制作・出演 : ミシェル・ダルベルト
ショパンのスペシャリストとして有名だったマガロフの、ショパンの205曲を収録したピアノ・ソロ作品全集。今でも評価が高いマズルカやポロネーズの全曲をはじめ珍しい小品まで、価値の高い全集である。
彼が「機が熟した」と自覚して、今まで避けてきたフランス音楽の録音に、いよいよ乗り出した。こだわりの彼らしく、隅々まで完璧にコントロールされた音世界が広がっていく。雰囲気で流すドビュッシーが本流ではないことを立証してみせた演奏。まさに精緻の極みだ。
89〜95年にかけて録音し完成させたピアノ・ソナタや、めったに聴くことのできないピアノ作品を含んだ一枚。1人の演奏者による一貫した視線で、明確なシューベルト像が提示された画期的なセットだ。
発売元
日本コロムビア株式会社最高の音で楽しむために!
ダルベルトのモーツァルト変奏曲全集から楽曲を抜粋したアルバム。ニ短調の幻想曲とK.331のソナタを収録しているところがミソ。モーツァルトの曲想の豊かさ、才能の輝きも実感できる、興味深い作品だ。
「トリスタン〜」は編曲というよりも、曲想そのものがピアノにはちょっと無理があるような気がするが、そのほかは良いと思う。ダルベルトの力強く明快な打鍵と、しなやかなリズム感あふれるピアノは爽快。とくに前半のヴェルディが冴え冴えとしている。録音良。
最高の音で楽しむために!
ことさら声を張り上げてサティの革新性を説くのは青臭いが、今でも十分エキセントリックな音楽に聴こえるのは疑いない。若きルネ・クレールのダダ的映画に付けた(1)、珍妙なタイトルとミニマル音楽を先取りしたような作りの「家具の音楽」など、サティの真価はここにある。
制作・出演
アーサー・グリーン / イリーナ・メジューエワ / ウラジーミル・トロップ / シューベルト / ジョン・オコーナー / ミシェル・ダルベルト / ミシェル・ベロフ / 及川浩治 / 田部京子発売元
日本コロムビア株式会社ダルベルトは音の振舞いを過剰に走らせない。キレのよい腕前に滴るようなリリシズムを漂わせながらも、決して深刻になりすぎず情をためすぎず、デリカシーや情緒的振幅に対してセンシティヴなバランスを保っている。その細やかな距離感がなかなかに新鮮だ。