制作・出演 : 大阪フィルハーモニー交響楽団
ブルックナー:交響曲第5番《朝比奈隆1500シリーズ》ブルックナー:交響曲第5番《朝比奈隆1500シリーズ》
“朝比奈のブルックナー”と言えば日本ではファンの間で定評のあるところ。とりわけ5番は名演と呼ばれるものが多く、94年に本拠地大阪フェスティバルホールでライヴ収録された手兵大フィルとの録音は4度目となり、キャニオンへの全集録音の一環を堂々成す。
大阪フィルPOPS大阪フィルPOPS
編曲、指揮、ピアノ演奏を宮川彬良を担当し、大阪フィルハーモニーが演奏する。クラシックの名曲の数々を編曲し演奏するのが、ポップス化か。だが十分聴き応えあり。それを“垣根”を取り去る作業というライナーノーツの大阪のノリで笑え、読み応えあり。
ベートーヴェン:交響曲第1、4番ベートーヴェン:交響曲第1、4番
この新盤は音質がずいぶんと生々しくなり、それは評価にも大きく影響する。この2曲はブルックナーの交響曲のような巨大な解釈で、特に第1の方は通常の演奏は大きく異なったものだ。朝比奈が長い時間をかけて到達した世界だけに、その味わいは格別だ。★
ベートーヴェン:交響曲第2、5番ベートーヴェン:交響曲第2、5番
85年のライヴ録音だが、12年前にして朝比奈は既にここまでスケールの大きな音楽を創っていたのだと改めて感服した。音楽は常に悠々と流れ、すべての音符は暖かく息づいている。今、「運命」の2楽章をこれほど豊かに響かせる指揮者は恐らく皆無だろう。
ベートーヴェン:交響曲第7番第8番ベートーヴェン:交響曲第7番第8番
最初に出たCDは、もっと柔らかい音だったと思うが、この新盤ではずいぶんと生々しくなった。第7は例によって繰り返しをすべて敢行し、巨大な構成の中に素朴な情熱が渦巻く演奏。技巧的な第8は朝比奈流の解釈と多少相性は悪いが、それでも平均以上だ。