音楽むすび | 制作・出演 : 反田恭平

制作・出演 : 反田恭平

月の光〜リサイタル・ピース第1集月の光〜リサイタル・ピース第1集

全国に熱狂を呼び起こす反田恭平の新企画ーーLIVEとCDの新たな融合のために 2015年、アルバム「リスト」で鮮烈なデビューを果たし、デビューリサイタル@サントリーホールにおいて満員の聴衆が熱狂。 その後、TBS「情熱大陸」への出演や、テレビ朝日「題名のない音楽会」への度重なる出演などで、知名度が急上昇中の若きピアニストの革命児、反田恭平。 イタリア・ミラノレコーディングを敢行した「ラフマニノフ」作品集のスマッシュヒットの記憶も新しいいま、はやくも新たなアルバムをリリースします。 反田といえば、昨年2016年8〜9月に行われた「浜離宮朝日ホール3夜連続コンサート」において、当日演奏した模様を収録し、 そのまま終演後にCDの形で販売する「即だしCD」プロジェクトを敢行し、来場者の熱い支持を集めたことが記憶に新しいですが、 その後継企画として今回行うのは「先出しCD」。7月8日のミューザ川崎シンフォニーホールを皮切りに、7〜9月に全国13か所で行われる 「反田恭平ピアノ・リサイタル2017 全国縦断ツアー」と完全連動し、そのツアーで演奏予定の演目の中からピックアップした曲目を、事前に収録して、 ツアー前にリリース、市販&ツアー中の物販にて販売展開します。3月後半〜4月前半に国内某所で収録。今回の演目(2種のプログラム)の中から、 ラヴェル&ドビュッシーのフランスものとショパンを中心に構成。ツアーの予習CDとしての機能を付与し、さらにツアー自体への期待感をあおる企画。 <収録内容> 01.4つの即興曲 作品90(シューベルト) I. アレグロ・モルト・モデラート II. アレグロ III.アンダンテ IV. アレグレット 02.亡き王女のためのパヴァーヌ(ラヴェル) 03.喜びの島(ドビュッシー) 04.月の光 〜《ベルガマスク組曲》より 第3曲(ドビュッシー) 05.献呈(シューマン/リスト編) 06.別れの曲 〜《12の練習曲 作品10》より 第3曲(ショパン) 反田恭平 (ピアノ、スタインウェイ) 録音:2017年4月3日〜5日、秩父ミューズパーク 音楽堂

