音楽むすび | レヴェレイションズ・オブ・オブリヴィオン

レヴェレイションズ・オブ・オブリヴィオン

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デス・メタルを生んだ伝説的バンド ポゼストが、33年ぶり復活のニュー・アルバムをリリース!
ジェフ・ベセーラの元祖デス・メタル・ヴォーカルを軸に不穏かつ激烈なサウンドを創造。狂気に魅せられたポゼストの新章が始まる。
 
デス・メタルの生みの親はポゼストである。この意見に反対するものは多くないだろう。
そのポゼストが、33年ぶりにニュー・アルバムをリリースするというのだから、これは2019年エクストリーム・メタル界最大の事件だ!
彼らが80年代に残した2枚のアルバム、『Seven Churches』(85年)と『Beyond the Gates』(86年)は、デス・メタルというジャンルの直接的ルーツである。
さらに、84年に発表されたデビュー・デモのタイトルは、ズバリ『Death Metal』。つまり、ポゼストはデス・メタルの生みの親であると同時に、名づけ親でもあるのだ。
だが、その影響力とは裏腹に、彼らは短命であった。前述の2枚のアルバムと『The Eyes of Horror』というEPのみを残し、87年、わずか4年でその活動に終止符を打つ。
(正式に解散したのは89年という説もある。)

多くのエクストリーム・メタルが解散をしても、結局はすぐに第一線復帰をしていく中、ポゼストは伝説であり続けた。事態が急転したのが07年。
ヨーロッパ最大の野外フェス、ヴァッケン・オープン・エアに、ポゼストが登場することがアナウンスされたのだ。
オリジナル・メンバーは、ヴォーカルのジェフ・ベセーラのみ。ジェフは89年、強盗に撃たれ下半身不随になるという悲劇に見舞われていたため、
車椅子に乗ってのパフォーマンスであった。20年ぶりのポゼストの復活に、全世界のデス・メタル・ファンは狂喜したことは言うまでもない。
(厳密には、ギタリストのマイク・トラオを中心に、90年〜93年も再結成されている。この時ジェフ・ベセーラは不参加。)その後、ジェフ・ベセーラを中心とした
新生ポゼストは、フェスの出演やツアーを継続。14年には、ここ日本にもやって来ている。
当然、ニュー・アルバムへの期待も大きく、新曲を書いているという噂は流れ続けていたものの、なかなか具体的な情報が出てこなかった。
だが、ついにその時がやってきた。ついに33年ぶりのサード・アルバム『レヴェレイションズ・オブ・オブリヴィオン』がリリースとなるのだ!

さて、伝説的バンドの復活作となると、期待と不安が入り混じるのが当然というもの。ポゼストと言えば、ジェフ・ベセーラの元祖デス・メタル・ヴォーカル、
後にプライマスに加入するラリー・ラロンデの変態ギター・リフ、そしてマイク・サスによる「独特すぎる」ドラミングが、その3本柱と言えるだろう。
だが、現在のポゼストに、ラロンデもサスもいない。となれば、不安も大きくなろうというもの。しかし、何の心配もいらない。
黙って『レヴェレイションズ・オブ・オブリヴィオン』を聴いてみるがいい。これがポゼストでなくて何であろう。
一切の衰えがないどころか、進化すら感じさせるベセーラのヴォーカル。ラロンデのリフをよく研究していることが伺えるギター陣。
ドラムだけは、演奏、音質ともに非常に21世紀的なものになっているが、これはバンドにパワーを与えこそすれ、まったく違和感を覚えさせない。
(マイク・サスのドラミングを再現できるドラマーなどいないだろうけど。)往年のファンたちの、膨れ上がった期待を軽く超える仕上がりになっているのだ!
ポゼストはデス・メタルの生みの親にして、現在もトップランナーであることを証明してみせたのだ。改めて言う。
あのポゼストが、33年ぶりにニュー・アルバムをリリースする。しかもポゼスト以外何ものでもないアルバムを。
これが2019年エクストリーム・メタル界最大の事件でなくて、何であろう。

【メンバー】
ジェフ・ベセーラ (ヴォーカル)
クローディアス・クリーマー (ギター)
ダニエル・ゴンサレス (ギター)
ロベルト・カルデナス (ベース)
エミリオ・マルケス (ドラムス)

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