制作・出演 : トム・ウェイツ
2枚同時発売の新作のうちの1枚。トムが手がけたミュージカル『アリス』(ロバート・ウィルソン監督)の曲の自演集で、あまりヘタな小細工をせずにヴォーカルをしっかり聴かせる作りだ。それにしてもこの枯れたしゃがれ声。ますます深みを増している。★
破れ鐘を壊し続けているようなこの歌声は、ミッチェル・フルーム&チャド・ブレイクが登場するはるか以前から、十分にオルタナティヴではあった。合衆国南部の奇怪な風土を背景に置くなど、同時代的なつかみもばっちり。つくりものの魅力があふれる。
ジェリー・イエスターのプロデュースによる73年のデビュー盤。イーグルスでもおなじみの名曲(1)をはじめ、やや過剰に感傷的な歌をオーヴァーアクト気味に演じる若きウェイツの処女作。いま聴くと、老成した演技の中に潜む若者らしい甘さがチャーミングだ。
シャガれたヴォーカル。どこかつき離したポーズを見せるもユーマニックな味わいの歌を聴かせるトム。本作はそんな彼が77年に発表した作品。(3)では、ベット・ミドラーとデュエット、大人の恋を演じるなど、はにかみながらもさまざまな愛が展開していく。
最近では、俳優として映画界でも癖の強い個性を発揮しているトム・ウェイツが、78年に発表した作品のCD化。ミュージカル『ウエスト・サイド物語』からのバラードで始まり、例によって、潰したような歌声で、独特のセンチメンタリズムを放っていく。
ジェリー・イエスターのプロデュースによる73年のデビュー盤。イーグルスでもおなじみの名曲(1)をはじめ、やや過剰に感傷的な歌をオーヴァーアクト気味に演じる若きウェイツの処女作。いま聴くと、老成した演技の中に潜む若者らしい甘さがチャーミングだ。
80年発表の7作目のアルバムで、いつものしゃがれた歌声がリラックスした雰囲気をかもし出していた。ハモンド・オルガンとエレクトリック・ギターを軸にしたシンプルなバンド・サウンドとライヴ感覚のアルバム構成とがその感を一段と強くしている。