制作・出演 : ジェイムズ・レヴァイン
ガーシュウィン没後70年を迎えた2007年に発表のコンピレーション・アルバム。38歳でこの世を去った彼の遺したクラシックから、ジャズや映画、ミュージカルなど、ジャンルを問わず厳選した楽曲を収録している。
メトロポリタン歌劇場での「指環」も成し遂げ、新しいワーグナー指揮者としての地位を確固たるものにした時期のワーグナー名曲集。手兵メトロポリタン歌劇場管を駆使して、作品の魅力を雄弁に描き出している。
ハーセスをはじめシカゴ響の代表的奏者たちが持ち前の高度なテクニックを披露している。しかし主張が強過ぎたり、逆に平板に過ぎてしまう部分も散見。協奏曲でのマガドのヴィブラートもかなり気になる。カンタータではメトにデビューした当時のバトルの声が初々しい。
シカゴ響と成した70年代の代表的なアルバム。やはり覇気と熱気が違う。たとえば第1番など43分を切る快速だが、短い印象はない。落差の大きいテンポ設定のメリハリのつけ方が劇的で心が揺さぶられる。終楽章の高揚感は圧巻。しかも廉価で買い得盤である。
協奏曲の後にリートなんて、いくら同じブラームスの作品だとはいえ、妙な組み合わせのCDだなと思っていたら、指揮とリートのピアノ伴奏をレヴァインがしているんですね。いやそれにしても、ピアノのアックスともども、何とも明るいブラームスだこと。
77年にラヴィニア音楽祭の音楽監督に就任したレヴァインが、そのメイン・オケであるCSOと密接な関係を築いていた時期の録音。過度のロマンティシズムを排したスタイリッシュで直線的な演奏。ボヘミアの民族情緒からは遠いが、洗練された現代的なドヴォルザーク。
制作・出演
アドルフ・ハーセス / ウィリアム・エリオット / クラーク・ブロディ / サミュエル・マガド / シカゴ交響楽団 / ジェイムズ・レヴァイン / ジェイ・フリードマン / チャイコフスキーストラヴィンスキーが予想通りの名演。活きいきとしたリズムと全体の流れが、素晴らしい。全曲版をあらためて録音してほしい。チャイコフスキーも素晴らしい。哀愁とか感傷とは無縁の、爽やかで気持ちのよいチャイコフスキー。シカゴ響がべらぼうに上手い。★
協奏曲以外は日本初発売、世界初CD化。録音当時、ハレルとレヴァインは30代になったばかりだが、二人とも落ち着き払っていて、すでに貫禄すら感じさせる。どんな難所もサラリと弾いてのけるハレルだが、その根底を成すさり気ないリリシズムにも注目。
70年代はジョプリンの再評価の時代で、その渦中で行なわれたこの録音はレヴァインの唯一のピアノ・ソロ・アルバムとなっている。うまいピアノでは決してないけれど、ジョプリンの作品に込められたユーモアや喜怒哀楽がそこはかとなく匂う、味わいのある演奏が嬉しい。