制作・出演 : マル・ウォルドロン
ビリー・ホリデイの伴奏者として知られ、2002年に死去したマル・ウォルドロンの83年録音作品、再発盤。スタンダードを中心に収録。レジー・ワークマンのベース・プレイも冴えをみせる。
発売元
キングレコード株式会社《キング・ベーシック・ジャズ・コレクション》シリーズの1枚。『レフト・アローン』で広く知られるマル・ウォルドロンと、テレンス・ブランチャードらの共演が聴ける。『スイングジャーナル』ゴールド・ディスクを獲得。
96年、山中湖音楽の森ホールでの録音。雲間に見え隠れする富士山をテーマにした叙情的な自作曲が聴きどころ。初夏の富士山麓に静かに響くマルのピアノは、湧き水に集う小鳥たちのさざめきにも溶け込んでいくようで安らぎに満ちている。自然のなかで聴きたい一枚だ。
93年、原爆資料館で悲劇の実態を知り、詩「白い道」と出会ったマルが、唯一の手段である“音”で“平和への祈り”を表現した異色の傑作。人類が忘れてはいけないテーマに、マルが音で残したメッセージは重く、深く、そして聴く者の心を揺さぶる。★
岐阜のスタジオFでのライヴ録音盤。静かで深く激しく軽く、精神的な即興性を重視したドラムとのデュオが続く。意欲的なパフォーマンスに取り組んだマルは、この時70歳。雷鳴や風の中で生き生きと枝を震わせる木々を連想させる自然な旋律が新鮮で印象的である。
マルが98年、香取、中村という日本が誇る若手と組んで完成させた異色のクラシック集。ブラームス、ショパン、グリーグ、バルトークらの作品を取り上げてはいるが、ジャズ演奏の普段とまったく変わらぬ世界が展開されている。曲ごとに置かれた間奏曲も効果十分。
日本ツアーで好んで弾いた9曲に有名な自作曲(10)を加え、いずれも晩年のソロ演奏の未発表音源で構成された、故人を偲ぶに相応しい、しみじみと心にしみる作品。緩やかに和やかに情感豊かにこうしていつまでもいつまでも弾き続けてくれそうな気配すら漂わせている。
57年7月4〜6日に行われたライヴを完全収録した、この時代のジャズ・ヴォーカルのトップ4(あとはサラ・ヴォーン)のうちの三人の実態を確認できる貴重な作品。最晩年の小康状態のビリーの3曲と昇竜のカーメンの8曲すべてがLP未収録。円熟のエラもいる。
制作・出演
オスカー・ピーターソン / コールマン・ホーキンス / テディ・ウィルソン / バック・クレイトン / ビリー・ホリデイ / ベニー・グッドマン / マル・ウォルドロン / レスター・ヤングブランズウィックでの初期名唱から全盛期のコモドア/デッカ時代、晩年のヴァーヴでの枯れた歌声まで、20世紀を代表する不世出のディーヴァの全キャリアからセレクションしたベスト盤。