エンパイア・オブ・ザ・ブラインド
炸裂するツインリード、パワフルに歌い上げるヴォーカル!
エクソダスのギタリストでもあるリー・アルタス率いるヒーゼンによる 10 年ぶり 4 枚目のアルバムは、ヒーゼン節がますます冴え渡る会心作。
ゲイリー・ホルト、リック・ヒューノルトがゲスト参加。
【日本語解説書 封入/歌詞対訳付き】
ベイエリア・スラッシュ・シーンを代表するバンドの 1 つ、ヒーゼン。
その歩みは決して順調なものではなかった。
結成は 84 年。
エクソダスやメタリカといったベイエリア第1世代に数年遅れて登場し、87 年には『Break the Silence』
でアルバム・デビュー。
『Master of Puppets』リリースの翌年である 87 年は、テスタメントやデス・エンジェルもア
ルバム・デビューを果たした、まさにベイエリア・スラッシュ開花の年。
あのロニー・モントローズがプロデュース、
スイートのカバー「Set Me Free」をフィーチャしたヒーゼンのデビュー作も、大きな話題となった。
だが、その後テ
スタメントやデス・エンジェルが立て続けにアルバムをリリースしていく中、ヴォーカル、ベース、ドラムが抜けてし
まうというトラブルに見舞われたヒーゼンは、足踏み状態に陥ってしまう。
結局ヴォーカリスト、デイヴィッド・ホワ
イトが出戻りとなり、セカンド・アルバム『Victims of Deception』を発表した時には、アルバム・デビューから 4
年が経過。
その頃にはすでにスラッシュ・メタルは斜陽を迎えていた。
さらにセカンド・アルバム・リリース後に加入したベーシスト、ランディ・レアーが交通事 故で急死という不運に襲われたバンドは、失意のうちに解散してしまう。
10 年近い沈黙を経た 01 年、チャック・ビリーとチャック・シュルディナーのチャリティ・コンサートをきっかけ
に、ヒーゼンは再結成。
以降、時々ライヴを行うようになる。
そして 09 年、18 年ぶりとなるサード・アルバム、『The
Evolution of Chaos』をリリースし、往年のファンを喜ばせた。
12 年にはニュークリア・ブラスト・レコードとサイン。
それ以降、ファンは新作はまだかと首を長くしていたが、
何しろリーダーのリー・アルタスはリック・ヒューノルトの後任としてエクソダスにも参加している多忙な身。
気づけ
ば時間だけが過ぎていった。
だが、この度ついに、そんな彼らによる 4 枚目となるアルバム、『エンパイア・オブ・ザ・
ブラインド』がリリースとなる。
「良いワインを作るには時間がかかるだろ。
それと同じさ」とリーが言うように、10
年という熟成期間を経たこの作品の仕上がりは、実に素晴らしい。
デビュー作ではスイート、セカンド・アルバムでは
レインボーのカバーを披露していたことからもわかる通り、スラッシーな面を持ちながらも、メロディを重視するのが
彼らのスタイル。
もちろん、それは本作でも変わらない。
アルバムの随所に散らばるヒーゼンらしいツインリード、そ
してきちんとメロディを歌い上げるデイヴィッド・ホワイトのヴォーカル。
ヒーゼン・ファン、ベイエリア・スラッシ
ュ・ファンならば、狂喜乱舞間違いなしだ。
オーヴァーキルやクロウバーらの作品を手がけたことで知られるゼウスこ
とクリストファー・ハリスの手にミックス、マスタリングもヒーゼンのサウンドにピッタリ。
エクソダスのゲイリー・ホルト、元エクソダスのリック・ヒューノルト、そして元ヒーゼンのダグ・ピアシーがゲス
ト参加。
【メンバー】
デヴィッド・ホワイト(ヴォーカル)
リー・アルタス(ギター)
クラーゲン・ラム(ギター)
ジェイソン・ミルザ (ベース)
ジム・デマリア(ドラムス)
【ゲスト・ミュージシャン】
ゲイリー・ホルト(ギター) [エクソダス]
リック・ヒューノルト(ギター) [元エクソダス]
ダグ・ピアシー(ギター) [元ヒーゼン]
関連音楽
3年間の沈黙の後に登場の2作目。メタリカ的な鋭利な攻撃力とメロディアスなヴォーカル・ラインとが共存。重々しいサウンドはかなり綿密に作り上げられている。できすぎなのが物足りない曲なきにしもあらずだが、全体に高テンションが保たれている。 2000/02/16 発売
サンフランシスコ出身のメロディアス・スラッシュ・バンドで1作目をロニー・モントローズがブロデュースを担当したことで脚光を浴びた彼ら。この2作目は91年の発表。起伏に富んだテクニカル志向の音は今聴いても新鮮。クリーンなリマスターも好印象だ。 2003/02/21 発売