制作・出演 : パガニーニ
最高の音で楽しむために!
89年日本国際、91年クーレンカンプ・コンクールで優勝、95年以降はベルリン室内管の芸術監督も務めるショルツの通算5枚目のリサイタル盤。派手さはないが聡明に熟成を深めてきた彼女らしい演奏で、端整な表情と気品のあるカンタービレに魅了される。
五嶋みどり15歳の時の録音。とりわけパガニーニが素晴らしく、表情の付け方や間合い、ボーイング、指使い、いずれもすでに高度なテクニックを身に付けていることが分かる。彼女の本領発揮といったアルバムだ。
ツェートマイアーの15年ぶりの再録音。超絶技巧の羅列に終わらせることなく、リピートする際には装飾音を付け加えるなど、彼ならではのこだわりと見識を全編に感じさせるシャープな快演である。デュナーミクや音色も変幻自在で、思いも寄らぬ表情を引き出してみせる瞬間も。強烈な個性が際立つカプリースだ。★
自分の思いの丈を不用意にブチまけて、せっかくの曲の持ち味を壊してしまう演奏によく出会う。だが神尾は賢明にもその愚を犯さない。己を無にすることによって、曲が本来備えているものをより自然で豊かに示す。彼女の若さを考えれば、なかなかの知恵者。
佐藤俊介(84年生まれ)は、若手日本人ヴァイオリニストを代表する逸材。この「カプリース」では、ガット弦や18世紀後半モデルの弓を使用。テクニックを示すだけではない、非常によく考えられた演奏だ。フレッシュなパガニーニに仕上がっている。
ヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニストは必ずとりあげるパガニーニの難曲を、現代最高のヴァイオリニストのひとり、五嶋みどりがついに録音! と、当時大きな話題を提供したアルバムです。ヴァイオリン音楽のなかでももっとも演奏至難な作品と言われるソロ・ヴァイオリンのためのこの曲を、唖然とする技巧、泉のように湧き出る自然な音楽性で弾ききったみどりの演奏にはもはや完璧の二文字しか思い浮かばないほどです。