。 そんな、なによりも大切な目的に、辿り着いてみせる。 大切な目的のためなら、自分を変えてでも正面から戦う。 そのやり方はきっと、誰かさんに教えてもらったことなのだ。 ーー大人気人生攻略ラブコメ、待望の第5弾!
まだ「何者」にもなれない「誰か」へーー。 家に猫がいる者ならたいてい「うちの猫は特別だ」という。 だが彼とともにいた猫は本当に特別だった。 九年間、小説を書くときにはいつもそばにその猫がいた。その猫がいなければ小説なんて書けなかった。 彼は猫を飼っていたわけではなかった。ただ猫とともに暮らしていた。 ーー本文より抜粋 これは石川布団という作家と、人語を解す「先生」と呼ばれる不思議な猫とがつむぎ合う苦悩の日々。 企画のボツ、原稿へのダメ出し、打ち切り、他社への持ち込みetc... 様々な挫折と障害に揉まれながらも、布団は小説を書き続ける。 時には読者に励まされ、時には作家仲間に叱咤され、ひとつひとつの出来事に、一喜一憂していきながら、素直に、愚直に、丁寧に、時にくじけて「先生」に優しく厳しく叱咤激励されながらーー。 これは売れないライトノベル作家と「先生」とが紡ぎ合う、己が望む「何か」にまだ辿り着かぬ人々へのエール。 優しく、そして暖かな執筆譚。 カクヨムで話題を呼んだ、奇才・石川博品の同名短編小説を、大幅加筆修正した完全版。 イラストは『バッカーノ!』『異世界食堂』など、各所で活躍中の人気イラストレーター・エナミカツミ。 【編集担当からのおすすめ情報】 『後宮楽園球場』(「このライトノベルが凄い!2015」5位)『メロディ・リリック・アイドル・マジック(「このライトノベルが凄い!2016」6位)など、話題作を出し続ける実力派。本作では、彼の作家半生とも思えるようなストーリー展開が見所です!
除霊でトリップ?CまでイケないB級除霊! --絶頂除霊。 それは突いた相手を生者死者問わず強制的に絶頂させ、もののついでみたいに悪霊怪異を昇天させるろくでもない猥褻能力。 各地に悪霊や怪異が出没し、退魔師という職業が存在するこの世界。 未来ある少年少女たちの中から、才能のあるものは「退魔学園」にて修行を積む。 絶頂除霊などという、呪われた能力をその身に宿す少年・古屋晴久は、その学園の中でもおちこぼれだ。 なにせ、能力を使ったら、色々な意味で(社会的に)死ぬ……。 だが、晴久は出会ってしまった。 同じような呪いの眼ーー淫魔眼を持つ少女・宗谷美咲に。 人の秘密をたやすく暴く、恐怖の瞳術の使い手に。 かくして(半ば強制的に)退魔師史上最低最悪、されどいつしか最強と呼ばれる退魔師たちの伝説が幕を開ける。初めてのまともなお仕事は、怪異・乳避け女との大活劇。 ーーんほおおおおおおおおおおおおおおおっ!? 今宵も、街には嬌声が響き渡る。 それは紛れもなく、昇天の証明。 ポンコツ退魔師たちが卑猥な能力で大活躍? エロは世界を救う? ちょっぴりエッチな退魔活劇!! 『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』『二度めの夏、二度と会えない君』の著者がおくる新シリーズ。
タイムリープで勝ち組人生を目指せ! --俺の人生は捨て回だ。 雪枝桃也(ゆきえだ・とうや)。三十歳。 仕事はラジオがメインの構成作家。しかし、まったくもって売れておらず、先輩作家や知り合いから振ってもらった仕事で食いつなぐ日々。 かつて同じ番組で仕事をしていた人気声優・神楽屋萌香(かぐらや・もえか)からは忘れられ、家では妹からも冷たくされる桃也だったが、とある飲み会の帰りに工事現場の落下事故に巻き込まれ、鉄骨の下敷きになって命を落としてしまう。 気がつくと何もない空間にいた桃也は、そこで天使のエリィエルと出会い、自らの死が手違いだったことを知る。 「俺は死ぬはずじゃなかったってことなのか?」 「まー、そうなりますね」 「何ヘラヘラしてんだよ! どうしてくれるんだよ!」 「生き返らせます」 「死ぬってのは人間にとって簡単なことじゃ……生き返らせる!?」 救済措置によって過去に戻れることを知った桃也は、渋るエリィエルを丸め込んで10年前に戻してもらうが、過去改変は想像以上の難易度で……。 『芸人ディスティネーション』天津 向×『ガヴリールドロップアウト』うかみのタッグでおくる、勝ち組への再起を懸けた人生やり直しコメディ!!
