音楽むすび | 1993年5月25日発売

古くさい言葉かもしれないがシンガー・ソングライター、そんな言葉が思い浮かぶ。オーソドックスでさっぱりしたサウンド、ていねいに歌われるしっかりしたメロディーと言葉。重過ぎず、かといって軽くもなく、さりげなく自己を主張したポップ・ソング。

ドラム・ソロ3曲のほか、ロリンズの加わった演奏2曲、スティーヴ・レイシーとの共演1曲など、欧州でのライヴを各種取り混ぜた作品。60年代の録音と思われるが、正確なデータはなく、録音状態も良くない。あくまでもマニア向けのアルバム。

ウディー・ハーマンが死んだことで事実上、ビッグ・バンドの歴史にひとまず終止符が打たれたと言っていいだろう。ビッグ・バンド黄金時代の熱気を現代にそのまま伝えてくれた人だった。51年5月のハリウッド・パラディアムでの録音で、やや小粒な感じ。

シチューのCMソング、(6)の懐かしくひなびた歌声に涙した人も少なくないと聞く。なんと10年ぶりの新譜。(7)は打ち込みモノだ。しかし、このオッサンは時空を超えて、昔と変わらず。そして、この人は秀れた現代詩の発掘者でもある。(4)や(8)など良作多し。