制作・出演 : マルタ・アルゲリッチ&フレンズ
ルガーノ・フェスティヴァル・ライヴ2006ルガーノ・フェスティヴァル・ライヴ2006
アルゲリッチは何歳になっても挑発的なアーティストだ。我儘おばさまの眼鏡に適った若手が集められて、時代の今が反映された緊張感いっぱいの音楽が百花繚乱するルガーノ・フェスティヴァルは、その真骨頂。2002年からシリーズ化されているライヴ盤は、イベントの記録にとどまらない優れた演奏の録音でもある。弾き手、聴き手、どちらの側にいても、一音も疎かにできない“疲れる”演奏のつらなりはまさにアルゲリッチ節のオンパレードでもあり、CDとなっても“ながら聴き”を許さないテンションの高さだ。
ルガーノ・フェスティヴァル・ライヴ 2002-2004ルガーノ・フェスティヴァル・ライヴ 2002-2004
アルゲリッチと気のおけない仲間たちのアンサンブルを収録した3枚組セットである。シューマンのピアノ五重奏曲のように、一発勝負のライヴ録音であるが故に、合奏の緻密さよりも勢いが表立った演奏もあれば、ショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲第2番のように、既発売の盤より引き締まった演奏も収録されており、彼女のファンにはこたえられないセットだろう。デラハントがピアノを担当したドヴォルザークのピアノ四重奏曲第2番が、音楽を無理なく息づかせ、ノスタルジックな色合いをも大切にした名演である。
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