音楽むすび | 制作・出演 : ウォルフガング・ハフナー

ケニアのスラム街に暮らす子供たちに楽器を提供するプロジェクトの一環として、CDの売り上げ1枚につき1ユーロを寄付するという名目でリリースされた本作。現地の子供たちの声が響き渡るオープニングの瑞々しさといったら。全体を貫くのは、これぞ王道！のジャズ・ファンク。

ジャザノヴァのレーベル発作品だが、これはおもしろい。Mr.フィンガースの「キャン・ユー・フィール・イット」をはじめ、クラブ派生クラシックをもろなジャズ演奏でカヴァー。あっさりと、クラブな気分と確立されたジャズ様式が繋がる。首謀者はトゥルービー・トリオのクリスチャン・プロマー。

ドイツのシンガー／ギタリストが2000〜2004年に発表した4作から選曲。ブラジル風味を加えたAOR／ジャズ路線の音は上質かつ快適で、歌はアル・ジャロウを思わせる。高揚感のある自作「Feel Fine」、波が寄せて引くようなテンポ感の「Tristeza」、スリリングな弾き語りの「Somewhere over the Rainbow」など秀逸。★

マリアーノはイタリア系アメリカ人。アメリカのジャズマンはパリに憧れ、フランス人はイタリーに惚れる。憧憬の三重構造が透けた「太陽がいっぱい」が白眉の出来。ドロンの眩しいニヒル顔が目に浮かぶ。ほかも眩しく厳かに吹いてくれたらなおよかった。