制作・出演 : フジファブリック
2004年に「桜の季節」でメジャー・デビューしてから2009年、志村正彦が急逝するまでの彼らの軌跡が存分に詰め込んだコンプリート・シングル・コレクション。アルバム未収録の生産限定シングル「蒼い鳥」を含むA面曲を完全収録。
収録曲: 夜明けのBEAT/ Bye Bye/ Hello/ 君は僕じゃないのに/ パンチドランカー/ 眠れぬ夜 他 全10曲収録 2010年7月発表の移籍第1弾アルバム。2009年12月に急逝した志村正彦が残した制作途中の楽曲を、メンバー3人とサポート・ドラムとして参加した羽田綴色(東京事変)が完成させた渾身の一枚。
約2年ぶりのサード・アルバム。アップ・テンポの曲が多いが、いわゆる米国のインディ・ロックに通じるモダンな音作りを和風で活かし、歌声も音に溶け込んで日本語がわからない人にも訴えかける魅力がある。と同時に言葉が耳に染みつくヴォーカルなのも、さすがだ。
ヴォーカル・志村正彦の正統派メロディ・メイカーとしての才能を全開させた、叙情性あふれる表題曲がとにかくいい。まるで夕暮れ時の寂しさをそのままパッケージしたかのような、志村独特のロマンティシズムが爆発している名曲だ。★
チャカポコ・ギターとチョッパー・ベースをふんだんに取り入れたファンキーなダンス・チューン。ちょっとノー天気っぽいヴォーカルと妙に明るいノリだけど、どこか“同じアホなら踊らにゃソンソン”といった開き直り感が漂っているようで面白い。
2007年6月発表のシングルは、東京スカパラダイス・オーケストラのメンバーをゲストに迎えた初のコラボレート作。ハイテンションで突き進む叙情的ビートがたまらない、新手のサーフ・ミュージックだ。
各方面から絶賛の評価を受ける新鋭5人衆が、満を持して放つセカンド・アルバム。飄々とした志村節に乗って、変幻自在にくねるビートはより一層磨きがかかり、クリアさを増したサウンドと絶妙に溶け合っている。また一歩、新たな段階に踏み込んだ自信作。★
せつなさを引き立て合う深いサウンドと言葉でじっくり聴かせてくれるスローの(1)は、TX系『JAPAN COUNTDOWN』2005年9月度オープニング・テーマ。さらに独自の世界観を両極で映し出したような(2)と(3)を含め、そのアクの強さにまたしても圧倒される。
フジファブリックの鳴らすメロディは、即効性は薄いがじわりじわりと効いてきてしまいに虜にされてしまうものが多い。しかし、表題曲のキラー・チューンぶりはどうだ。タッタッタッ タラッタラッタッタッのフレーズは強力に僕の頭の中を駆けめぐる。困った。★
なんとも不思議な佇まいを持ったバンドのファースト・アルバム。詞の世界観やヴォーカル・スタイルはたとえば斉藤和義を彷彿とさせるし、サウンドの雑多性や妙にドラマティックなところはたとえばユニコーンを連想させる。それでいてオリジナリティ抜群だ。
2000年4月に結成されたバンド、フジファブリックのシングルの第1弾“春盤”に続く、第2弾“夏盤”がこの「陽炎」。勢いと轟音まかせのロック・サウンドではなく、ピアノをフィーチャーした、趣向を凝らされたサウンド・プロダクションが心地よく響く楽曲だ。