制作・出演 : ウラディミール・ホロヴィッツ
ホロヴィッツが1945〜1948年にカーネギー・ホールで行なったリサイタルの未発表音源。スクラッチ・ノイズは気になるが、巨匠の最盛期の至芸をこれほどの高音質で堪能できるのは喜ばしい限りだ。中でも戯れるような軽やかな指さばきで、些かの躊躇もなくグングンと猛進してゆく疾走ぶりは圧巻。
五十余年ぶりに訪れたベルリンでの伝説のライヴ。聴衆の熱狂もリアルに収録されているが、伝説の理由がわかる。最初の一音から彼ならではの繊細で豊潤な音色が会場に広がる。指回りの怪しいところもなくはないが、80歳を超えた巨匠の音楽は、枯れることない円熟の境地だった。
1928年、78回転SPレコード用にRCAへ吹き込んだ「マズルカ第21番」から、89年にソニーが彼の自宅へ機材を持ち込んで録音したデジタル音源まで、60年にもわたるホロヴィッツのショパン演奏を集大成した7枚組。とびきり冴えた音色と圧倒的な指のスピード、ダイナミックな表現……それらが一人のピアニストの中で融合した奇跡とも言うべき記録だ。1945年の「アンダンテ・スピアナート〜」など、若き日のホロヴィッツならではのスピード感と瑞々しい音楽が圧巻。その後ほとんど弾いていないだけに貴重な録音だ。
1940年代後半、この稀代の豪腕ピアニストのいわば奔放飛ぶ鳥落とす時期に残された私蔵ライヴ録音の初お目見え。所は縁深いカーネギー・ホール。古いファンにはそそって止まぬ発掘ものであろう。演目は名だたる難曲ばかり。しかも、多くは“ホロヴィッツ編”、自ら手を入れてさらに難度を増してある。かくて、甦った音はまさに正真ホロヴィッツの音。切っ先鋭く楽器をきらめかせ、ここぞの見せ場では轟然とたたみ掛けて耳を響きで埋め尽くす。その有無を言わさぬ音の快。そこに漂う無縫の抒情。今は昔。殿堂の音の姿だ。
1946年から50年にかけての、ホロヴィッツのカーネギー・ホールでのライヴ録音。全盛期のホロヴィッツの凄さがストレートに伝わってくる輝かしい貴重な演奏で、多くの音楽ファンにとって貴重な録音が蘇った。
RCAに遺されたホロヴィッツの名録音をCD2枚にまとめた作品。トスカニーニ、ライナーとのチャイコフスキーや、ラフマニノフのピアノ協奏曲など、ホロヴィッツのきらめく才能が満喫できる選曲となっている。
大バッハと同年に生まれたイタリアの作曲家ドメニコ・スカルラッティは、555曲のチェンバロ・ソナタによって、その名を不滅のものとしました。ホロヴィッツは、自分のコンサートに必ずスカルラッティのソナタをとり上げていました。このアルバムは、巨匠が愛したスカルラッティのソナタの決定的名盤なのです。