制作・出演 : ブルックナー
ナガノによるブルックナー第4弾で、手兵・バイエルン国立管との初録音。耳慣れた版(第2稿)とは大きく異なり、ラディカルさの際立つ第1稿を使用するが、ナガノは作曲家の斬新な発想を尊重しつつも、最大限に洗練させて、クリアでスケール豊かな秀演を披露する。★
発売元
日本コロムビア株式会社ともに国内盤としては97年以来の待望の再発売。早めのテンポで一気呵成に音楽が進み、録音当時65歳の巨匠の覇気が新鮮で、オケの音色も個性的。ブルックナーでは切迫感のある加速が印象深く、マーラーでは全盛期の独唱者の歌唱(かなりオンマイクだが)も聴きものだ。
発売元
日本コロムビア株式会社ファン垂涎のアルバムの復刻である。ホーレンシュタインのブルックナーはロマン性がすこぶる高く劇的な情熱にあふれ、音楽に内在する根源的な美しさや生命力を掘り起こすように思われる。しかもノヴァーク版による世界初録音。演奏も筆力の強い名演。★
この曲の第3楽章の響きにこれほど多様な表情が潜んでいたのかと認識が洗われる。殊更な仕掛を弄しているわけではない。敬虔崇高な構えを作らず、沈着に耳を働かせて響きの色や質感の違いを引き出すことで、遥かな想いが巡りゆく未見の音の姿が浮かび上がる。★
LP3枚組のセットで発売され、1971年のレコード・アカデミー賞を受賞した作品のCD版。ブルックナーの歌謡性と叙情性を徹底的に磨き上げ、さらに大衆性を抽出している。カラヤン美学のひとつの典型がここにある。
来日時にブルックナーの交響曲第5番を取り上げ、注目を集めたマタチッチが、再び取り上げたブルックナー。来日直前にプラハの春事件が起きたためか、マタチッチの指揮にも気迫がこもり、緊張感みなぎっている。
2008年2月のライヴ録音。さすがにブルックナー演奏では定評あるオケだ。音響面でも旋律の歌いまわしでも自然に沸き起こってくるように違和感がない。2002年以来交響曲全曲録音に取り組んでいるデイヴィスとの蜜月時代もいよいよ佳境に入ってきた感がある。
朝比奈隆唯一のブルックナー、ミサ曲を収録したアルバム。83年にデジタル録音された音源にリマスタリングを施している。発売当初から絶賛された演奏で、朝比奈及びブルックナー・ファンは必聴だ。
たとえば、第3楽章がこれほど軽やかな演奏は珍しいかも。前半の二つの楽章ではあまりにも繊細と思われる箇所もあるが、その反対にかつて体験したこともないすがすがしさもある。決定盤とは言えないが、曲に新しい光をあてた演奏として注目。