制作・出演 : ボリス・ベレゾフスキー
最高の音で楽しむために!
最高の音で楽しむために!
2010年に開業120年を迎える帝国ホテルのクラシック・コンピレーション。戦前から多くの一流音楽家が泊まり、晩年の藤原義江が暮らしていた同ホテルゆかりの演奏家による名曲集だ。
生誕200年&150年と、アニヴァーサリー尽くしの趣向でまとめられたベスト盤3題。ピアノの匠ショパン(1810〜1849)、交響曲にトドメをさした巨人マーラー(1860〜1911)に挟まれて窮屈そうな詩人肌シューマン(1810〜1856)だが、名歌手・名ピアニストに恵まれ、お買い得度ではトップの感。
NHKの大河ドラマ『龍馬伝』にあやかった企画もの。龍馬と同時代の作曲家の作品と、『米欧回覧実記』に登場する曲でまとめられている。あまりにストレートな選曲で、ひねりがないのは面白くないが、選ばれた演奏は優れたもので、難しいこと言わずに、ひとつの名曲集として楽しめばいい。
作曲者が試みた和声と対位法の構造を、徹底したバランス・コントロールとクリアなタッチによって明瞭に知覚させる。ペダル処理もほぼ完璧で一音一音が磨き抜かれている。第7間奏曲でのスケールの大きさも素晴らしい。作品26では作曲者の若き闊達さが魅力だ。★
この2曲をこれだけ柔らかく抑制して弾いた例は非常に珍しいのではないか。それも決して作り物めいたり小手先になったりせず、あくまでも上品で抒情的かつ音楽的なのだ。リスの伴奏もその手作りのようなローカルな雰囲気が何とも言えない。異色の名盤誕生。
ラフマニノフの作品はチャイコフスキーの死を、ショスタコーヴィチの作品は親友の死を悼んで書かれたもの。深い悲しみと激しい慟哭をマッシヴかつ濃密に表現し、真摯さが聴き手の胸に熱く迫る。バランス的にはマフチンがほかのニ人に若干迫力負けか。
ハチャトゥリアンの作品だけでプログラムを組み、世界初録音が7曲も入っている意欲的なアルバム。優れた技巧で躍動感あふれる作品世界を描き出している。ベレゾフスキーのピアノもいい。ウィンドウズPC用に「剣の舞」のプロモ・ビデオが収録されている。
90年のチャイコフスキー・コンクールで第1位を獲得したボリス・ベレゾフスキーが、リストの2つのピアノ協奏曲などで超絶技巧を披露する。1枚1050円の廉価での再発売。
かつての“神童”レーピンもすっかり大人。90年のチャイコフスキー・コンクール優勝者、ベレゾフスキーとの共演で、近現代のヴァイオリン作品をレパートリーに華麗な演奏を繰り広げている。