制作・出演 : ライアン・カイザー
コンセプションークール・アンド・ホットーコンセプションークール・アンド・ホットー
日本でお馴染み、ニューヨークに拠点を置く複数のオーケストラで活躍中のカイザーの、2006年の『ワン・フィンガー・スナップ』に続くアルバム。クインテット編成で、初期のマイルスやチェット・ベイカーにちなんだレパートリーに挑戦、終始安定感のある演奏を聴かせている。
ワン・フィンガー・スナップ〜インクレディブル・ライアンワン・フィンガー・スナップ〜インクレディブル・ライアン
カルテットによる演奏。巧みな小技も用いるいぶし銀のリズム隊をバックに小気味良くトランペットを奏でるライアン・カイザー。テンポの速い曲でもクールに燃える感じで、とてもスタイリッシュな演奏だ。バラード曲(5)での歌心あふれるプレイには円熟の味わいが。
ドナー・リードナー・リー
2003年のリー・モーガン・トリビュートに続くは、ファンキー・チューンを中心にした胸のすく快作。小賢しいことをやるより、こうして一気呵成にはじけるのがカイザーにはぴったりお似合いだ。表題曲はなんとドラムスとのデュオ。オルガンのテイストも当意即妙。
ザ・サイドワインダーザ・サイドワインダー
自作3曲以外はリー・モーガンがらみの曲を演奏しているワン・ホーン・カルテット作。バックは通常のピアノ・トリオではなく、オルガン奏者サム・ヤエルとギターのピーター・バーンスタイン&ドラマーという意表をついたトリオ。小気味のいい新感覚のハード・バップ。
イパネマの娘イパネマの娘
マンハッタン・ジャズ・クインテットやオーケストラを率い、作編曲に演奏に活躍してきたマシューズが、2001年で音楽生活40周年。そこで作られた2作品のうちのこちらは、スタンダードや映画音楽などで編成。意表を突く編曲を平易に聴かせる手腕が流石。
カイザーカイザー
90年にモンク・コンペで優勝し92年に初作品を発表。以来、随所で活躍しながら7年半も自作を出さなかったとは。まさに待望の第2作だが、気負いも衒いもない直球勝負の演奏で、自由な日常感を発散。クリフォード・ブラウン追悼の趣旨にも恥じない快作。
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