制作・出演 : 舘野泉
ラフマニノフ&グリーグラフマニノフ&グリーグ
久しぶりのコンチェルトの録音だ。それも、目一杯ロマンティックなやつを選んでくれた。下手をすれば通俗なセンチメンタリズムに堕してしまう曲だが、舘野は遅めのテンポでたっぷりとうたい、スケールを十分保ちながら繊細さも損なわずに弾ききっている。
シューマン:交響的練習曲シューマン:交響的練習曲
舘野泉のシューマン第2弾。深い抒情性をたたえた演奏が彼の最近の充実ぶりを物語る。特に交響的練習曲(遺作付きの版を使用)は素晴らしく、シューマンの音楽の多様性を穏やかな「うた」に託して表現してみせる手腕にはいささかも文句の付けようがない。
シューマン:子供の情景シューマン:子供の情景
舘野泉は、デビュー30周年記念コンサートを開いて以後、とくにシューベルトとシューマンの作品を積極的に録音している。今回のシューマン・アルバムで彼は、各作品を大きな流れのなかでとらえており、その落ち着いた趣きと共に叙情的な表現は印象的。
さすらい人幻想曲さすらい人幻想曲
先月カッサールの演奏に感心したシューベルト、今月は舘野泉の演奏。世の中には上手い人がたくさんいるものでこれもなかなか聴かせる。シューベルトはスマートでも野暮ったくても様にならないが舘野の演奏はほんの少しスマートにバランスを取っている。