制作・出演 : ジャン=マルク・ルイサダ
最高の音で楽しむために!
2007年にスタートした日本録音のショパン第3弾。ルバートの幅がきわめて大きく、間が深い。失速寸前のテンポで克明に歌われるテーマ、じっくりと鳴らされる副次的な素材の合間に、耳慣れない声部の綾が思いがけず立ち上がる。意外性に満ちた個性豊かな演奏だ。
この先何が起こるかを知った上で綿密に語り口を組み立てる周到情動のカタチを避け、音の動きやテクスチュアの変化を刻々聴き取り、即時的にカラダを反応させて音楽に同化していく、さりげなくも耳からウロコのマズルカ。簡素な曲での即興的な遊びも清新だ。
SONY CLASSICALとRCAの、アメリカ2大クラシック・レーベルの名立たるピアニストによる、贅沢で豪華なショパン・ベスト盤。ピアノ・ソロ曲だけでなく、協奏曲や室内楽も収録している。
「ノクターン」をはじめとする、ショパンの有名なピアノ・ソロの曲を集めたアルバム。マーシュ・ヴァーシャーリら演奏家も一流で、定評のある録音作品が選ばれた、入門者には最適の一枚。SHM-CD仕様。
軽井沢の大賀ホールで録音されたショパン・プログラム。誰もが知っているノクターンの旋律が、じつに彩り豊かなニュアンスで奏でられ、ロマンティックな語り口はいかにもフランスらしいピアニズム。これからショパンを聴きたい……という人にもオススメだ。
92年以降のルイサダのキャリアを集大成した、自身初のベスト・アルバム。彼自身による選曲で、日本未発表録音を5曲含むうえ、ドイツ・グラモフォン音源のグラナドスの曲も収録されている。
85年ショパン・コンクール入賞という紹介はもはや不要なほど、その地位を確固たるものにしたルイサダ。ショパン没後150年にあたり、ショパン弾きとしての実力をアルバムにまとめている。
ユニバーサル・ミュージックのドイツ・グラモフォン、デッカ、フィリップスが擁する7人の演奏家によるショパンの作品集。有名曲ばかりを集めたもので、名人たちが繰り広げる各人各様のショパンが楽しめる。
アーティキュレーションや間の取り方、表情が変わる瞬間のわずかなテンポの揺らしなど、細部にこまやかな仕掛けを施し、実際にかかっている以上にじっくりとした時間で耳を満たすユニークなベートーヴェン。透けて見えるようでマッシヴなオケの響きも面白い。
ゆったりとしたテンポによるユニークな演奏。通常なら、さして強調されない内声部や低音、装飾的なフレーズが活き活きとした表情で迫ってくるのが聴きどころだ。ただし、全般的に、変化球に頼りすぎで、今ひとつ吹っ切れた魅力に欠ける点が惜しまれる。