音楽むすび | 制作・出演 : トリプティコン・ウィズ・ザ・メトロポール・オルケスト

制作・出演 : トリプティコン・ウィズ・ザ・メトロポール・オルケスト

レクイエムレクイエム

リアル・オーケストラを伴ったロードバーン・フェスティヴァルでのステージを収録したライヴ盤。 エクストリーム・ アヴァンギャルド・メタルのパイオニア、トム・G・ウォリアーが30年を費やし完成させたレクイエム3部作が、ついに日の目を見る! 【日本語解説書封入】 百花繚乱の様相を呈している21世紀のエクストリーム・メタル・シーン。 当然、さまざまな先人たちの偉業の上に、それは成り立っているわけだが、スイスのセルティック・フロスト、あるいはその前身であるヘルハマーほど、その影響が多岐に渡るバンドも珍しいだろう。 異常なまでにシンプルなギターリフ、そして女性ヴォーカルやクラシカル楽器等の導入。 言い換えれば、極端なプリミティヴさとプログレッシヴさの融合という独特すぎるその世界観は、デス・メタル、ブラック・メタルはもちろん、ハードコアやグラインドコアなど、パンク界にも大きな影響を与えた。 それだけではない。 ストリングス、フレンチホルン、ティンパニ、オペラティック・ヴォーカルからリズムマシンまでをも取り込んだ、史上初のエクストリーム・アヴァンギャルド・メタル・アルバムである『イントゥ・ザ・パンデモニウム』(87年)は、ゴシック・メタルの元祖とも言える作品。 この歴史的名盤は、パラダイス・ロストを経由し、オランダのザ・ギャザリングにインスピレーションを与えた。 つまり、現在ヨーロッパで大きな人気を誇っているエピカ、ウィズイン・テンプテーションといったゴシック・メタルですら、ルーツを辿っていけばこのセルティック・フロストに行き着くのである。 確かにヘルハマーやセルティック・フロストは、商業的な成功には恵まれなかったかもしれない。 だが、その影響力はどんなビッグ・バンドたちにも負けないものなのだ。 08年にセルティック・フロストを脱退したトムが始めたのが、このトリプティコンである。 これまでに『EparisteraDaimones』(10年)、『MelanaChasmata』(14年)という2枚のアルバムをリリースしているトリプティコンであるが、この度リリースになるのは、フル・オーケストラをフィーチャしたこのライヴ作品である。 『レクイエム(ライヴ・アット・ロードバーン2019)』と銘打たれた本作は、セルティック・フロスト?トリプティコンのアヴァンギャルド的側面の総決算となる内容。 というのも、ここに収録されているのは、2019年4月12日、オランダのロードバーン・フェスティヴァルでプレイされた壮大すぎるレクイエム3部作。 実はトム・G・ウォリアーは、86年の時点ですでに、このレクイエムの構想を持っていた。 実際、前述の『イントゥ・ザ・パンデモニウム』には、その第1部にあたる「レックス・イレ」が収録されている。 それから20年後にリリースされた『モノセイスト』のクロージング・ナンバー、「ウィンター」には、「レクイエム・チャプター3:フィナーレ」という副題がついていた。 そしてこの度、ついに残された第2部が初お披露目となり、30年以上に及ぶトムの壮大なプランは完成を見たのだ。 それもリアル・オーケストラを起用するという完璧な形で!「レックス・イレ」にしても、「ウィンター」にしても、ライヴでプレイされるのはもちろん初めて。 初披露となった第2部の「グレイヴ・エターナル」は30分を超える超大作。 エクストリーム・メタルに何でもアリをもたらしたパイオニア自身が、30年の時をかけ、アヴァンギャルド・メタルの頂点を極めた。 大げさでなく、その仕上がりは鳥肌モノ。 ただひたすら重く、暗く、そして美しい。 DVDにも、この日のステージ模様をフル収録。 エクストリーム・メタルの歴史的イベントを視覚的にも追体験できる。

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