映画むすび | 制作・出演 : 吉岡秀隆

制作・出演 : 吉岡秀隆

男はつらいよ・浪花の恋の寅次郎男はつらいよ・浪花の恋の寅次郎

江戸っ子の寅さん、ついに大阪進出! ある時は清楚、ある時は艶やか、マドンナの多彩な魅力にメロメロの彼が、最後に漏らした言葉とは!? 葛飾柴又生まれの江戸っ子寅さん(渥美清)は浪花のノリと歯だが合わないようで、 そのせいかこれまで大阪が主な舞台になることはなかった『男はつらいよ』シリーズだが、 この第27作は大阪の地で初めて寅さんの恋模様がしっかりと繰り広げられていく。 ここで彼が惚れてしまうのは芸者ふみ。 そのマドンナを好演する松坂慶子は冒頭の夢“浦島寅次郎"で乙姫様を演じ、 瀬戸内海小島での寅さんとの出会いでの清楚な佇まい、大阪での艶やかな芸者姿と、 その多彩な魅力を前にして寅さんはすっかり大阪びいきに!? そして二人の繊細でスリリングな駆け引きの果て、最後に寅さんが吐く言葉にもご注目を。 これもシリーズ始まって以来の異例の事象である。 また、今回からさくら(倍賞千恵子)の息子・満男役で吉岡秀隆が登場。彼の成長もまた、 今後のシリーズのお楽しみの一つとなっていくのだ。

男はつらいよ・寅次郎紙風船男はつらいよ・寅次郎紙風船

「俺が死んだら、あいつを女房にしてやってくれ…」死にゆく仲間に頼まれて、“男"寅さん一世一代の大決心! 柴又小学校同窓会の招かれざる客となり、“とらや"へ戻って悪態三昧の寅さん(渥美清)は、傷心の想いで再び旅へ…。 冒頭の夢(寅さん版『愛染かつら』?)の後、いつものように幕を開けるご存知『男はつらいよ』シリーズ第28作だが、 その後が一味違う!今回は家出娘・愛子(岸本加世子)が寅さんに憧れて、ともに旅をしながらフーテン修行。 時にはサクラも務めて、おかげで寅さんの商売も大繁盛!? そしてさらに、何と寅さんは病気のテキヤ仲間(小沢昭一)から、 自分が死んだら妻の光枝(音無美紀子)を女房にしてほしいと頼まれてしまうのだ。 約束ゆえか愛ゆえか、今度こそ想いを叶えようとする寅さん。 しかし、一見柔和だが彼女もまた“渡世人の女房"だった女であった…。 そう、今回は自由で寂しい渡世人の悲哀が改めて示されるという、秀逸なエピソードなのである。

男はつらいよ・寅次郎あじさいの恋男はつらいよ・寅次郎あじさいの恋

惚れて惚れられ戸惑って、去って追われて甲斐性なくて…。 ユーモアの中に哀しさが漂う“大人のラブ・ストーリー"を描いた名編。 葵祭でにぎわう京都にて、日本を代表する陶芸家(十三代目・片岡仁左衛門)と知り合いになった寅さん(渥美清)は、 その家で働くかがり(いしだあゆみ)に売れ残り(?)の下駄を贈る。それが二人の切ない恋物語の始まりであった…。 シリーズ第29作は、寅さんにかがりが惹かれ、彼女の強い想いに寅さんが当惑するといった異色の展開。 舞台はやがて丹後、そして葛飾柴又、鎌倉あじさい寺へと移り変わっていくが、 シリーズならではのユーモラスな味わいを忘れることなく、 その上で“大人のラブ・ストーリー"日本代表とも言うべき名編に仕上がっている。 山本直純の音楽もシリーズ中出色の出来。満男(吉岡秀隆)が初めてドラマに深く関わることでも特筆されるだろう。 しかし、満男の幼い眼が見据えた寅さんの恋の結末は、あまりにも哀しくて…。

男はつらいよ・旅と女と寅次郎男はつらいよ・旅と女と寅次郎

失踪した“演歌の女王"、彼女の心の傷を寅さんは癒せるのか?都はるみ、『男はつらいよ』シリーズに堂々の登場! 『男はつらいよ』シリーズ第31作は“演歌の女王"こと都はるみが堂々の登場! 当時芸能界からの引退を表明していた彼女ではあったが(現在は復帰)、 渥美清のラブコールに応えて今回の顔合わせが実現した。 ここで彼女が演じているのは、彼女自身のキャリアとダブらせた演歌歌手・京はるみ。 寅さんは全国公演の途中で失踪した彼女と共に佐渡島へ渡り、失恋して傷心の彼女を慰め、癒し、そして立ち直らせていくのだ。 シリーズ恒例、メイン・タイトルのドタバタ・シーンでは細川たかしが駆け落ちする恋人役で特別出演し、矢切の渡しを越えようとする!? 後に彼女が民宿で寅さんと一緒に『矢切の渡し』を口ずさむサービスをはじめ、 全編にわたって彼女の歌声が聞こえてくる演出がなされている。 何と“とらや"の庭先では『アンコ椿は恋の花』まで披露してくれるのだ!

