制作・出演 : ヨーヨー・マ
バッハ:無伴奏チェロ組曲第1・3・5番バッハ:無伴奏チェロ組曲第1・3・5番
全曲録音中の3曲。全く独自の強弱や呼吸をもった、すばらしく美しいバッハだ。特に3番はとびきりの名演といって良い。単に巧いというだけでなく(それにしても巧い!)音色が美しく、しかも奔放。かなり自由なフレージングだが強烈な説得力がある。
アパラチア・ワルツアパラチア・ワルツ
ヨーヨー・マは常に音楽の可能性を徹底的に追求する。その試みにジャンルは関係ない。マクファーリンとのセッションも強烈だったが、フィドル音楽の第一人者、オッコナー(vn)とメイヤー(vc)との競演から生まれたこのアルバムも超エキサイティング。
ショパン:チェロ・ソナタ 華麗なるポロネーズショパン:チェロ・ソナタ 華麗なるポロネーズ
マと共演するときのアックスは、どちらかといえばバランスを取る役回りになるのだが、ここではそうした持ち味が曲とぴったりと合って、すこぶる楽しい演奏になっている。ショパンの室内楽があまり魅力的でないと思っている人には驚きの1枚だ。
フォーレ:ピアノ四重奏曲第1番&第2番フォーレ:ピアノ四重奏曲第1番&第2番
おそらく主導権はスターンが握っているのだろう、他の3人がいつもとは少し違った傾向というか同じ理想というか、ともかくたいへん親密で抑制のきいたアンサンブルに仕上がっている。やや渋い印象があるが、味わいのは格別のものがある。
ラフマニノフ&プロコフィエフ:チェロ・ソナタラフマニノフ&プロコフィエフ:チェロ・ソナタ
マの朗々たる歌い口はやはりいい。(1)は社会主義リアリズムの嵐の中で作られたためか、終始調性をはっきり感じさせる。ハ長調という平明な調に爽やかな歌が盛り込まれている。(2)はどちらかというとpに比重が置かれた、なかなかロマンチックな曲である。