制作・出演 : 坂本龍一
坂本龍一が手がけた映画音楽のベスト・セレクション。たとえようもなく壮大で優雅な雰囲気に浸れて、午後の紅茶タイムのBGMにも最適です。個人的には、中年夫婦の愛のかたちを描いた「シェルタリング・スカイ」のひたひたと胸に迫るようなテーマが好き。
ベルトリッチ監督のアカデミー音楽賞受賞作。音楽を担当しているのは、坂本龍一、デヴィッド・バーン、スー・ソンの3人。ひと言で表現すれば、坂本はドラマティック、バーンはユーモラス、ソンはシリアス、といったところか。音楽だけでも十分に楽しめる。
78年10月発表の坂本龍一のソロ・アルバム。ちょうどYMOが始まった頃で、ゲスト・ミュージシャンがすごい。YMOの他のメンバー、ギタリストの渡辺香津美、ピアニストの高橋悠治らが参加したサウンド遊戯アルバム。
過去に発表された作品の中からセレクトした12曲。坂本龍一の、作曲家としての優れた才能を再確認できるアルバム。映画のために作られた、美しいメロディ・ラインを持つ、おなじみの楽曲も収められている。彼の内に在る“アジア”性も浮き彫りになり、面白い。
大島渚監督、デビッド・ボウイ、ビートたけし共演の『戦場のメリー・クリスマス』はカンヌ映画祭にも出品され惜しくもグランプリはのがしたものの大変な評判を呼んだ。殊にボウイと坂本龍一のラストのキス・シーンは話題になったものだ。1枚はオリジナル・サントラ、そしてもう1枚は全曲ピアノ・ヴァージョンとして新たに録音し新曲「JAPAN」「CODA」を追加収録。メイン・テーマ「メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス」は日本の伝統音楽と東南アジアの民族音楽を融合した感がする。
MIDIレコードを設立して、第1作目の坂本のソロ・アルバム。YMOを散開して初のアルバムだけに、本人のコメントでも「YMOを引きずっている部分がある」と言っていたが、その分だけわかりやすく(?)なっている。またYMOへの決別にもなっている。
当時世界中で最も注目されていたモリサ・フェンレイのダンス・パフォーマンス、『エスペラント』のために作曲された音楽を収録したアルバム。坂本龍一の創り出すサウンドからは民族やクラシックなどさまざまな音楽を融合したような深いものを感じる。
『エスペラント』に続く本作は、マリネッティの未来派にインスパイアーされて、未来派野郎。これからは、混合文化の中からしか新しいものは生まれ得ないとよく言われるが、そういった意味では、よく溶けあっている。で、このあとは“ダダ”なのかな?。
超大作『オネアミスの翼』のサントラは、サウンド・プロデュースを坂本龍一が担当。コンポーザー、アレンジャーには、元ゲルニカの上野耕路、おしゃれテレビの野見祐二、パール兄弟の窪田晴男が参加して『未来派野郎・SF編』といったするどい仕上りだ。
80年の『B-2ユニット』から91年の『ハートビート』まで、レーベルを越えたコンピレーションの第2弾。珍しい鈴木慶一作詞の(1)、A.リンゼイとの(2)、I.ポップとの(4)、T.ドルビーとの(9)などの共演物が光る。(11)ほかの映画用の作品の多彩さも楽しめる。
78〜88年までの10年間の数ある名品の中からたったの13曲を集めたベストだが、こうやって思い切って凝縮するとこの人の異能ぶりがよけいに印象的だ。グローバルであたりまえ。メロディ・メーカーとしての魅力もお忘れなく。