制作・出演 : ローランド・ペンティネン
レーガー:ヴァイオリン作品集 ヴァリーン、ペンティネン バッハやベートーヴェン、ブラームス、ワーグナーの影響を受けながらも独自の音楽世界を築き上げたドイツ後期ロマン派の作曲家、マックス・レーガー[1873-1916]は、カトリック教徒でありながらプロテスタンの女性と結婚し、カトリック教会から破門された人物でもありました。 数多くのオルガン曲や、オーケストラ作品で知られるレーガーですが、室内楽も大量に残しており、43年という短い生涯を考えると、その創作エネルギーには驚くほかありません。 伝統的な素材を多く用いながらも、レーガーならではの高度な手法を用いることにより、重厚で奥深い味わいを醸し出すレーガーの作品は、複雑な魅力を備えた世紀末音楽として近年評価が高まりつつあります。 今回のアルバムに収められたのは、ヴァイオリンとピアノのためのソナタ2曲と、ヴァイオリンとピアノのための小品2曲。 ソナタ第2番は18歳の時の作品で、ソナタ第3番は26歳のときに書かれています。どちらも若いときの作品にもかかわらず、すでにレーガー的な厚みのある響きと、甘美さを退けた諧謔的な表情が印象的な音楽に仕上がっているあたりがさすがレーガー。 組み合わせは小品2曲から構成されるOp.81。32歳のときに書かれたこの2つの曲には、「アルバムのページ」と「ロマンス」という名が付けられ、控えめな中にも美しい旋律を聴くことができます。 演奏は、シューマンやブラームス、ヒンデミット、シュニトケ、シェーンベルクなどでも高精度なアンサンブルを聴かせてきたウルフ・ヴァリーンのヴァイオリンと、ローランド・ペンティネンのピアノというスウェーデン・コンビによるものです。(HMV) 【ウルフ・ヴァリーン】 スウェーデン出身のヴァイオリニスト。ヴァリン、ワリンとも。近現代作品を得意とし、最近は指揮活動もおこなって、積極的に知られざる作品の紹介にもあたっています。近年のリリースでは、スウェーデンの作曲家アルゲーン[1920-90]による超巨大無伴奏ヴァイオリン・ソナタ(BIS)や、オネゲルのヴァイオリン・ソナタ集(STRADIVARIUS)、シェーンベルク:ヴァイオリンとピアノのための作品全集(BIS)、ヒンデミット:ヴァイオリン・ソナタ全集(BIS)、レーガー:ヴァイオリン作品集(CPO)、シュニトケ:ヴァイオリン・ソナタ集(BIS)、サン=サーンス:ヴァイオリンとピアノのための作品集(CPO)といったところが注目されています。 【収録情報】 レーガー: ・ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ長調 Op.3 ・ヴァイオリン・ソナタ第3番イ長調 Op.41 ・アルバムのページ Op.87-1 ・ロマンス Op.87-2 ウルフ・ヴァリーン(ヴァイオリン) ローランド・ペンティネン(ピアノ) 録音時期:2008年 録音方式:デジタル Powered by HMV
ペンティネン/ブゾーニ:モーツァルト、バッハ、ショパンへのオマージュ ブゾーニはイタリアの作曲家ですが、母方の祖父はドイツ人であり、彼自身もバッハとモーツァルトに深く傾倒していました。ピアニストとしても才能に恵まれた彼は、先人の作品を研究し、自分自身の創造性を高める目的で、これらを編曲。新たな表情を持たせたのです。 中でもよく知られているのが、J.S.バッハ作曲『無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ』のピアノ編曲でしょう。この曲は、ブラームスなど他の作曲家もピアノ独奏への編曲を試みていますが、やはり絢爛たる超絶技巧を駆使したブゾーニ版は一歩抜きんでた存在であり、ピアニストの憧れの1曲と言ってもよいだけの風格を備えています。その他のバッハ作品を始め、モーツァルトやショパンのトランスクリプションは、原曲の要素を残しながらも、全く新しいものとして捉えてみてください。 ピアニスト、ペンティネンは正統派のレパートリーを極めながらも、このような編曲物も得意とする「超絶技巧マニア」にとっては嬉しい存在です。ここでも、芯の通った素晴らしい演奏で聴き手を魅了します。(CPO) 【収録情報】 ・J.S.バッハ=ブゾーニ:シャコンヌ 二短調 BV B24 ・J.S.バッハ=ブゾーニ:オルガンのための前奏曲よりBV B27〜いざ来たれ、異教徒の救い主よBWV659 ・J.S.バッハ=ブゾーニ:オルガンのための前奏曲よりBV B27〜目覚めよと呼ぶ声ありBWV645 ・J.S.バッハ=ブゾーニ:オルガンのための前奏曲よりBV B27〜主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶBWV639 ・J.S.バッハ=ブゾーニ:オルガンのための前奏曲よりBV B27〜汝のうちに喜びありBWV615 ・J.S.バッハ=ブゾーニ:オルガンのための前奏曲よりBV B27〜われらが救い主、キリストよBWV665 ・モーツァルトによるジグ、ボレロと変奏曲BV254 ・3つのアルバムの綴りBV289 ・ショパンの前奏曲による10の変奏曲BV213a ・バッハによる幻想曲BV253 ・エスキースより『クリスマスの夜』BV251 ローランド・ペンティネン(ピアノ) 録音時期:2008年 録音方式:デジタル Powered by HMV
日本を代表するヴィオラ奏者、今井信子による音楽の花束『ヴィオラ・ブーケ』の第1弾。ヴァイオリンともチェロとも違う、人間の声に近い音域と音色をもつヴィオラならではの響きで聴く有名曲の数々は心が洗われる。
世界的なヴィオリスト今井信子による、ヴィオラによる名曲集『ヴィオラ・ブーケ』の第2弾。イギリスの近現代の作品と、バッハの「シャコンヌ」のソロ版と四重奏版を併録するなど、凝った選曲も楽しめる。