制作・出演 : ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
カラヤンにとって4度目となったベートーヴェン交響曲全集からの1枚。円熟期、あるいは爛熟期のベルリン・フィルとの1枚とも言うべき録音で、カラヤンによる美の極致が味わえる。
冥王星が太陽系の惑星からはずされ、ホルストの時代と同じ8個となって、あらためてこの作品が注目されるようになった。カラヤンの2度目の録音で、雄大でダイナミック、他の追随を許さない壮麗さが味わえる。
制作・出演
アグネス・バルツァ / ウィーン楽友協会合唱団 / カラヤン / ジャネット・ペリー / ジョゼ・ヴァン・ダム / ヘルベルト・フォン・カラヤン / ベルリン・フィル / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 / ベートーヴェン / ヴィンソン・コールカラヤンの4度目で最後となったベートーヴェン交響曲全集からの1枚。細部に至るまで徹底的に磨き上げられており、その独特の流麗さと緊張感は孤高の域に達している。晩年のカラヤンのひとつの到達点が味わえる作品だ。
室内楽的な緻密さと、小編成とはいえたっぷりとした響きを創りあげているところがカラヤン流。流れるようなメロディ・ラインと正確なリズム。ベルリン・フィルの技術の粋が結晶したような美しいモーツァルトが堪能できる。
ポリーニ2度目の全集からの1枚。指揮者の年齢が若返り、ポリーニも円熟味を深め、両者による一分の隙もないような演奏が出来上がっている。ライヴとは思えない完成度の高さで、全体の流れも細部の彫琢も文句なしだ。
「悲愴」は、カラヤンの7度目で最後となった録音。ウィーン・フィルとは2度目の録音となり、この曲にまとわり付く文学臭と民族臭を一掃している。ウィーン・フィルを上手に統率し、シンフォニックな美しさを極めた一枚だ。
ラヴェルによるオーケストラ編曲版と、オリジナルのピアノ版とを聴き比べられるアルバム。アバドがBPOを駆使して目くるめく世界を描き出し、ウゴルスキのピアノもまたダイナミックで雄弁な演奏を繰り広げている。
すでにカラヤンとベルリン・フィルとの関係がギクシャクしていた時期の録音だが、さすがはプロフェッショナル同士、完璧な演奏を成し遂げている。カラヤンの語り口の上手さ、物語の構築の見事さに圧倒される。
17歳のキーシンが晩年のカラヤンと共演したチャイコフスキーと、新しくBPOのシェフになったアバドとのプロコフィエフという興味深い組み合わせ。2人の名伯楽のもと、キーシンが伸び伸びと実力を発揮している。
制作・出演
カリタ・マッティラ / クラウディオ・アバド / クリスティーネ・シェーファー / サラ・ミンガルド / スウェーデン放送合唱団 / ブリン・ターフェル / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 / ミヒャエル・シャーデ / モーツァルトカラヤン没後10周年の記念演奏会でのライヴ録音。感傷的にならず、過度なロマンティシズムを排除した、アバドらしい明晰な演奏。それでも十分にドラマティックに仕上がっているのだからさすがだ。
北欧の2大作曲家の代表的な管弦楽曲を集めた、入門編にも最適なアルバム。カラヤンの晩年の録音で、ベルリン・フィルとの濃密で彫りの深い演奏は、聴く者を惹きつけてやまない。
制作・出演
カレーラス / カーティア・リッチャレッリ / クラウディオ・アバド / クリスティーネ・シェーファー / ドミトリー・ホロストフスキー / ドミンゴ / パヴァロッティ / フレーニ / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 / ヴェルディ色彩感にあふれたオルガンをフィーチャーしたサン=サーンスのもっとも有名な交響曲と、情景が目に浮かぶような「魔法使いの弟子」を収録。レヴァインがベルリン・フィルを駆使して、豊かなスケール感を作り出している。
制作・出演
アンネ・ソフィー・フォン・オッター / ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 / エディット・マティス / カラヤン / キリ・テ・カナワ / ジェイムズ・レヴァイン / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 / モーツァルト / レヴァインモーツァルトの4大オペラからの抜粋を、カラヤンとレヴァインという2大巨匠の名録音から抜粋した贅沢な一枚。歌手陣も充実した豪華版で、初めて聴く人にはこの上ない手引きとなること請け合いだ。
ドビュッシーの名を世に知らしめた「牧神の午後への前奏曲」をはじめ、アバドがベルリン・フィルを振ったドビュッシー集。BPOから透明で淡い色彩感を引き出し、ドビュッシーの魅力をたっぷりと聴かせてくれる。
皆さんには悪いけどハッキリ言おう。ハイドンの交響曲は、このへんまでが抜群に面白いのだ。もしラトルが引き続きハイドンを録音するなら、これ以降ではなく、これ以前のものをやってほしい。その面白さを見抜き、才気たっぷりに表現したラトルに拍手。