制作・出演 : 熊本マリ
今回は踊りの音楽がテーマ。17曲収録。ショパンのワルツやグラナドスの「アンダルーサ」などのほかに、ハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」やシュトラウスの「美しく青きドナウ」など“ピアノ演奏”としては珍しい楽曲も多数収録しているのが魅力。目から鱗的アルバム。
多彩なレパートリーを誇る彼女だが、スペインもの、特にこのモンポウを演奏し続けることが使命だという。「癒し系」のように思われるモンポウだが、シンプルな音の狭間から聴こえてくるものは、孤独の深淵だったり、時に絶望だったりする。大切に聴きたいアルバムだ。
今やマルチ・タレントとして活躍する熊本マリのショパン・ノクターン集。ピアノの詩人がジョルジュ・サンドと愛の生活を過ごしたマジョルカ島に思いを馳せて綴った、一服の清涼剤のようなアルバムである。そこはかとない郷愁さえ感じられる美しい音色が魅力だ。
熊本マリといえばスペイン。本盤はスペインの代表的な作曲家による22曲を収録。アルベニスやグラナドスの名品に加え、ロドリーゴ自身の編曲による「アランフェス協奏曲」やフラメンコのパフォーマンスの付いたヒメーネスなどスペイン情緒満喫の内容。
発売元
キングレコード株式会社シリーズ中、この第四集のみ劇場版本編で使われたものとは別の音源がセレクトされている。聴いてなるほど、ストーリーのバックで流すには主張の強すぎる演奏ばかりであった。これは画面なしに心の中でイメージを反芻するための配慮だと解釈しておこう。
熊本マリが演奏活動15周年を記念して、ドビュッシー・アルバムを録音。「月の光」「亜麻色の髪の乙女」「喜びの島」などの名曲が、彼女らしい親しみやすい語り口で奏でられる。
キューバ音楽の神様的存在、エルンスト・レクオーナの作品を中心に、南米にちなんだ作品を多数収録。実はレクオーナの姪による作品だった、あの「タブー」のピアノ・バージョンも収録。
ビゼーやファリャのオーケストラ曲のピアノ版、そしてハルフテルらのピアノ曲など、スペインに対する熊本の熱き思いを込めたアルバム。なんだけど、恐縮ですがその“思い”以前に、まずちゃんと弾いて、ちゃんと音楽を聴かせてほしいのであります。
メトネルの「忘れられた調べ」というタイトルからアルバム名を取っているように、あまり演奏されることのない曲を多く収録している。それだけに熊本マリの選択眼が浮き上がる盤である。たしかに叙情的な曲ばかりだが、もう少し演奏に柔らかさがあるといいな。
中南米からヨーロッパまで様々な作曲家によるタンゴを集めた好企画。タンゴの親戚ハバネラも含む計20曲は、バラエティ豊かで楽しい。もうちょっとリズム感を強調した演奏だったらという気もするが、その中庸感がかえってBGM的にはgoodかも。★
熊本マリがピアノ・パートを受け持ち、チェコ・フィル室内オケと共演。活気があってとても楽しい。ブランデンブルクもピアノの豊かな音色が加わり、じつに晴れやかな音楽になっている。オリジナル楽器による演奏とは、ひと味違ったおもしろさがある。
モンポウという特色あるレパートリーを持つ熊本マリの最新録音。短い曲が並ぶが、どの曲も美しく、メランコリックな趣もある。多くの音楽ファンの愛聴盤になるだろう。これらの作品にはモンポウの独自性と共に様々な音楽からの語法的な影響が見られる。
「ゴールドベルク」に続く熊本マリのバッハ第2弾。「バッハが好き」という心情がストレートに伝わってくるような、伸びやかで明るい演奏である。これほど聴いていて気持ちのいいバッハはそうあるものではない。それでいて中身も濃いのである。
93年大みそかの、プラハにおけるコンサート・ライヴである。ライヴらしい熱気のこもった演奏だが、リズムが多少ぎこちない場面もある。(2)と(3)には、スペインとアメリカに学んだピアニスト、熊本マリが登場し、上品な味わいを含んだソロを聴かせている。
熊本マリのゴールドベルク変奏曲はまことにあざやか。ライナーノートにあるように“華のある”演奏。熊本マリが自分の感覚でストレートに弾く。ばねのあるリズム、ロマンチックな旋律、対位法の強調、落差の大きいコントラスト。楽しく魅力的でかなり器用。