制作・出演 : ザ・マンハッタン・トランスファー
初めて全編ア・カペラでまとめたアルバムであり、クリスマス・ソング集。彼らの持ち味のひとつであるエンタテイナー性が出ている楽しげな(1)、息の合ったコーラスによってハーモニーの美しさが際立つ(2)、ロマンティックな(8)など、一流グループらしいさすがの完成度。
リーダーのティム・ハウザーがプロデュースした、アットホームかつゴージャスな一枚。現メンバーで四半世紀を越えた円熟期ながら、その芸はますます圧倒的で、味わい云々のレベルではない。(5)のオーケストラ編も、ファンには興味津々の仕上がり。必聴盤といえる。★
テラーク・レコードに移籍して初のスタジオ録音作品。さすがマントラ、さすが30余年のキャリア。マイルスの「TUTU」のリメイク(4)をはじめとするカヴァーも斬新なら、オハコのナンバーの新編曲も聴き応え満点。4人ひとりひとりの個性も際立っていく一方。
2000年、オーチャード・ホールでのライヴ。つかみはバッチリ分かりやすく、バラード系では余人の追随を許さない余裕と説得力。涙もんの「雲」や「マイ・フーリッシュ・ハート」。30年以上リーダー的存在であり続けるグループの世界に感嘆するのみ。★
3年ぶりの新作は、サッチモの代表曲を集めたトリビュート。彼らの高度な音楽性と芸術的コーラス・ワークによって、「この素晴らしき世界は」などの名曲が、どう甦るかが非常に楽しみな1枚だ。
ヴォーカリーズとは、楽器のアドリブに歌詞をつけてしまうことだ。常に前向きの彼らは、今度のアルバムで大幅にヴォーカリーズを取り入れ、ダイナミックにそれをやってのけている。彼らの実力をまざまざと見せてくれるアルバムだ。
結成25年を迎えたマントラのオシャレで小気味のいい、30〜40年代スウィング・ジャズ曲集。練り抜かれたアレンジャー技やプロ根性って、理屈っぽく窮屈になったりするが、彼らの場合は寛がせる方向にはたらく。エアロビ効果に似た快感があるのだ。
古巣のレーベル、アトランティックに移籍後初の作品。50年代、60年代のポップとR&Bのフル・カヴァー作品になっている。12曲中10曲で豪華ゲストを迎えているのもポイント。誰とやってもマントラ・サウンドにうまく取り込んでしまうセンスはさすがだ。