爽やかな筆致で贈る日常系ミステリー! 軽音部の歌姫を付け狙うストーカーを撃退するため、ライブ会場に張り込んだ啓介たち。警備体制は完璧だったはずなのに、ストーカーはひそかにライブ会場へと侵入していた……彼は一体どうやって鉄壁の警備をかいくぐった?そして会場内に残された真冬たちの安否は? 人質をとってナイフ振り回うストーカー相手に、啓介の策略と推理が冴える。(「耳なし芳一の夜」) ユリの姉は、容姿に恵まれたテレビ局の新人アナウンサーである。そんな彼女のもとに、ある日奇妙な手紙が届いた。啓介はユリに頼まれて、その手紙の送り主の本当の意図を突き止めるため推理を始める。そして周囲の力を借りながら辿り着いた真実は、暗く、救いようのないものだった……(「手紙」) とある放課後にジャナ研を訪れてきた、一人の女子生徒。彼女こそ、かつて啓介が脚本盗作事件の犯人として糾弾した島原祐樹の実の妹だった。彼女の言葉をきっかけに、啓介は『キマイラの短い夢』という演劇作品をめぐる騒動の再調査を決意する。そして当時の関係者に話を聞くなかで、意外な新事実が判明する……(「キマイラの短い夢」) 青春の光と影と謎をめぐる、日常系ミステリー三篇を収録。
俺、波久礼業平には友達がいないーわけでもない。むしろ、夏休みを人研メンバーと過ごし、なんとなく成長した気さえしていた。でも「ドレイン」のせいで、クラスで物理的に孤立している事実は変わらない。せつない。2学期が始まってすぐ、俺と高鷲は売り言葉に買い言葉で「どちらが先に自力で友達を作れるか」勝負をすることになる。まあ、高鷲に負けるわけないし、文化祭イベントがあれば楽勝だろうと思うのだが…あれ、友達ってどうやって作るんだ!?残念系異能力者たちが文化祭を謳歌する(?)青春未満ラブコメ第3弾!
密林に潜む妖精! その正体とは……? ガマエ研究者たちを巡るクリミアとヴィクターの旅は、魔境<魔魅の大苗床>と呼ばれる密林へと向かっていた。 行方不明と言われているガマエ研究者オディロン・パストゥール。その弟クロードが密林の探検隊に参加しているという情報を得たからである。 その情報を二人にもたらしたのは、密林の生物を解剖せんと目論む悪名高き魔法医師ヴァネッサだった。その他、ガマエを求めた卑しきハンターや、謎の包帯巻きの男。そして、魔境探検家のクロードを合わせたクセ者ぞろいの探検隊は密林の奥へと向かっていく。 だが、森は彼らを攻撃する。 選ばれし者たちの存在しか許さぬように、様々な障害が彼らを襲う。それはキュプクロス、トロール、ドラゴン、フェアリーなど、様々な妖物たちの住処に立ち入った者たちへの神罰だろうか。 次々と仲間たちを失いながらも、最奥地へ辿り着く探検隊一行。 その先で出会ったエルフたちの導きによってガマエに辿りついた彼らは、世界の成り立ち、《黙示録の悪魔》、そしてガマエについての真実を知る。 だがそれは、クリミア、ヴィクターに降りかかる、最大の試練への予兆でしかなかった。 魔法医学の根底を揺らがす第6集。
土岐健次郎、切腹……!? 年が明け、『妹のすべて』のアニメ化発表が着々と近づいていたある日、なにげなくエゴサーチをした伊月が見たものは「妹すべ、アニメ化決定!」という新刊の画像付きツイートだった。その画像の出所はなんとギフト出版の公式サイトで……。伊月やアニメ関係者からの信用を失ったGF文庫編集部が放つ、起死回生の一手とは……!? 伊月や土岐がアニメに翻弄される一方で、春斗や京、他の新人作家たちの物語も進んでいき、千尋の心にも大きな変化が訪れてーー。 動き続ける青春ラブコメ群像劇、第8弾登場!!
