制作・出演 : ミッシャ・マイスキー
マイスキーの新録音は旋律の美しさが際立つラフマニノフ・アルバム。手に汗を握るソナタのライヴ演奏を中心に据え、歌曲やピアノ小品の編曲によるメロディで前後を挟んだ珠玉のCDである。愛器モンターニャを慈しむように奏でる名手の妙技が冴える逸品。
チェロのための小品、チェロの魅力を最大限に引き出すために編曲された作品、そして日本の歌を温かな音色でうたった作品の3つから構成されたチェロ小品集。マイスキーが情感たっぷりの演奏で酔わせてくれる。
ヴァイオリン協奏曲は、若きクレーメルがバーンスタインと先鋭的ながらも伝統的なブラームスを作り上げた録音。二重協奏曲も、バーンスタイン2人を上手く包み込み、白熱した演奏を聴かせている。
マイスキーの2度目の全曲録音からの1枚。前作に比べると、さらに鋭くバッハの音楽を見据えた演奏となっている。力で押すわけでも、テクニックで聴かせるわけでもないが、バッハとの親密な語らいが魅力的だ。
ユニバーサルの擁する名演奏家たちを一堂に揃えた、贅沢きわまりないコンピレーション・アルバム。クラシック音楽の礎を築いた、バロック音楽の名曲101曲を収録。ヒーリング・アルバムとしても楽しめる。
ショスタコーヴィチ独特のユーモアを持った作品で、しかもチェリストには、高度な技術を要する難曲だ。T・トーマスの明快な指揮の下、マイスキーの屈折した歌心が、独特の世界を作り出している。
心の襞に込められた想いが切々と歌われる。マイスキーの息遣いも漏れ聴こえ、感情の振幅が音色とデュナーミクの豊かな幅となって波のように寄せ来る。ギリロフのピアノも同等に繊細の極み。ロシア歌曲の旋律美を堪能できる(歌詞対訳を付けてほしくなるほどに)。★
トリプルはアルゲリッチ初の録音だ。この曲で彼女は3人の中で突出せず、見事なアンサンブルを披露。カプソンの柔らかな音色もいいが、マイスキーはいっそう練れた音で、特筆もの。伴奏も良い。シューマンの独奏はいつもの自在さに加え、味わいが増している点に注目。★