音楽むすび | 制作・出演 : 江口玲

アメリカの曲を中心にした『エンターテイナー』と同時発売で、こちらは、もう少しクラシカルなアルバムになっている。演奏は非常に丁寧。過剰な表情づけは避け、すーっと耳に馴染む。もっと大胆に、積極的にとは言えるが、これは癒し系クラシックなのだ。

楽しみの表情がよく伝わってくる快適アルバム。江口玲のスムーズな音楽性は、全体の雰囲気に大きく寄与している。クラシカル・エンタテインメントという方向では、やや優等生的の感は否めないが、愛ちゃんだからOKさ。唯一のがっかりは、ジャケットかも……。

竹澤ひさびさの新作は初の小品集。たとえばクライスラーの「愛の悲しみ」のように、気持ちを込めすぎるほどじっくり歌ったり、ブラームスではしなやかさを、そしてバルトークでは大家のような風格を見せる。彼女としてもやり尽くした充実感があっただろう。伴奏&録音も良し。

カントロフ、スーク、チー・ユンなどの名ヴァイオリニストの演奏で、ヴァイオリンの魅力を満喫できる。デンオンやスプラフォンなどの名盤を集めた《ザ・クラシック1000》の1枚。

最高の音で楽しむために！