<宙界の瞳>を求めてガユスとギギナ二人旅 ガユスとギギナはエリダナの事務所を離れ、ニドヴォルクが示した<宙界の瞳>を求めて旅路を続けていく。二人はついにルゲニア共和国に到達。英雄たちによって独裁政権が倒れ、新政府の投票を待つ国家で<宙界の瞳>を廻る探索行が開始される。ルゲニアの新元首の席を求めて、かつての革命の英雄たちが争い、惨禍を生む。 一方、ネデンシア人民共和国では謎の流星が落下。流星は形を持った厄災へと姿を変え、国家を未曾有の危機に陥れる。対するは、世界最強ミルメオン。焦土となったデバラズ平原で超咒式士同士が激突する。その頃、エリダナでは七門同士の陰惨な戦いが開始されていたーー。ウコウト大陸各地で同時進行する、崩壊への序曲。人々の選択はどこへ向かうのか。 TBS、BS-TBSにて10月よりTVアニメ放送開始! 放送直前に「され竜」最新書き下ろし長編が到着! 原点回帰のガユスとギギナ二人旅。暗躍から表舞台へと現れる<踊る夜>たち。そして、ついにミルメオン動く!
旭姫を奪われ、失意の底にしずむ陽翔たち。バラバラになりかけた“スバル”をつないだのは、意外な人物の言葉だった。そして語られるエリシアの来歴と、最後の封印石が残されているという事実。まだ、終わってはいない。かすかな希望を胸に、“スバル”はついに立ち上がる。そんな陽翔たちを見つめるエリシアは、どこか寂しそうで…?一方、同じく封印石の存在に気付いた“グノーシス”は最強の追っ手を差し向ける。幼なじみたちの未来を懸けた戦いは、いよいよ最終局面へ!革新的青春オンライン、叛逆怒涛の第6弾!!
マイダスタッチと呼ばれる経済異能。それを利用した犯罪対策組織エイプスの元に、日本に初めて建設されたカジノへの潜入捜査指令が下る。アジア最大規模のカジノに集まる世界中の観光客。その陰では「能力者」によるカジノでの不正が横行していた。カジノを荒らす能力者たちは、これまでの能力者たちと異なり、イカサマを駆使する知能犯。そして捜査を進める中で浮き彫りになる「ジャンケット」の存在。捜査で得られた真実の先に、エイプスは最大の因縁ともいえる存在に対面する。マネークライムシリーズ、堂々クライマックス!!
ガルメンディア王国に戻ったルカはファニアとの約束を果たすため暗躍を開始。テラノーラ戦役、ウルキオラ暴動、ドル・ドラム戦役で傑出した戦果をあげたことにより、ルカは民衆からの絶大な支持を得て反体制勢力の中心人物へとのしあがっていく。一方のファニアは王政に身を捧げる覚悟を決め、ルカに蜂起を思いとどまらせようと煩悶していた。ふたりの思いはすれ違ったまま王国はついに革命のときを迎えるー。「民に君臨し、民を搾取し、民のために我が身を捧げる、それがわたしの誇りです」。風雲急を告げる恋と会戦の物語、第四巻。
たとえ、その選択を悔いるとしても バレンタインデーのイベント、水族館での雪の日を経て、自分たちが踏み出すべき一歩を定める八幡たち。 そんな奉仕部に、ある大きな依頼が持ち込まれる。 その依頼に対して、今までとは違ったやり方で取り組むのは、三人にとっては自然な流れのはずだった。 それが、自分たちの求めていることならーー。 たとえ、その選択を悔いるとしても。 時間の流れがいつか自分たちを大人にするのかもしれない、出会いと別れを繰り返して人は成長するのかもしれない。でも、いつだって目の前には「今」しかなくてーー。 雪乃、結衣、八幡。それぞれの想いを胸に抱えながら、各々が選択する「答え」とは。 新たなる青春群像小説、物語は最終章へ。シリーズ12巻。
異世界修学旅行、いよいよ大詰め! 修学旅行の最中に突如飛ばされてしまった異世界で、王女プリシラと共に、クラスメートを探しながら修学旅行を続ける沢木浩介たち二年一組。次なる目的地は、その主である魔王を喪い、今や聖徒会なる集団に支配され、新たな文化の発信地となっている魔王城!聖徒会の野望を打ち砕き、クラスメート全員で日本へと還るため、魔王城へと乗り込んで行った浩介たちだったがーー。気付くと浩介の眼の前には、毎日のように通っていたーーそれでいて懐かしい、母校である緑ヶ丘高等学校の校舎がそびえていた。 「……あれ? 俺たち、異世界で修学旅行をしてたんじゃなかったっけ?」 「異世界? 何をファンタジーなこと言うとるんじゃ。それよりはやく教室へ行こうぞ! このままでは遅刻じゃ! 食パンをくわえて走るのは意外と難しいぞよ!」 「あ、ああ。でも何か、大切なことを忘れてるようなーー」 日本と異世界が、現在と過去が交錯する懐かしくも心地良い幻の中で、浩介はついに生徒会長・若王子暁と再会する! 聖徒会の、若王子の目的とは? そして、魔王を倒した勇者とは? 異世界で日本を想う修学旅行生たちの異文化コミュニケーションコメディ、第六弾!