男はつらいよ・口笛を吹く寅次郎男はつらいよ・口笛を吹く寅次郎

御前様曰く「煩悩が背広を着て歩いている」寅さんが、出家する!?そのありがたい法話と恋の行方を前にして、ついには仏も泣き笑い! 『男はつらいよ』第32作は、寅さん(渥美清)が出家してお坊さんになる!?ことの起こりは、 博(前田吟)の父の墓参りに寅さんが立ち寄ったこと。 かつて博の父を演じた志村喬亡き後に合わせた今回の設定は、 かの名優に対するシリーズからのオマージュでもあるが、 そこで寅さんはひょんなことから二日酔いで動けない寺の住職(松村達雄)に代わって法事を務めることに!? ところが、あの名調子を発展させた法話が檀家に好評で、彼はそのまま寺に居座った。 やがて博の父の三回忌がやってきたが、そこに現れたのは……! 今回の寅さんはコミカル色全開だが、 その一方で彼は住職の息子・一道(中井貴一)を慕うひろみ(杉田かおる)を応援しつつ、例によって一道の姉・朋子に片想い。 その結末は……周囲の予想を裏切って、御仏は意外な方向へと彼の恋をお導きする!?

男はつらいよ・夜霧にむせぶ寅次郎男はつらいよ・夜霧にむせぶ寅次郎

寅さんと風子、気の合う二人のフーテンと曲芸バイク乗りのトニー。 カタギになれない男と女の悲しい恋愛模様を夜霧が包む。 月日の経つのは早いもので、満男(吉岡秀隆)は中学に入学し、 たこ社長(太宰久雄)の娘・あけみ(美保純)がシリーズ初登場でいきなり結婚ときた。 なかなかの現代っ子ではある彼女だが、いざ花嫁姿を前にして社長もホロリ男泣き。 またシリーズ初期で寅さん(渥美清)の弟分だった登(秋野太作)が、すっかりカタギになった姿で久々にお目見え。 我らが寅さんだけは相変わらずで、北海道でフーテンの風子(中原理恵)から好意を抱かれていることを察して背を向ける。 やがて“とらや"に曲芸バイク乗りのトニー(渡瀬恒彦)が現れ、風子が病気だと告げるが……。 『男はつらいよ』シリーズ第33作は、従来よりもカタギと渡世人の対比を濃厚に示しつつ、 その悲哀をムーディに、そして鋭さを忍ばせる異色編だ。 ただしラストには大胆なギャグも用意されている!?

男はつらいよ・寅次郎真実一路男はつらいよ・寅次郎真実一路

失踪した夫を探す人妻に惹かれてしまった寅さん! 心焦がしつつ罪の意識に悩む彼の“真実一路"はどこにある? 松竹創業90周年記念作品『男はつらいよ』シリーズ第34作は、 まず冒頭の夢が松竹唯一の怪獣映画『宇宙大怪獣ギララ』(ちなみに、主題歌を歌っていたのは倍賞千恵子)をモチーフにしたSF仕立て。 そして本筋では、寅さん(渥美清)が人妻を愛してしまう。 突如失踪した夫の故郷へ赴く彼女に同行する寅さんは、 心のどこかに浮き立つものを感じてしまい、罪の意識に悩まされていく。 これまで彼は未亡人や、夫と別居中の女性などに恋したことはあっても、 夫を愛する女性に心惹かれるのは初めてなのであった。 そのマドンナふじ子を好演するのは、第22作『噂の寅次郎』以来、シリーズ二度目の登場となった大原麗子。 夫役の米倉斉加年もシリーズ準レギュラーだが、今回はストレスに侵されるエリート証券マンという設定などから、 現代サラリーマンの悲哀までも浮き彫りになっていくのだ。

男はつらいよ・柴又より愛をこめて男はつらいよ・柴又より愛をこめて

家出したタコ社長の娘を探しに下田へ赴いた寅さん。ひょんなことから式根島版『二十四の瞳』の仲間入り!? たこ社長(太宰久雄)の娘・あけみ(美保純)が家出!かくして寅さん(渥美清)は彼女を探しに伊豆・下田へ。 シリーズ第36作は、かねてより寅さんの生き様にあこがれていたあけみがもう一人の主役ともいうべき存在感を放ちながら、寅さんと二人旅を始める。 そして式根島に渡った二人は“島のマドンナ"として教え子に慕われる真知子先生(栗原小巻)と知り合うが…。 『二十四の瞳』になぞられた設定の下、寅さんも小さなお目目で勝手に“瞳"=教え子たちの仲間入り!? 栗原小巻は第4作『新・男はつらいよ』以来、これが2度目のマドンナ登板。 元々は下町出身で、理想を追い求めるあまり人生に疲れたその佇まいは、寅さんとも息が合うかに思えたが、 意外なところに恋のライバル(川谷拓三)が! それにしても、寅さんはなかなか恋の卒業生にはなれないようです。

男はつらいよ・幸福の青い鳥男はつらいよ・幸福の青い鳥

九州の炭鉱の町で昔馴染みの座長の死を知る寅次郎。 残された薄幸な娘の職と婿探しに奔走する寅さん、その心の中は!? 山田洋次監督が松竹大船撮影所50周年記念作品『キネマの天地』('86)の製作のため、 前作からほぼ1年ぶりの御目見えとなった『男はつらいよ』シリーズ第37作。 これまで幾度となく登場していた旅芸人一座座長の訃報を知らされた寅さん(渥美清)が、 ひとり残された一座の元花形女優・大空小百合こと美保(志穂美悦子)のため、何と色恋抜きを宣言して大奮闘。 しかし「幸せの青い鳥がほしい」とつぶやく薄幸の彼女と、 画家志望の青年・健吾(長渕剛)の恋に、やはり寅さんの心中は穏やかでなく…。 日本が誇るアクションじょゆうとビッグ・アーティストの新鮮な一面を引き出した青春映画的テイストも濃厚な本作ではあるが、 それに倣うかのように、志穂美悦子と長渕剛は本作での共演をきっかけに、後に結婚。 二人にとって本作は、まさに“幸福の青い鳥"だったようである。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP