制作・出演 : ウィーン放送交響楽団
当セットはシューマン自身のみならず、彼が補筆・編曲で協力したクララやヘンゼルトの作品も収めた好企画。世界初録音もいくつか含む。ヴィノクールは制作に当たり、既出の出版譜の検討から、さらには自ら補筆完成まで携わった。たとえば有名なピアノ協奏曲のもととなった「幻想曲」は、自筆譜から校訂。それゆえ、流通しているEulenburg社のスコアとは異なる箇所が多々ある。演奏はどれもシューマンの語法とムードの双方を大切にしていて好感度大。パターン楽句が多用されつつも、シューマンらしい香気がむせ返るニ短調の協奏曲断章など、ファンにはたまらない。★
スペイン&南米の作品を集めた一枚。ギター協奏曲として有名な「アランフェス協奏曲」は作曲家自身による編曲版を使用。原曲とは異なる響きが新鮮だ。「ハープ協奏曲」はハープの打楽器的側面を活かした現代的な作風で、この優美な楽器からダイナミックな音響も引き出せるメストレの表現力の逞しさが遺憾なく発揮されている。
一歩も引かずに精密にオーケストラとやり取りを交わすところは、さすがにウィーン・フィルのソロ・ハーピストを務めるメストレ。ハイドンの協奏曲がハープのオリジナル作品のように豊かな表情で蘇るのも楽しい。一方のソロでは、繊細でしなやかな表現力もアピール。
ヨーゼフ・マルクス(1882-1964):交響的作品集 ・春の音楽 ・牧歌 ・収穫祭(世界初録音) ウィーン放送交響楽団 ヨハネス・ヴィルトナー(指揮) Powered by HMV
「魔法使いの弟子」の作曲家デュカスによる唯一のオペラ。ド・ビリーがジョルダン盤を凌ぐ完璧な演奏で曲の真価を明らかにする。至難の役アリアーヌに挑み、強靭な喉で広い音域を破綻なく演じるポラスキの歌唱にはほとほと感服する。未曾有の名演と言ってよい。★
ハウアー(1883-1959):<交響作品集> 20世紀前半にシェーンベルクと同じく無調ー12音主義の作品を発表したものの、シェーンベルクとは違った進化を追求した12音技法により、孤高の存在となってしまったハウアー。さまざまな楽器を使ってシリーズ化された「12音の遊び」は代表作でもあり、シャープなサウンドを実現したこの録音が再評価を促すかもしれません。 黙示録幻想曲/ロマンティック幻想曲/組曲第7番/ヴァイオリン協奏曲/ 12音の遊び(9.08.1957)/12音の遊び(22.09.1957) 演奏/トーマス・クリスティアン(ヴァイオリン)、 ゴットフリート・ラーブル(指揮) ウィーン放送交響楽団 Disc1 1 : Molto Ritmico e Marcato, Alla Marcia 2 : Lento, Molto Tranquillo 3 : Allegro, Alla Marcia Veloce 4 : Largo Espressivo 5 : Landler 6 : Allegro 7 : Largo 8 : Allegro 9 : Josef Matthias Hauer: Symphonic Works [Hybrid SACD] 10 : Josef Matthias Hauer: Symphonic Works [Hybrid SACD] 11 : Josef Matthias Hauer: Symphonic Works [Hybrid SACD] 12 : Josef Matthias Hauer: Symphonic Works [Hybrid SACD] Powered by HMV