制作・出演 : ショパン
チェルニー=ステファンスカは戦後初めての第4回ショパン・コンクールで優勝したポーランドのピアニスト。ショパンが愛する祖国の舞曲マズルカに込めた奥深い情感を軽やかにリズムにのせて雄弁に語り上げる。10年前の日本での録音。すばらしく美しい名盤だ。
スケルツォには、ショパンの内面のある種の暗さ、深刻さといったものが表われている。ポーランド楽壇の中心的存在の一人といえるパレチニのスケルツォは、男性的で激しい性格を強調しながら、それと対照的なカンタービレなうたも決しておろそかにしない演奏。
ポーランドのピアニストたちによるショパン全集の一枚。バレチニは70年のショパン・コンクールで第3位に入賞したピアニスト。ここに聴く彼の演奏は、ゆったりとした構えにより、穏やかで落ち着いた味わいを持ち、また全体に、清潔な美しさが漂う。
発売元
株式会社ポニーキャニオンスメンジャンカというと、コンクールの審査員みたいなイメージがあるのだけど、このアルバムでは非常に気品高く、奥の深いショパンを聴かせてくれている。どの曲の中にもほの暗さがあって、それが音楽にえも言えぬ陰影を作っている。音もとても美しい。
園田高弘のショパン第5集は、70歳にして全曲録音したエチュード集。彼が大切に培った演奏スタイルとショパン解釈を何が何でも伝えたいという強い意欲を反映し、作品の音楽的内容の深さを、説得力をもって表現した演奏。彼の解説とエッセイも興味深い。
ショパンのバラード4曲はドラマティックで緊迫感に富む作品だが、今回のスタジオ録音に聴くキーシンの演奏は、必要以上に突き詰めたあるいは自分を追いこんでいるような深刻な印象がやや強い。その後「子守歌」での安らいだ表情にはホッとするが……。
昨年ロン・ティボー・コンクールで2位を獲得、一躍有名になった梯剛之のショパン・アルバム。まるで指の先からこぼれ出てくるような響きの透明感が素晴らしい。そしてそれを支えるタッチの安定感。ショパンの音楽の最も美しい具現といえる一枚。★
制作・出演
イェジ・ジュラヴレフ / ショパン / ステファニア・ヴォイトヴィッツィ / ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ / バルバラ・ヘッセ=ブコウスカ / ヘンリク・シュトンプカ / ボレスワフ・ヴォイトヴィチ / マリア・ヴィウコミルスカ / ヤン・ニキニル / リディア・グリフトウーヴナ / ヴィトールド・ロヴィツキ発売元
日本コロムビア株式会社ショパン没後150年だそうで、ロシア系(ダン・タイ・ソンはモスクワ音楽院出)ピアニストと日本人とが、ショパンの有名どころのタイトル付作品を演奏している。(7)はもちろん“大田胃酸”である。やっぱりダン・タイ・ソンとディーナ・ヨッフェがいいな。