宿敵ドラグギルディ、完全復活ーー!! 神の一剣の幹部・戦女神ヴァルキリアギルディの能力“死して尚変態(ヴァルハラ)”で、これまでに倒したエレメリアンたちが完全再生! 積み重ねてきた全ての戦いをリセットされたツインテイルズ。彼らの終わりなき悪夢が始まったーー。 だが、この重大な局面で、愛香にある異変が起きていた。ヴァルキリアギルディとの戦いのなか、自分が誇れる唯一のものーーツインテールを失う危機に直面した彼女は、激しい恐怖心に支配されてしまったのだ。エレメリアンに絶望を与えてきたテイルブルーの弱体化。総二の優しささえ、今の愛香には不安でしかなかった。その間、再生エレメリアンたちは複数同時侵攻を開始する。圧倒的な数を前に、トゥアールが導き出した作戦とはーー。一方、アルティメギルの女科学者マーメイドギルディは、エレメリアンの復活の先に、更なる恐るべき計画を企てていた! 愛香が、慧理那が、イースナが……次々に危機に瀕していく、ツインテイルズ! 果たして、彼女たちの運命は!? そして、宿敵と相見える総二! 究極のツインテール・テイルレッドと、最強のツインテール・ドラグギルディーー今再び、ツインテール頂上決戦の幕が上がる!!
悪魔を喰らう魔術師と哀れな屍人形の旅。 悪魔が人類の隣人として振る舞っていた時代。魔術師のダヤンと屍人形のアリアは、悪魔退治を生業としながら、旅を続けていた。 ダヤンの目的はただ一つ。己が手をかけ、屍人形にしてしまったアリアを生き返らせること。そのために彼は、生と死を支配する悪魔・ガーガヴルドと契約を交わしたのだ。人理を外れた望みを叶えるには、それ相応の代償を払わなければならない。絶対的な契約の元、かつての記憶を失ったアリアに真実を伝えられず、悪魔退治を担わせなければならない日々。ダヤンは本心を隠して、あくまでもアリアを金稼ぎの道具として扱い、露悪的に振る舞い続ける。 旅の中で訪れた新たな街。その街の住人はどことなく生気を失ったような様子で、病院を訪れる患者が後を絶たないらしい。そして、その病院に勤める医師の家で、瀕死の重傷を負った娘が奇跡的に回復し、その代わりに息子が死んでしまったという奇妙な噂が囁かれていた。そこに悪魔の匂いをかぎつけた二人は、さっそく調査を開始するのだが……。 悪魔を喰らう魔術師と哀れな屍人形の旅路。--これなるは忘却の果てに垣間見る、魂と契約の物語。
癒やせぬ傷を抱え、狩人たちは前を向く。 殺戮因果連鎖憑依体ーー 古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきたその存在は、感染する殺意であり、次元の裏側から送り込まれた人類絶滅のプログラム。 だが、その脅威に立ち向かうべき狩人たちは、断絶を経た長い歴史の結果として、不毛な衝突を続けていた。 白い鬼の出現によって口火が切られた組織間抗争こそ無事終結したものの、未来を切り捨てる戦の果てに、多くの者が傷つき、道を見失う。 背負う重責に震える者。慢心の罠に陥る者。無能さを悔やむ者。自身との軋轢に苦しむ者。欲望へと走る者。救いたい者を救えぬ者。そして地獄から流れ着き、独房でひとり、静かな狂気に沈もうとする者。そんな彼らを立ち上がらせるのは、はたして誰による、いかなる選択なのか。 新たなる鬼の脅威。秘密の開示の先に待つ、太古の闇。 時を超える旅によって増殖し、この世にふたり存在することになった乾叶を渦の中心として、歴史の背後に潜んでいた数多の謎も浮上を始める。 残酷な運命に抗うべく、傷だらけの迷い子たちがそれぞれ踏み出す、新たな一歩とは。 人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩。再起と転換の第5弾。