ジャンル : クラシック > 協奏曲
バレンボイムの弾き振りで聴くベートーヴェンのピアノ協奏曲全集。過去、ピアニストとして1度、指揮者として1度録音しているが、今回は両方を兼ねての3度目の録音。BPOとの絶妙な共演は、聴きごたえ十分だ。
ヨーヨー・マ2度目の「ドヴォ・コン」(前作はマゼール指揮ベルリン・フィルとの1986年録音)で、マズア率いるニューヨーク・フィルとの95年録音盤です。1995年はちょうど、ロンドンでこの曲が初演されてからちょうど100年目にあたる年で、そういう意味でも記念碑的なアルバムとなりました。マゼール盤での若々しいチェロも捨てがたいですが、やはりここでの成熟したソロの輝かしい音色には思わず聞き惚れてしまうことでしょう。カップリングには、1993年12月16日プラハで行われたドヴォルザークの「新世界交響曲」初演100周年記念公演をライヴ録音したアルバムからです。小澤征爾指揮ボストン交響楽団、パールマンとの共演という豪華な組み合わせです。そして最後は81年に録音した小品集から、クライスラー編曲の「わが母の教え給いし歌」。ドヴォルザークの哀感あふれる旋律美が味わえます。
長く待ち望まれていた、五嶋みどりのモーツァルトです。日本が世界に誇るヴィオラ奏者である今井信子と、北ドイツ放送響、パリ管弦楽団、フィラデルフィア管弦楽団などを手中に収めた巨匠エッシェンバッハというこのうえなく豪華な共演陣を得て、みどりの美音が時に華麗に、時に艶かしくメロディを奏でていきます。未完の断片から、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタの一部借用といった手段を用いてフィリップ・ウィルビーによって再構成されたヴァイオリンとピアノ、管弦楽のための協奏曲ニ長調は競合盤も少なく、エッシェンバッハのピアノとみどりのヴァイオリンが美しく歌い交わす様はまさに聴きものです。
長く待たれていたみどりのチャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲の録音がついに実現!しかもバックをつとめるのは世界最高の指揮者とオーケストラ、クラウディオ・アバド指揮するベルリン・フィルというのですから豪華このうえない組み合わせといえましょう。五嶋みどりのヴァイオリンという至宝の銘器との組み合わせは、まさしく音楽ファンにとっては夢の共演というにふさわしいでしょう。カップリングのショスタコーヴィチともども、長く語り継がれることは間違いないアルバムです。
若くしてジュリアード音楽院に学び、そのキャリアをスタートさせた五嶋みどりが、活動初期に共演したズービン・メータと組んでレコーディングしたのは、待望のシベリウスのヴァイオリン協奏曲でした。フィルアップのブルッフとともに、ヴァイオリンのための幻想的な協奏的作品を、イスラエル・フィルという絶妙のバックを得て、彼女は実に美しい演奏を繰り広げています。
ボルティモア出身の17才(当時)の天才ヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーン待望の第2弾。衝撃のデビューを飾ったバッハ・アルバムは全世界で高い評価を得たが、今回は「ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲」と「バーンスタイン:セレナード」の組み合わせよる21世紀へ向けて新たな可能性を追求するコンチェルト・アルバム。ジンマン指揮するボルティモア響のサポートを得て、ヒラリーのヴァイオリンは堂々と美しい調べを奏で上げる。
前作ブラームスに続き、今作もヴァイオリンの「三大協奏曲」のひとつ、メンデルスゾーンを収録、そして海外のコンサートや'00年のベルリン・フィルとの来日でも実力は折り紙付きのショスタコーヴィッチとの絶妙のマッチングです。17才の若さでデビューをバッハ無伴奏で飾るという常識離れした実力と、その精悍で知的な面影を兼ね備えた音色を、是非ご堪能下さい。
2000年のベルリン・フィル来日公演にソリストとして初来日し、アバドとヤンソンスの指揮でベートーヴェンとショスタコーヴィチの協奏曲を弾き分けるという、これ以上ない華々しい日本デビューを飾ったヒラリー・ハーンのブラームスとストラヴィンスキーです。現代最高のテクニックを余すところなく披露しながら、音楽に対する深い洞察力をも同時に感じさせるというヒラリーならではの表現が、類い希なる名盤として、この世に誕生しました。
ケルン放送交響楽団の首席オーボエ奏者として活躍しながら、フュージョンのジャンルでも魅惑的なアルバムを発表した"オーボエの貴公子"宮本文昭。このアルバムは、宮本がクラシック奏者としての本領を、改めて世に知らしめたイアリアのオーボエ協奏曲集。映画『ベニスの愛』のテーマ音楽に使われ、一躍人気作品になったA.マルチェルロをはじめ、4曲いずれもがイタリアのどこまでも青い空と海を想わせる名演奏です。
宮本文昭は、ケルン放送交響楽団の首席オーボエ奏者を務めた名手。その宮本文昭が颯爽と録音した初の協奏曲アルバムが、このモーツァルトの作品集だった。彼が吹くモーツァルトの"踊るアレグロ"は力強くダイナミックで、"歌うアンダンテ"は厳粛とも呼びたくなるような彫りの深さをもって聴こえてくる。世界のオーボエの名人たちの演奏にもまったく引けを取らない、宮本文昭の会心の演奏である。
堀米ゆず子が30代前半で録音したモーツァルト。ヴェーグ、カメラータ・ザルツブルグco.のがっしりとした伴奏に乗って伸びやかに奏でられる、自然で美しいモーツァルト。彼女の代表的録音のひとつだ。
制作・出演
アンソニー・ジリオッティ / ウィリアム・キンケイド / ジョン・デ・ランシー / バーナード・ガーフィールド / フィラデルフィア管弦楽団 / メイソン・ジョーンズ / モーツァルト / ユージン・オーマンディフィラデルフィア管の首席奏者たちの妙技が堪能できる一枚。オーマンディの下、いわゆる“フィラデルフィア・サウンド”の全盛期を支えた奏者たちで、輝かしくも美しいモーツァルトが繰り広げられている。
ワッツが最も輝いていた20代のころの録音。大曲3曲を前に、溌剌(はつらつ)として躍動感あふれる会心の演奏が繰り広げられている。バーンスタイン、小澤征爾の好サポートも見逃せない。
ラン・ランによるショパンのピアノ協奏曲集。2010年のショパン生誕200年に向けて発表されたアルバムだ。ラン・ランの豊かな感受性に富んだ演奏を、メータ、ウィーン・フィルがしっかりと支えている。
「四季」は昔ながらの現代楽器の演奏と、最近の古楽器と鮮烈さとのちょうど中間という感じだろうか。ベルの独奏も品格にあふれ、すっきりとしなやかなその音色はたいへんに心地よい。録音も響きが豊か。タルティーニも端正な表情が印象的だ。