制作・出演 : 大隈容子
日本を代表する世界的アーティストの名盤がごっそり集結! まさに究極! <収録内容> 1. 交響曲第40番 ト短調 K.550 第1楽章:Molto allegro 2. 交響曲第40番 ト短調 K.550 第2楽章:Andante 3. 交響曲第40番 ト短調 K.550 第3楽章:Menuetto:Allegretto 4. 交響曲第40番 ト短調 K.550 第4楽章:Allegro assai 5. 交響曲第41番 ハ長調 K.551 ≪ジュピター≫ 第1楽章:Allegro vivace 6. 交響曲第41番 ハ長調 K.551 ≪ジュピター≫ 第2楽章:Andante cantabile 7. 交響曲第41番 ハ長調 K.551 ≪ジュピター≫ 第3楽章:Menuetto:Allegretto 8. 交響曲第41番 ハ長調 K.551 ≪ジュピター≫ 第4楽章:Molto allegro
たっぷりとした響きで沸々と内に向かうロマンに浸るブラ4ではない。各声部がくっきりと明快、鋭敏に動く。相互の関係性がきわめて明瞭に腑に落ちるその音の姿が過激なまでに斬新である。発止と敏捷に響きが立つ3楽章。エモーション直截な4楽章。音楽が熱い。
「イカの哲学」はOEKの委嘱作で、早逝の哲学者・波多野一郎の唯一の著作『烏賊の哲学』を基にした語り付きの協奏曲(台本:中沢新一)。ベートーヴェンは、すっきりとしたオーソドックスな佳演だが、ミッチーらしいサービス精神や、意表を突くアイディアを求めたい気も……。
ブラームスは重々しい音楽でも、分厚い響きでもない。小編成だからこそ可能となる、歯切れの良さと推進力を生み出す速度感を最大限に活かした新しいブラームス像を提案しようとしている。それが金聖響&OEKの意図だろう。録音にはもう少し冴えが欲しい。
弾き振りのピアノなど、さすがはピアニスト出身だけあってソツがない(録音がもう少し抜けがあるとさらに良かった)。期待以上に良かったのはエルガー。「ハフナー」は小味で引き締まったものだが、全体的には平均点。マルムステンは気の利いたアンコール。一聴の価値あり。
ダウスのヴァイオリンは安定した技巧による正攻法の演奏で、細部もクリア。狂気よりも愉悦の演奏を聴かせる。OEKは鈍重さに陥ることなく敏捷さと豊かな響きを同居させており見事だ。「オブリビオン」での気怠げなムードもよく演出されている。ヴィヴァルディも秀演。