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

芸術の世界では“若い”という言葉は“未熟”を連想させるためか、どちらかというとあまり歓迎されない。 しかし、このディスクの反田+バッティストーニのゴールデン・コンビには、“若い”は利点しか存在しないばりか、 若さを超越したものをも感じさせる。何か大きなものを“打ち立てた”と言っても良いだろう。 作品はいずれもラフマニノフだが、最初のピアノ協奏曲はイタリアでのセッション録音で、「狂詩曲」の方はライヴである。 内容が異なるので単純には比較出来ないが、セッションとライヴの違いがまことにくっきりと浮かび上がった、素晴らしい演奏である。  まず、ピアノ協奏曲第2番。反田は柔らかく、ていねいに歌い始める。少しずつ音量が上げられるのと同時に、 ピアノ全体の鳴りを確かめるように、しっかりと打鍵される。そこにバッティストーニのオーケストラがからんで来るのだが、 この音の何と芳醇なことか。過去のディスクでこの冒頭がこんなに壮麗に、瑞々しく響いた例はあるまい。その後のピアノ・ソロは 微妙にゆれる心を、あるいは不安と焦燥、美しいものへのあこがれ、そして燃えさかる情熱の炎を見事に描き分けている。 その反田のソロを、ある時は大きく包み込み、また別の時はそっと影のように忍び寄ったりするバッティストーニにも、満点を献上したい。   第2楽章も、ため息のように始まるのが、何とも絶妙だ。ゆったりと、非常に柔らかい伴奏に乗って、反田も万感の思いを込めたように、 繊細の限りを尽くしている。木管楽器のソロにも細心の注意が払われているし、チェロを始め、弦楽器のしっとりとした音色もまた最高である。 若きバッティストーニが、こんなに見事にオーケストラを統率しているとは全く驚きである。  第3楽章もピアノ・ソロ、伴奏ともに若々しさ、スケールの大きさ、豊かな色彩感が見事にバランスされている。全体的に言えることは、 ピアニスト、指揮者、オーケストラが一体となって練り上げるセッション録音の良さが最高度に発揮されたものだろう。録音も最優秀で、 近年録音されたこの曲の最上位にランクされるものだ。「パガニーニの主題による狂詩曲」はライヴ録音である。 この日、私は客席にいた。鋼のような強さと、野生動物的な俊敏さを備えた反田のソロは印象的だったが、オーケストラを含めた全体の出来栄えは ディスクの方が良いくらいだ。とにかく、ここではライヴの一発勝負の気迫に溢れ、鍵盤上を自在に駆け巡る反田が思う存分堪能出来る。 バッティストーニの指揮も熱っぽさ満開だが、しっかりと手綱をしめた、きりりと引き締まった表情はさすがである。協奏曲はRAI国立交響楽団で、 こちらは東京フィルハーモニーだが、東京フィルはRAIと比べて何の遜色もない。おそらくオーケストラ名を伏せれば、多くの人は同じ団体の セッションとライヴと思い込むだろう。反田とバッティストーニ、予測不能な若き怪物2人、当分の間、目が離せそうにない。 音楽評論家 平林直哉  反田恭平「ラフマニノフ」ライナーノーツより

リストリスト

待ち望まれていた、本格派若手男性ピアニスト、反田恭平のデビューCD。 高校在学中、第81回日本音コンにて第1位を獲得し、現在、モスクワ音楽院に学ぶ反田。 2015年3月2日、小林研一郎指揮のチャイコフスキーの協奏曲(サントリーH)では、圧巻の演奏で満員の聴衆の度肝を抜いた。 東京フィル定期への異例の大抜擢をはじめ、既に複数のオーケストラから出演オファーを受けている。 恐れを知らない大胆さと自在さを併せ持つ意欲に溢れた瑞々しい音楽性は、特筆に価する。前へ前へと果敢に攻めるかと思えば、 意のままに時間を操る柔軟な歌の表現は、20歳の演奏とはとても信じられない。例えるならば、19世紀後半から20世紀前半の 「巨匠の時代」 -- 芸術とエンタテインメントが高い次元で幸せに手を繋いでいた時代 -- を髣髴とさせ、21世紀に入って遂に登場した、 新時代のスターの資質を持つピアニストといえる。 彼の才能に惚れ込んだタカギクラヴィア(株)のサポートにより、 「ホロヴィッツが恋した楽器」として知られた銘器ニューヨーク・スタインウェイ(CD75)を使用する。千変万化の音色を表現できる一方で、 ピアニストに精巧なタッチ・コントロールを極限まで要求する、この「難しい」楽器を、反田は嬉々として弾きこなして自身の個性を 更に際立たせ、テクニックを超えた圧巻の領域の演奏へと達している。 <収録内容> 1. ラ・カンパネラ(パガニーニ大練習曲集 第3曲) S.254 R.90 2. 愛の夢(3つのノクターン第3曲 S.541/R211 3. スペイン狂詩曲 -スペインのフォリアとホタ・アラゴネーサ S.254/R.90 4. コンソレーション(慰め) 第3番 S.172/R.12 5. タランテラ 巡礼の年 第2年補遺 ヴェネツィアとナポリ から S.162/R.10 A197 6. 超絶技巧練習曲 S.139/R.2b から 第10番 Allegro Agitato Molto 7. 超絶技巧練習曲 S.139/R.2b から 第4番 マゼッパ 8. 水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ (伝説 第2曲)S.175/R.17 9. カルメン幻想曲

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