制作・出演 : スタニスラフ・ブーニン
ブーニンが優勝した85年の第11回ショパン・コンクールのライヴである。緊張感から僅かな指のほころびはあるものの堂々たる構えの演奏はとても19歳の青年とは思えない。なかでも闊達な英雄ポロネーズと協奏曲第2楽章の耽美な陶酔は抜きん出て印象深い。
ショパン・コンクールに優勝しておよそ10年後、ブーニンが改めてショパンを取り上げ始めた時の録音。スケルツォとノクターンを交互に並べた収録曲順も話題に。作品とじっくり向き合った、成熟したブーニンを聴くことができる。
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ユニバーサルミュージック恋してしまいそうなほど魅力的だという2楽章の、ピアノの響きに感性を澄まし、音の中をゆらとたゆたうごとき音の姿がオケともども全編横溢。装飾音のひとつひとつに耳を配り、時にフイと消え入って融ける。速い部分でも決して一気呵成に走らない。独自の境地だ。
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ユニバーサルミュージックこの人のユニークな音楽性が基本的に変わっていないことを、興味深く聴いた。何を弾いてもロマン派の匂いがし、ブーニン・イズムともいうべき独特の“言い回し”が出てくる。そういう意味でこのベートーヴェンも新鮮。透明なOEKのアンサンブルとのコントラストも面白い。
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ユニバーサルミュージック2曲とも、ブーニン2度目の録音で、いずれも日本でのライヴからのもの。ショパン・コンクールで優勝した時と同じオーケストラとの共演ということも話題となった。ファンタジックで緻密にコントロールされた名演が楽しめる。
“聴いて心地よいクラシック音楽は体にも良い”というコンセプトのもと、鍼灸師の竹村文近が監修したクラシック・コンピレーション。副作用なしの、安心のクラシック音楽を一服してみよう。
エチュード集として発表当時話題となったアルバム。ブーニンらしい個性的な表情もみせるが、総じてオーソドックスにショパンの詩情を紡ぎ出している。ブーニンの成熟を裏付けた一枚だ。
ショパンの作品の中では劇的な要素の強い「バラード」と、詩的な美しさに満ちた「即興曲」という対照的な作品を交互に配したコンセプチュアルな一枚。ブーニンは、それぞれの作品の特性を十全に引き出している。
一大ブームを巻き起こしていたころの録音。屈託なく伸びやかにバッハと向き合った、ブーニンの特性がよく出た演奏だ。きわめてピアニスティックに、モダン・ピアノの特性を十分に活かした清々しいバッハが味わえる。
前作のバッハ録音から約3年後に録音された、続編にあたるアルバム。ロマンティックなムードはそのままに、表現はより進化した。一皮むけた、新たなブーニンが顔をのぞかせている。
有名曲は少ないが、ブーニンの個性がよく出た、ちょっと凝った選曲のモーツァルト・アルバム。ブーニンの特徴のひとつであるクリスタルのように硬質なタッチが、モーツァルトを絶妙に光り輝かせている。
ブーニン初のモーツァルト・アルバム。繊細すぎると思われるほど弱音を多用し、可能な限りニュアンスを変えていく。サラリとした方がいいと思う場面もあるが、彼が正直に自分の気持ちを表わしているので、悪い気は起きない。むろん嫌う人もあろうが。