制作・出演 : ブルーノ・ワルター
マーラー:交響曲第5番マーラー:交響曲第5番
オケの機能ばかりを前面に押し出したマーラーに飽きたら、この1枚を勧めたい。録音は決して良いとは言えないが、ワルターならではの味のある表現がきっと何かを伝えてくれるはず。また、今のところワルターの第5はこのCDが唯一の録音となっている。
モーツァルト:交響曲第36番「リンツ」モーツァルト:交響曲第36番「リンツ」
モノラルLP時代のワルターの輝かしい記録である。特に「プラハの春」は(理由はわからないが)初出とのことで貴重。両曲とも生命感に満ち、ワルターが史上屈指のモーツァルト指揮者であったことをあらためて認識させられる。音質も想像以上に良い。
ワルター不滅の記念碑 モーツァルト:交響曲第39・40・41番「ジュピター」ワルター不滅の記念碑 モーツァルト:交響曲第39・40・41番「ジュピター」
ワルターの50年代半ばのNYPとのモーツァルト三大交響曲。第39番の生気に満ちたスケールの大きさ、第40番のロマンティックなニュアンス、第41番の堂々たる表現など、ワルターの非常に充実した演奏がきける。NYPの積極的な演奏も特筆される。
ブルックナー:テ・デウムブルックナー:テ・デウム
ワルター76歳の「テ・デウム」と79歳の「レクイエム」。心臓病を患った後のコロンビア響との一連の録音よりドラマティックな感情の表出が烈しく、彼が本来歌劇場育ちだったことを思い起こさせる。新方式のリマスターによって音の分離が向上している。
ベートーヴェン:交響曲第2番・第6番「田園」?ワルター不滅の記念碑ベートーヴェン:交響曲第2番・第6番「田園」?ワルター不滅の記念碑
50年代末の録音なのにこのクリアさは何! 「ワルターもの」復刻版が人気を集める中これは演奏の完成度の高さとともに復刻の技術を評価していいのでは。ライナーの前半を占める若林駿介氏(録音ミキサー)の「芸談」的解説がとても興味深い。