音楽むすび | ジャンル : クラシック > 現代音楽

現代曲をおいしい切り口で紹介するノンサッチ、今回はケント・ナガノの指揮する「エル・ドラド」。けっこう50年代ハリウッド大作のサントラのノリでいける。破壊と再創造というテーマもそれらしく、ナガノ&ハレ管の充実ぶりを知る意味でも面白く聴いた。

小川典子は87年のリーズ国際コンクールで3位に入賞後、ロンドンを拠点に欧州で活躍中のピアニスト。余韻のコントロールが抜群で、武満の曲が要求する世界を深いところで表現することに成功している。静かに語るような右手のフレージングも印象的だ。

アメリカ現代歌曲の素敵な展望台というべき貴重なCD。唯一古きよき時代の素朴な(1)、アメリカンな(9)(11)、不気味な美(10)、イギリス民謡風(14)、愛らしい(17)etcみな実に魅力的。アメリカ人の胃袋の大きさに応じる驚くほど幅広い歌唱、巧みなピアノ伴奏。

毎年12月といえば、クリスマス商戦まっただ中、購買促進音楽ともいうべきクリスマス・ソングが跋扈する。これに便乗というわけではあるまいが、『讃美歌100選』なる“まじめな”アルバムの登場である。全7集。ポピュラーな曲は数少ないが、キリスト教信者にはなじみの曲ばかりのはず。オルガンを伴奏に東混など一流の合唱による美しい歌が響く。心なごみ平和を感ずるひとときである。