音楽むすび | ザ・ゴースト・オブ・オライオン

ザ・ゴースト・オブ・オライオン

ザ・ゴースト・オブ・オライオン

絶望・苦悶・悲哀の向こうに見える一筋の光。英国デス/ドゥーム・メタルの重鎮マイ・ダイイング・ブライドが放つ矢が魂を射貫く、記念すべき第十三教典。

1990年に結成、パラダイス・ロスト、アナセマと共に英国デス/ドゥーム・メタルの黄金三角形を成してきたのがマイ・ダイイング・ブライドだ。

アンドリュー・クレイハン(ギター)とアーロン・ステインソープ(ヴォーカル)をバンドの軸として活動してきた彼らは深く沈み込むヘヴィネスで世界のファンの信頼を勝ち得てきた。
他2バンドが初期のデス/ドゥーム・サウンドから逸脱していく一方で、彼らは漆黒の世界観を頑ななまでに貫いている。

13作目のアルバム『ザ・ゴースト・オブ・オライオン』は、苦悩の中で作られた作品だ。前作『フィール・ザ・ミゼリー』(2015)発表後、アーロンの5歳になる愛嬢の癌が発覚。
彼が“神の苦く愛なき、最も残虐な創造物”と表現する病魔との戦いを強いられることになった(幸い、快調に向かっている)。
さらにメンバー2人が突如脱退するという事件にも見舞われている。だがバンドは長く暗いトンネルを経て、新メンバーを迎えながらニュー・アルバムを完成。
長年の古巣だった“ピースヴィル・レコーズ”を離れ、世界最大のメタル・レーベルのひとつ“ニュークリア・ブラスト”から発表することになった。

アーロンは新作をこう語る。「マイ・ダイイング・ブライドのみが創り方を知る豊潤な旅路。攻撃的で美的、過去になかった陰鬱なハーモニーで彩られている。
ドラマチックな展開に乗せて、内臓を冒す狂気と怒りを込めたデス・メタル・ヴォーカルが恐るべきエッジをもたらす」
ギリシャ神話で女神アルテミスの放つ矢に射られて死んだ神の子オリオン(オライオン)の霊をタイトルに冠した本作。
アルバムに先駆けてリーダー・トラックとして発表された「ユア・ブロークン・ショア」は息の詰まる重低音と哀感溢れるストリングスが交錯する、結成30年にして生まれた新しい代表曲のひとつだ。

ヴァードゥルナのヴォーカリスト、リンディ=ファイ・ヘラが呪術的な女声の詠唱を聴かせる「ザ・ソレス」、10分を超える暗黒の叙事詩「ザ・ロング・ブラック・ランド」「ジ・オールド・アース」など、一瞬たりとも緊張感が途切れることがない。
アーロンは「最も思慮深いヘヴィ・ミュージックを創り出すべく、すべての情熱とパワー、不屈の精神を傾けた」と説明するが、それは見事に功を奏している。
パラダイス・ロストやロッティング・クライストを手がけてきたマーク・マイネットがプロデュース・エンジニア・ミックスを担当。
ジャケット・アートはテスタメント、フレッシュゴッド・アポカリプス、SIGHなどを手がけてきたエリラン・カントルによるものだ。
ひたすら重く激しく、そして哀しく。マイ・ダイイング・ブライドの闇の覇権は、2020年代においても揺らぐことがない。

【メンバー】
アーロン・ステインソープ(ヴォーカル)
アンドリュー・クレイハン (ギター)
レナ・アベ (ベース)
ショーン・マガウアン (キーボード/ヴァイオリン)
ジェフ・シンガー (ドラムス)

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