制作・出演 : 加古隆
1976年に録音された、パリ在住時代の総決算的なアルバム。セロニアス・モンク・タイプのナンバーから、ヨーロッパを席巻したTOKの流れを汲む即興演奏までと実に多彩な内容だ。
約5年に渡る海外での活動を経て、それを集大成させた帰国凱旋ライヴの模様を収録。それまでとは異なった次元での加古トリオのプレイが展開され、彼独自の日本的な音空間を堪能させてくれる。1977年東京録音。
1978年に録音された東京でのライヴと、ダイレクト・カッティングによるセッション・ライヴを収録。TOKを従え、ライヴならではのスリリングなサウンドを展開。それを100%昇華させた高い水準による演奏が楽しめる。
どんなに音楽自身が高潮しようとしても、情緒を濃くしようとしても、不思議なことに加古隆の音楽は、少し醒めた叙情性を失わない。どの曲もメロディを紡いでいくだけのかなり平明な作りながら、それも特有の透明感を醸し出すことに貢献している。
2007年3月の“オーボエ演奏終了”を目前に控えた、ラスト・レコーディング作。といっても作風に深刻さはなく、あくまで現代の自然体を貫いたソフトな構えだが、音のほうはさすがに清冽な境地を感じさせてやまない。自作曲(1)(10)では、思わず聴き手の呼吸も深まる。★
映画『博士の愛した数式』より「愛のテーマ」を含む10曲を収録。加古隆の代表作をいくつか選曲しているので、彼の音楽の入門盤としても格好。リリカルでシンプルな音楽が心に染みる。「レミニッセンス」と「虹が架かる日」は今回初リリース。
テレビ・リメイクの『白い巨塔』の音楽も手掛けた作曲家・ピアニスト加古隆のピアノ・ソロのみを選りすぐった傑作選。透徹した世界観で全体をまとめあげるその技量は見事。絵画であったり水であったり、テーマを心象風景として表現できている。
ベテラン二胡奏者のジャン・ジェンホワが、繊細なメロディで知られる加古隆の「絃歌幻想」からプッチーニやクライスラーなどのクラシック曲、TVドラマ『大地の子』のテーマ曲までを情感豊かな音色で演奏していく。癒しを超えた音楽の説得力を感じるはず。