音楽むすび | 制作・出演 : ベルリン国立歌劇場合唱団

13年をかけた全集の完結編。感情に溺れずスコアを明晰に提示するという態度（ドライとは違う）はいかにもブーレーズらしく、これだけの超大作にもかかわらず、次々と現れる作曲家のアイディアを彫琢して余すところがない。ハーモニウムなどの特殊楽器の扱いも丁寧。★

最高の音で楽しむために！

気楽にクラシックの教養を身に付けることができるよう編集されたクラシック・コンピレーション・アルバムの“近現代”編。余裕のある人はもちろん、ない人はなおさらに、クラシックをじっくり聴いて心身ともにリフレッシュしてみよう。

ゲーテの『ファウスト』を題材とした声楽付きの大作。バレンボイムの譜読みの精密さと的確さ、加えてベルリン・フィルの抜群の合奏力とドミンゴらの声楽陣によって、圧倒的で迫真の演奏が展開されている。

ブゾーニ没後75年を記念しての録音で、ブゾーニの4つあるオペラの第1作。比較的軽妙な作品だが、めったに上演されない貴重なもの。東西ドイツ統一後のベルリン国立歌劇場音楽監督に就任したバレンボイムの意欲作だ。

スウィトナーの非ユダヤ的マーラー。表情の付け方やテンポ設定などはオーソドックスだが、オーケストラの特長を活かしながら、マーラーがスコアに記した響きをきわめて美しく引き出している。

チェコ出身でドレスデン・フィルやベルリン響の首席指揮者を長く務め、ドイツものを得意としたヘルビッヒによるメンデルスゾーンを収録。本作では、オーソドックスながら鋭く味わいのある指揮で、メルヘンの世界を表現している。

スウィトナーの比較的珍しいイタリアとフランス・オペラの合唱曲集。彼のウィーン気質は、ラテン系のオペラにもマッチしている。ドイツ風のオーケストラや合唱団もかえって新鮮だ。

旧東ドイツ国営レーベルの意味を語ったライナーが、この録音の価値をも雄弁に語ってくれている。合唱曲では、スター・プレイヤーが不要なかわり、その説得力は自然さにあるのだ。力みもケレンもない落ち着いた合唱の良さは、有名曲(8)などで一番実感できそう。

待ちに待ったバレンボイムによる初のベートーヴェンの交響曲全集。近年ますます円熟味を増すバレンボイムがベルリン・シュターツカペレを得て、巨匠の芸を如何なく発揮した風格ある6枚組。