制作・出演 : 岩城宏之
オーケストラ・アンサンブル金沢の2003年の2回の演奏会から現代若手の作品を3作収録(ライヴ)。高木綾子による秀逸なフルート演奏が聴きものの一ノ瀬トニカ作品や、複雑なテクスチャーによるバイオレントな猿谷の難曲など、クオリティの高い演奏で聴かせるのはさすが。
半世紀を越す指揮者生活を重ねる岩城がOEKに注ぎこむ情熱のほどが偲ばれる録音。スタンダードな手堅いアプローチで隅々まで行き届いた采配、それに素直に応えるオケ、結果、作品は自然な流れを獲得する。当たり前のようでいてじつは得難い音楽の悦び。
制作・出演
イ・ソリスティ・ヴェネティ / クラウディオ・シモーネ / ジェームズ・ゴールウェイ / ジニー・ゴールウェイ / ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団 / フィリップ・モル / メルカダンテ / ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 / 岩城宏之フルートにとってロマン派の時代は“不作の時代”なんて言われているが、たしかに技巧に走りすぎたキライはあるものの、こうした名手によって演奏されると生命が宿る。ロマン派はフルートに輝きを与えたのだった。その主旨とは別に、アルゲリッチとの共演は聴きもの。
発売元
日本コロムビア株式会社「ノヴェンバー・ステップス」や「ラプソディ」など日本が世界に誇る管弦楽名曲をまとめて収録。デンオンやスプラフォンなどの名盤を集めた《ザ・クラシック1000》の1枚。
小編成による、ごくごくまっとうな演奏。学究的な面を強調されても困る時があるが、この演奏のように特に書くこともないような普通の演奏もまた困る。冒険心のない人、あるいはこの団体、指揮者を支援している人のためのディスク。録音もごく普通の出来。
外山と徳山の作品は、民族的素材を“モロ”に使ったショウ・ピース。聴いて面白いのは西村の2つの作品。二十弦箏を使った「樹海」の繊細な響き、そして西村チックでなんとも分厚く精力的な「鳥のヘテロフォニー」。オケはもう少し頑張って欲しいけど。
N響の前身である日響の専任指揮者として活躍した尾高尚忠を記念してN響が制定した尾高賞。その受賞作から、三善晃の「響紋」のほか、西村朗や細川俊夫ら若い世代の作品を聴く。