タラシック
フィンランドのフォーク・メタル・バンドによる初のテーマ・アルバム。
美しいフォーキッシュなメロディ、壮大なアレンジメント、激烈なリフ、大合唱必至のサビ。
これを聴いて興奮しないヘヴィメタル・ファンなどいるはずもない。
【日本語解説書封入/歌詞対訳付き】
エンシフェルムはフィンランドのフォーク・メタル・バンド。
01年にバンド名を冠したデビュー・アルバムをリリース。
民族音楽的要素を大胆に取り入れたメロディックなエクストリーム・メタルで、瞬く間に大きな人気を博した。
その後、数年に一枚のペースで高品質な作品を発表。
これまでに7枚のフル・アルバムをリリースしている。
非常にメンバー・チェンジが多く、04年にはフロントマンであるヤリ・マーエンパーが、ウィンターサンの活動に専念するために脱退してしまう。
しかし、バンドはそんな危機にも立ち止まるどころか、より一層の活躍を見せ、その後もシーンの最前線を走り続けてきた。
そんなエンシフェルムによる8枚目のアルバム、『タラシック』がこの度登場。
『タラシック』とは、古いギリシャ語で「海の」という意味。
少々意外であるが、本作はエンシフェルム初のテーマ・アルバム。
すべてに楽曲が、「海」、あるいは「水」に関連しているのだ。
本作について、ベーシスト/ヴォーカリストのサミ・ヒンカは、「音楽的にさらに一歩前進しつつ、俺たちのオールド・サウンドの良いところも利用した」と語る。
これを噛み砕けば、『タラシック』では壮大なオーケストレーション+民族音楽的要素+メタルというエンシフェルムお得意の公式が守られている一方、前々作『ワン・マン・アーミー』(15年)や前作『トゥー・パス』(17年)に比べると、よりストレートなヘヴィメタル的側面が強調されているということになる。
美しいフォーキッシュなメロディ、壮大なアレンジメント、激烈なリフ、大合唱必至のサビ。
おなじみのエンシフェルムのトレードマークに加え、新加入のキーボーディスト、ペッカ・モンティンによるクリーン・ヴォーカルが、楽曲にさらなる彩りを与える。
これを聴いて頭を振らずにいられようか。
これを聴いてアドレナリンが噴出しないヘヴィメタル・ファンなどいるのだろうか。
エンシフェルムこそ、ヘヴィメタルの真髄を凝縮したバンド。
エクストリーム・メタル・ファンだけでなく、伝統的なヘヴィメタル・ファンにも大きな興奮を与えること間違いなし。
日本盤ボーナストラック収録。
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