音楽むすび | 制作・出演 : フランツ・ワックスマン

いつの間にか“中堅”と呼んでも良い域に達した渡辺玲子の3年ぶりの新録音。「カルメン幻想曲」に代表される技巧的小品の痛快さもさることながら、シマノフスキの作品における繊細多様にして鋭敏な響きへの反応が見事。ピアノの江口も好サポート。

2007年のチャイコフスキー・コンクールで優勝を果たした神尾真由子のデビュー・アルバム。テクニックを駆使した曲から、豊かな抒情性や表現力を聴かせる曲まで、その実力が存分に発揮されている。

同世代の神尾真由子がチャイコフスキーで優勝して、周囲はますますライバル視するようになった。そんなところでベスト・アルバムのリリースはまさにグッド・タイミング。天才少女から大人へと向かう彼女の足跡をたどることは、彼女のこれからを占うこと。期待は膨らむ。

映画と切り離して演奏だけで聴いても、テクスチュアからオーケストレーションまで見事な造りであるのにあらためて驚かされる。本盤にはミュージカルやラブ・ストーリーものの計16曲を収録。サントラ未使用の『南太平洋』や『王様と私』もあり飽くことがない。